外国のお客さんが増えてきて、インスタも英語で出したほうがいいのかなと。AI翻訳に任せて大丈夫ですか?

訳すのはAIで十分なことが多いです。ただ、そのまま出す前に確かめてほしい所があるんですよ。
観光地の飲食店や宿、駅前の美容室や体験教室。外国から来たお客さんが、SNSや地図アプリを見て店を探す場面は珍しくなくなりました。英語や中国語でも発信したいけれど、訳せる人が社内にいない。そこでAI翻訳を使う、という流れは自然です。
答えの要点は、訳す作業はAIに任せ、間違えると困る所だけを人が確かめることです。値段、営業時間、予約の条件、食材やアレルギー、注意書き。ここが違っていると、来店したお客さんとの間で行き違いが起きます。もう一つ効くのが、訳す前の日本語を訳しやすく書くことです。
この記事では、訳してよいものと確認が要るものの分け方、訳しやすい日本語の書き方、どの言語で出すか、SNSへの載せ方、人の確かめ方を順に書きます。
この記事の要点
- 訳すのはAI。値段・時間・食材など間違えると困る所は人が確かめる
- 訳す前に、主語を入れて一文を短くした日本語を書く
- 言語は来ているお客さんの国から選び、返事ができる分だけ
訳してよいもの、人の確認が要るもの
まず、発信する中身を間違えたときの困り方で分けます。
| 中身 | AI翻訳のままでよいか | 確かめること |
|---|---|---|
| 季節の話題・お店の雰囲気 | おおむね任せてよい | 意味が大きくずれていないか |
| 営業時間・定休日・予約の方法 | 人が確かめる | 曜日・時刻・日付の書き方 |
| 料金・税・支払い方法 | 人が確かめる | 金額と、税込かどうか、使える支払い方法 |
| 食材・アレルギー・食の配慮 | 分かる人に確かめてもらう | 原材料の抜けや、言葉の取り違え |
| キャンペーンの条件・注意書き | 人が確かめる | 対象・期間・除外の条件 |
| キャッチコピー・言葉遊び | 訳さずに書き直す | その言語で意味が通じるか |
例えば居酒屋の「お通し」は、そのまま訳すと「最初に出てくる小皿料理」くらいの意味にしかなりません。頼んでいないのに会計に入っていることに、外国のお客さんが戸惑うことがあります。この場合に要るのは訳ではなく説明です。「席に着くと小皿が1品出ます。1人いくらで、会計に入ります」と、仕組みを書きます。
食材とアレルギーは、いちばん慎重に扱います。訳の言葉が少しずれるだけで、食べられないものを食べさせてしまうおそれがあるからです。

メニューの訳で原材料が1つ抜けていた。想像するだけで、ぞっとしますよね。
訳す前に、訳しやすい日本語を書く
AI翻訳の出来は、もとの日本語でかなり変わります。日本語は主語を省いても通じますが、訳すときにAIが主語を推測するので、そこでずれが起きます。
訳す前の日本語は、次のように書き直します。
- 主語と目的語を省かない:「ご予約ください」より「お客様は、前日までに予約してください」
- 一文に一つのことだけ書く
- あいまいな言葉を数字や具体的な言葉にする:「少々お時間をいただきます」より「料理が出るまで20分ほどかかります」
- 業界の言葉や略語を避ける
- 店名や地名の書き方を一つに決めておく
例えばランチの告知で「売り切れ次第終了となりますので、お早めに!」と書くと、訳文は丁寧でも、何時に行けばいいかが伝わりません。「ランチは1日20食です。なくなったら終わります。11時の開店直後がおすすめです」と書けば、訳しても同じことが伝わります。
店名や地名の書き方は、観光庁が2014年3月にまとめた「観光立国実現に向けた多言語対応の改善・強化のためのガイドライン」が参考になります。固有名詞はローマ字、普通名詞は英語で書く(日比谷公園なら「Hibiya Park」)という考え方です。自分の店の名前や看板メニューの表記を一度決めたら、毎回その表記を使うよう、AIに渡す用語集に入れておきます。

「お気軽に」って、訳すと意外と何も伝わらないんですよ。何をしていいのか書いてあげてください。
どの言語で出すかは、来ている人から決める
英語・中国語・韓国語と、全部そろえる必要はありません。まず、自分の店にどこの国の人が来ているかを数えます。
- 来店したお客さんに、どこから来たかを聞いて記録する
- 予約サイトやホテルの予約管理画面で、国や地域を見る
- InstagramなどSNSの分析画面で、フォロワーの国や地域を見る
中国語で出すときは、簡体字と繁体字の違いに気をつけます。中国本土の人は簡体字、台湾や香港の人は繁体字を主に読みます。来ている人がどちらなのかで、選ぶ字が変わります。
英語だけでも、出したほうがいいですか?
来ている人が少ない段階なら、英語から始めるのが無難です。英語は、母語でなくても読める人が多い言語だからです。言語を増やすのは、その国から来る人が増えてきてからで構いません。
言語を選ぶときに、もう一つ考えておきたいのが返事です。英語で投稿すれば、英語で質問や予約の相談が届きます。届いた質問はAI翻訳で読めますが、予約や料金の約束になる返事は、人が中身を確かめてから送ります。返事まで回らない言語は、まだ出さないほうが親切です。

