ホームページを作るなら、WordPressにしておけば間違いないと聞きました。本当ですか?

WordPressが悪いわけじゃないんです。誰が更新するかで、向き不向きがはっきり分かれるんですよ。
ホームページを作ろうとすると、「WordPressで作りますか」と聞かれることがあります。名前はよく聞くし、使っている会社も多い。なんとなく、それにしておけば安心な気がします。
WordPressは、ページや記事を管理画面から足したり直したりできる仕組み(CMS)の代表です。ただ、サイトの仕組みには、ほかにもネット上で作れる作成サービスや、更新の仕組みを持たない作りがあります。どれが合うかは、機能の多さではなく、公開したあとに誰が何を更新するか、保守を誰が見るかで決まります。
この記事では、3つの選択肢の違い、選ぶ前に確かめる4つの軸、WordPressにしたときに公開後にかかる手間、迷ったときの決め方を扱います。
この記事の要点
- 決め手は「誰が・何を・どれくらい更新するか」
- WordPressは本体とプラグインの更新を続ける前提
- 月に1回も更新しないなら、仕組みは軽いほうがいい
サイトの仕組みは大きく3つ
まず、よく比べられる3つを並べます。
| WordPress | 作成サービス | 更新しない作り | |
|---|---|---|---|
| どんなものか | 自社で借りたサーバーに入れて使う、無償公開のソフト | ネット上のサービスの中でサイトを作って公開する | 制作会社が組んだページをそのまま公開する |
| 社内での更新 | 管理画面からできる | 管理画面からできる | 原則、制作会社に頼む |
| 公開後の保守 | 本体・プラグイン・サーバーの更新が要る | サービスの側が見る | 少ない |
| 作りの自由度 | 高い。機能を足せる | サービスの範囲の中 | 高い。ただし変えるたびに作業が要る |
| ほかへの引っ越し | 記事は書き出せる | サービスによる | ファイルを持っていけば移せる |
WordPressには、ソフトそのもの(WordPress.org で配布されているもの)と、同じ名前のサイト作成サービス(WordPress.com)があります。この記事で「WordPress」と書いているのは、自社で借りたサーバーに入れて使う前者です。
どれが優れているという話ではありません。同じ地域の工務店でも、施工事例を毎週足したい会社と、会社概要が載っていれば足りる会社とでは、合う仕組みが違います。
選ぶ前に確かめる4つの軸
仕組みを選ぶ前に、次の4つを社内で書き出します。
- 01誰が更新するか社内の担当者か、制作会社か。担当者が変わっても続けられるか
- 02何を更新するかお知らせ・事例・ブログ・採用情報・料金など、変わるものを書き出す
- 03どれくらいの頻度か週に1回か、月に1回か、年に数回か
- 04保守を誰が見るか本体やプラグインの更新、バックアップ、不具合のときに誰が手を動かすか
1つ目と3つ目が、いちばん効きます。例えば、歯科医院で受付の方が月に数回お知らせを出したいなら、管理画面から更新できる仕組みが要ります。WordPressでも作成サービスでもかまいません。
反対に、士業の事務所で、載せる内容が年に1〜2回しか変わらないなら、管理画面はあっても使われません。使わない管理画面のために保守を続けるより、変えたいときに制作会社へ頼むほうが手間は少なく済みます。

写真1枚、社内で差し替えられるだけで、担当の方はすごく楽になるんです。そこがWordPressや作成サービスの良さですね。
ブログや事例のように、ページがどんどん増えていくサイトかどうかも見ます。記事を積み上げて検索から人を呼びたいなら、記事を足しやすく、分類や一覧を自動で作れるCMSが向いています。
WordPressにしたら、公開後にかかる手間
WordPressを選ぶときに見落とされやすいのが、公開したあとの手間です。WordPressは、サーバーに入れたソフトなので、作って終わりではありません。
公式の説明では、本体の小さな更新(セキュリティや不具合の修正)は、初期設定のまま自動で入ります。一方、機能を足すプラグインやデザインを決めるテーマは、重大な弱点への対処のような特別な場合を除き、自動では更新されません(2026年10月時点)。誰かが管理画面で更新を確かめ、押す必要があります。
あわせて、サーバー側の条件も追いかけます。WordPressの公式サイトでは、動かすサーバーにPHP 8.3以上などを推奨しています(2026年10月時点)。サーバーの契約が古いままだと、本体やプラグインの更新についていけなくなることがあります。
この手間を、社内の誰が見るのか、制作会社に保守として頼むのかを、作る前に決めておきます。決めないまま公開すると、更新されないまま何年もたったサイトが残ります。

