ChatGPTに「インスタの投稿を書いて」と頼んでみたら、どこかで見たような文しか出てこなくて。

「書いて」だけだと、AIも眠たい文しか返せないんですよ。材料を渡してあげてください。
SNSの投稿文を考えるのに、毎回30分も1時間もかかる。生成AIを使えば早くなると聞いて試してみたものの、出てきた文はどの店にも当てはまりそうで、結局ほとんど書き直した。担当者の方からよく聞く話です。
うまくいかない原因は、AIの性能より頼み方にあります。生成AIは、渡された材料の範囲でしか書けません。自分の店のことを何も渡さずに頼めば、どの店にも言えることが返ってきます。反対に、会社の情報と今日の出来事を渡せば、たたき台としては十分なものが出てきます。
この記事では、生成AIに任せてよい仕事とそうでない仕事を分けたうえで、毎回使う「下敷き」の作り方、1本ごとの頼み方、出てきた文で人が必ず直す所を順に書きます。
この記事の要点
- 生成AIは書き上げる道具ではなく、たたき台を出す道具
- 会社の情報は「下敷き」にまとめて毎回渡す
- 事実・言いすぎ・現場の一言は、必ず人が直す
たたき台に向く仕事、向かない仕事
生成AIが得意なのは、材料がそろっているときの書き分けと言い換えです。新しい事実を生み出すことはできません。
| 任せやすい | 人がやる |
|---|---|
| 1つのネタを、媒体ごとの長さに書き分ける | 今日、店や現場で何があったかを決める |
| 冒頭の一文を、切り口を変えて何案も出す | 価格・日付・営業時間などの事実を入れる |
| 長いメモを、読みやすい順に並べ替える | お客様の声や、現場で聞いた一言を選ぶ |
| ハッシュタグや言い換えの候補を出す | 出すか出さないかを決める |
左の列は、どれも「材料があって、形を整える」仕事です。右の列は、材料そのものを用意する仕事です。ここを逆にして、AIに材料まで考えさせると、どの店にもありそうな文になります。
冒頭の一文を何案も出させる使い方は、とくに相性がいい使い方です。入口を変えた案を並べて出し、反応を見て寄せていく。その「案を並べる」ところを、AIが早くしてくれます。
毎回貼る「下敷き」を作っておく
1本ごとに会社の説明から書くのは手間です。そこで、どの投稿でも変わらない情報を1枚の文章にまとめておき、頼むたびに最初に貼ります。これを「下敷き」と呼んでおきます。
下敷きに入れるのは、次の5つです。
- 会社・お店の基本:何屋か、場所、営業日、よく選ばれる商品
- 見てほしい相手:どんな人に、何を知ってほしいか
- 口調の見本:過去の投稿で反応が良かった文を2〜3本、そのまま貼る
- 使わない言葉:「最高」「神」など、自社では使わない言い回し
- 形の決まり:何行くらいか、絵文字を使うか、最後に何を案内するか
例えば駅前のパン屋なら、「朝7時開店、火曜定休。いちばん出るのは塩パン。見てほしいのは、通勤前に寄る30〜40代」と書いておくだけで、出てくる文の当てずっぽうが減ります。
サービスによっては、こうした情報を保存しておき、毎回自動で読み込ませる機能もあります。使えるなら使って構いません。
毎回同じAIに頼んでいれば、うちの口調をそのうち覚えてくれませんか?