言語を増やすより、来てくれた国の人にきちんと返せることのほうが大事なんです。
SNSへの載せ方
載せ方は、大きく3つあります。
| 載せ方 | 向く場面 | 気をつけること |
|---|---|---|
| 1つの投稿に日本語と外国語を並べる | 外国のお客さんがまだ少ない | 長くなるので、外国語は要点だけにする |
| 言語ごとに別の投稿にする | 外国語で伝えたいことが多い | 日本の常連さんの画面に外国語が並ぶ |
| 言語ごとにアカウントを分ける | 外国から来る人が売上の柱 | 作る手間が倍になる |
最初は、1つの投稿に並べる形で十分です。日本語の本文のあとに、英語で「何の投稿か」「営業時間」「予約の方法」だけを短く書きます。
動画は、文字の扱いを分けます。画面のテロップに日本語と英語を2段で入れると、どちらも小さくなって読めません。動画の文字は1つの言語にして、もう1つの言語は投稿文に書く、という分け方が読みやすくなります。
InstagramにはリールのAI翻訳(声の吹き替え)の機能もあり、Metaは2026年7月の更新で日本語や韓国語などを対象に加えたと発表しています(2026年10月時点)。使えるかどうかは国やアカウントで違います。使う場合も、訳された内容は人が聞いて確かめます。
人の確かめ方は、3段で考える
訳文の確かめ方は、手間と確かさで3段に分けられます。
- 01逆に訳して読む訳した文を、別の翻訳で日本語に戻す。意味が大きくずれていないかが分かる
- 02数字と表記を照らす金額・時刻・日付・店名を、もとの日本語と一つずつ見比べる
- 03分かる人に読んでもらうメニュー・注意書き・アレルギーの表示は、その言語が分かる人に確かめてもらう
1段目の逆翻訳は手軽ですが、言い回しの不自然さまでは分かりません。日付の書き方のように、国によって並び順が違うものもあります。「12/1」は、読む人によって12月1日にも1月12日にも読めます。外国語の投稿では「Dec 1」のように月を言葉で書くと間違いがありません。
3段目は、メニューや店頭の注意書きのように、長く使うものにだけ使えば足ります。外国語が分かるスタッフ、取引先、翻訳の専門家など、頼める先を一つ決めておきます。
投稿文のたたき台をAIで作る流れは、別の記事にまとめています。訳はその次の段として足すと、作業が増えすぎません。
あわせて読みたい生成AIでSNS投稿のたたき台を作る。ChatGPTへの頼み方と人が直す所外国のお客さんへの発信を、HEART CREATIONでお手伝いできること
HEART CREATIONでは、SNSの運用から、投稿のたたき台を出すAIの仕組みづくりまで、同じチームでお手伝いしています。AIの文は、人が直す前提です。
- 来ているお客さんから、発信する言語と載せ方を決める整理
- 外国語の投稿のたたき台を出すAIの仕組みづくり(文は人が直して出す)
- 問い合わせに一次対応するAIチャットの設計
「外国のお客さんが増えてきたけれど、何から手をつければいいか分からない」という段階で構いません。初回のご相談は無料で、オンライン60分でも承ります。

まずは次の投稿に、英語を3行だけ添えてみてください。反応はちゃんと返ってきますよ。
よくある質問
SNSの投稿をAI翻訳で英語にしても、不自然になりませんか?
もとの日本語が短く、主語が入っていれば、意味の通じる英語になることが多いです。言い回しの細かな不自然さより、値段や時間などの事実が正しいかを優先して確かめます。
インバウンド向けの発信は、何語から始めればいいですか?
来ているお客さんの国を数えてから決めます。まだ少ない段階なら英語から始め、特定の国や地域から来る人が増えたら、その言語を足すのが無理のない順番です。
中国語の簡体字と繁体字は、どちらを使えばいいですか?
中国本土から来る人が多ければ簡体字、台湾や香港から来る人が多ければ繁体字です。両方から来ているなら、より多いほうから始めます。
外国語のDMや質問には、どう返せばいいですか?
AI翻訳で内容を読み、返事の下書きを作ることはできます。予約や料金、返金のように約束になる返事は、人が中身を確かめてから送ります。