入れっぱなしのプラグインが山ほど。更新ボタンを押すのが怖い……ってなりがちなんですよ。
作成サービスと「更新しない作り」が向く場面
WordPressを選ばない場合の2つも、向く場面がはっきりしています。
作成サービスは、保守をサービスの側が見てくれるのが強みです。社内に詳しい人がいない小さなお店や事務所で、お知らせやメニューを自分たちで直したい場合に向いています。ただ、デザインや機能はサービスが用意した範囲の中になり、ほかの仕組みへ移るときは作り直しになることもあります。契約の前に、やめるときに何を持ち出せるかを確かめておきます。
更新しない作りは、ページの数が少なく、内容があまり変わらないサイトに向いています。LPのように、1枚に絞って作り込むページにも合います。保守の手間が小さく、表示も軽くしやすい作りです。

年に数回しか触らないなら、仕組みは軽いほうが気楽ですよ。肩の力を抜いていきましょう。
迷ったら、「更新したいものの一覧」を作って、その更新を誰がするかを1行ずつ書いてみてください。社内で更新するものがほとんど無ければ、WordPressは要らないかもしれません。依頼前に何を書き出しておくかは、こちらにまとめています。
あわせて読みたいホームページ制作を依頼する前に準備すること。紙1枚の要望書と名義の確認仕組み選びから一緒に考えます
- 更新したいもの・更新する人・保守を見る人の整理と、仕組みの選び方の相談
- コーポレートサイトの制作(目安は2〜3か月)とLPの制作(目安は6週間)。どちらも修正2回込み
- 誰が・何を・どれくらい更新するかを先に一緒に決める
- サイトに人を連れてくる縦型動画・SNS運用・広告まで、同じチームで
どの仕組みにするかは、作り始める前に決めておくほど、あとの手間が減ります。初回のご相談は無料で、オンライン60分でもお受けしています。サービスの一覧もご覧ください。

仕組みを選ぶ前に、「更新したいもの」の書き出しから一緒にやりましょう。
よくある質問
WordPress.comとWordPress.orgは何が違いますか?
WordPress.orgは、自社で借りたサーバーに入れて使うソフトを配布しているサイトです。WordPress.comは、同じソフトをもとにしたサイト作成サービスで、サーバーの用意や保守をサービスの側が受け持ちます。制作会社が「WordPressで作る」と言うときは、前者を指すことが多いです。
WordPressは危ないと聞きました。本当ですか?
本体は更新が続けられていますが、古い本体やプラグインのまま放置すると、知られている弱点を突かれることがあります。更新を続ける人と手順を決めておけば、使い続けられます。
WordPressのサイトは、専門知識がなくても更新できますか?
お知らせや記事の追加、文章や写真の差し替えは、管理画面から文書を作る感覚でできます。デザインの変更や機能の追加は、知識が要るので制作会社に頼むことが多くなります。
今のWordPressのサイトを、別の仕組みに移せますか?
記事や固定ページの文章は、書き出す機能で持ち出せます。ただ、デザインやプラグインで足した機能はそのまま移らないので、移る先で作り直す部分が出ます。
ブログだけWordPressにすることはできますか?
できます。会社のサイトは今の作りのまま、ブログの部分だけをWordPressで作り、同じドメインの中に置く方法があります。更新するのがブログだけなら、保守の範囲も小さくできます。