覚えてくれる場合もありますけど、下敷きを貼るほうが確実です。一度作れば、ずっと使えますから。
1本ごとの頼み方は「材料メモ」で渡す
下敷きを貼ったら、その日の投稿の材料を渡します。文章にする必要はありません。箇条書きのメモで十分です。
今日の材料:新作のあんバターパン。北海道の小豆。バターは冷たいまま挟む。1日30個。
用件:明日の朝、取り置きの電話をしてもらう。
お願い:冒頭の一文を切り口を変えて3案。本文は5行以内。
頼み方で効くのは、3つです。
- 事実は自分で書く:数や産地、時間は、AIに推測させずにメモに入れる
- 用件は1つにする:「新作の紹介も、求人も、定休日のお知らせも」と詰めると、どれも薄くなる
- 案は複数出させる:1案だけだと、それが正解に見えてしまう
出てきた3案から1つを選び、気になるところを「2行目をもっと短く」「最後は電話番号の案内で終える」と追加で頼むと、1回目より手元のイメージに近づきます。
出てきた文で、人が必ず直す所
ここが、たたき台を「自社の投稿」に変える工程です。どれだけ頼み方を工夫しても、次の順で必ず人が見ます。
- 01事実価格・日付・営業時間・数が、メモどおりか。AIが足した数字はないか
- 02言いすぎ「必ず」「いちばん」「どこよりも」など、根拠のない言い切りはないか
- 03現場の一言自分たちにしか書けない一言を、1つ足したか
- 04形媒体の長さや、改行・ハッシュタグの位置は合っているか
- 05声に出す読み上げて、自分たちが普段言わない言い回しはないか
1つ目の事実は、とくに気をつけます。生成AIは、もっともらしい数字や日付を、自分で付け足してしまうことがあります。「創業30年の」と書いていなかったのに入っていた、ということが起きます。
3つ目の現場の一言は、たたき台にいちばん足りないところです。「今朝は小豆の炊き上がりが早くて、6時には並べられました」のような、その日その店でしか起きないことを、人が1つ足します。

AIって、定休日もしれっと間違えるんですよ。そこは必ず人の目で見てください。
当社で代表・古川のLINEスタンプを作ったときも、絵は画像生成AIで作り、文字は後からプログラムで入れました。日本語の文字はAIに描かせると崩れるからです(作り方はMEDIAの記事に)。投稿文も同じで、AIが苦手なところは最初から人が受け持つと決めておくと、直す時間が読めるようになります。
最後の「声に出す」で引っかかる言い回しは、AIの文に出やすい癖です。その正体と直し方は、別の記事にまとめています。
あわせて読みたい生成AIの文章が「AIっぽい」と言われる理由。バレる文の正体と直し方投稿のたたき台づくりから、HEART CREATIONでお手伝いできること
HEART CREATIONのAIサービスでは、会社や商品の情報をもとに、SNS投稿・広告文・台本などのたたき台を出す仕組みづくりをお手伝いしています。出てきた文は、人が直す前提です。
- 会社ごとの下敷きと、材料メモのひな形づくり
- 入口を変えた複数の案を出し、2週間で反応を見て寄せていく運用
- 企画の型や数字の見方を3〜6か月で渡し、社内で回せるようにする内製化支援
「AIを使ってみたが、かえって時間がかかった」という段階のご相談で構いません。初回のご相談は無料で、オンライン60分でも承ります。

まずは1本、材料メモから一緒に作ってみましょう。
よくある質問
ChatGPTで作った投稿文を、そのままSNSに載せてもいいですか?
載せること自体を禁じる決まりはありませんが、そのまま出すのはおすすめしません。事実の間違いや言いすぎが紛れ込むことがあるので、人が読み直して直してから出します。
生成AIで作った文章に、著作権の問題はありますか?
既存の文章とよく似た文が出てくることはあり得ます。他社のキャッチコピーや記事を貼り付けて「これに似せて」と頼むのは避け、気になる言い回しは検索して確かめると安心です。
SNSの投稿文を作るのに、どの生成AIを使えばいいですか?
文章を作れるサービスなら、どれでも始められます。大事なのはサービスの違いより、下敷きと材料メモを用意して渡せるかどうかです。会社で使うなら、入力した内容の扱いを規約で確かめてから選びます。
AIに投稿のネタまで考えてもらうのはだめですか?
ネタの候補を出してもらうことはできます。ただ、実際に店や現場で起きたことでないネタは、投稿にすると中身が薄くなります。候補は参考にして、選ぶのは現場を知っている人がやります。
