社長に「うちもSNSをやろう」と言われました。担当は私です。何から手をつければいいですか。

アカウントを作るのは最後でいいんですよ。先に会議室で決めることが3つあります。
「とりあえずアカウントを作って、何か投稿してみた」。会社のSNSは、たいていこの形で始まります。最初の数回は社内の人が見てくれて、いいねも付きます。ところが1か月ほどすると、何を載せればいいのか分からなくなり、更新が止まる。止まったアカウントは、そのまま検索結果に残り続けます。
止まる理由は、やる気や文章力の問題ではないことがほとんどです。始める前に決めておくべきことが決まっていないので、投稿のたびに「これでいいのか」を一から考えることになり、疲れてしまうのです。
最初に決めるのは3つだけです。SNSの先で何の数字を増やしたいか。誰に、何屋として見てもらうか。誰が、いつまで続けて、いつ見直すか。この3つが紙1枚に書けていれば、どの媒体を選んでも、何を投稿するかで迷う時間はぐっと減ります。
この記事では、その3つを決める順番と、決めるときの問いを、業種の例とあわせて書きます。媒体ごとの違いや選び方は、ここでは扱いません。
この記事の要点
- 決めるのは媒体より先に「増やしたい数字」
- 誰に、何屋として見られたいかを一言にする
- 担当・確認する人・見直す日を先に置く
アカウントを作る前に、紙1枚で決める3つ
まず全体を表にしておきます。どれも、社長と担当者が一度話せば、仮の答えは出せるものです。
| 決めること | 自分たちへの問い | 決まっていないと起きること |
|---|---|---|
| ① SNSの先で増やしたい数字 | SNSを見た人に、最後に何をしてほしいか | いいねの数で一喜一憂し、続ける理由がなくなる |
| ② 誰に、何屋として見てもらうか | 見てほしい人は誰で、このアカウントは何の専門家か | 投稿の中身が毎回バラバラになり、ネタ切れが早い |
| ③ 誰が、いつまで、いつ見直すか | 作る人・確認する人・見直す日はいつか | 担当者ひとりに任せきりになり、黙って止まる |
順番にも意味があります。①が決まると②の「誰に」が絞れて、②が決まると③の「どのくらいの手間をかけるか」が見積もれます。逆から決めると、手間に合わせて目的を小さくしてしまいがちです。
1つ目 SNSの先で増やしたい数字を1つ
最初に決めるのは「SNSを見た人に、最後に何をしてほしいか」です。フォロワーや再生数ではなく、その先にある会社の数字を1つ選びます。
例えば、地域の工務店なら「完成見学会の予約数」。駅前の美容室なら「初めてのお客さんの予約数」。人手が足りない介護施設なら「見学や面接の応募数」。同じSNSでも、置く数字が違えば、投稿で見せるものも、プロフィールに置く案内も変わります。
ここで数字を2つも3つも欲張らないことです。「認知も、採用も、売上も」と並べると、投稿のたびに狙いがぶれて、あとで振り返っても何が効いたのか分かりません。まずは1つ。ほかの目的は、1つ目が回り始めてから足せば間に合います。
再生数が伸びても、この数字が動かないことはよくあります。その関係は別の記事で書くので、ここでは「再生数は目標にしない」とだけ決めておけば十分です。

「何件増えたら続ける価値があるか」まで社長と話しておくと、あとで揉めないんですよ。
2つ目 誰に、何屋として見てもらうか
次に、見てほしい相手と、自分たちのアカウントが何者なのかを決めます。
相手は「30〜40代の女性」のような幅ではなく、1人の顔が浮かぶくらいまで絞ります。工務店なら「子どもが小学校に上がる前に家を建てたい共働きの夫婦」。そこまで決めると、見せるべきものが見えてきます。間取りの工夫なのか、家事が楽になる動線なのか、住んでからのお金の話なのか。
アカウントが何者かは、一言で言えるようにしておきます。駅前の美容室なら、「店の日常を載せるアカウント」と「くせ毛の悩みに答えるアカウント」とでは、同じ店でも中身がまったく違います。前者は常連さんには楽しくても、初めての人には自分に関係のある情報に見えにくい。後者なら、くせ毛に悩んでいる人が保存し、予約するときに思い出してくれます。
この一言が決まっていると、ネタ出しが楽になります。「くせ毛の悩みに答える」と決めた店は、お客さんからの質問がそのまま投稿の種になるからです。文章の言葉づかいや写真の雰囲気をどうそろえるかは、この一言が決まったあとの話です。

「何でも載せられるアカウント」にすると、逆に何も載せられなくなるんですよね。
3つ目 誰が、いつまで続けて、いつ見直すか
最後に、体制を決めます。ここが抜けていると、①と②がよくできていても続きません。
決めるのは次の3つです。
- 作る人:企画・撮影・投稿をするのは誰か。業務時間のどこでやるか
- 確認する人:投稿前に見るのは誰か。何を見るか(言ってはいけないこと、写ってはいけないもの)
- 見直す日:いつ、何の数字を見て、続けるか変えるかを決めるか
よくあるのが、担当者をひとり決めて、あとは任せきりにする形です。担当者は「これを出していいのか」を毎回ひとりで判断することになり、確認を頼める相手もいないので、投稿が遅れ、やがて止まります。確認する人を決めておくのは、担当者を守るためでもあります。ただし確認の段階を増やしすぎると、今度は1本出すまでに何日もかかります。確認するのは1人、見る点は事前に決めておく、くらいがちょうどいい重さです。
見直す日は、始める前にカレンダーに入れてしまいます。始めてみて、入口を変えた数パターンを出し、2週間ほどで反応を見て寄せていく。最初から正解を当てにいくより、そのほうが早く形になります。見直しの場では①の数字を見て、「続ける」「変える」「やめる」のどれかを決めます。やめるのも立派な判断です。
3つが決まれば、後回しにしていいこと
逆に、最初の段階では決めなくていいことも多くあります。
- どのSNSをいくつやるか(①と②が決まると、候補は自然に絞れます)
- 凝ったロゴやテンプレートのデザイン
- 毎日投稿するかどうかの細かいルール
- フォロワー数の目標
どれも大事ですが、3つより先に決めると、手段が目的にすり替わります。見てもらえるかどうかは、結局のところ中身で決まります。
準備から最初の見直しまでは、次の流れで進めると迷いが少なくなります。
- 01紙1枚に書く①増やしたい数字、②見てほしい相手と一言、③担当・確認する人・見直す日を書き出す
- 02社長と合意する特に①の数字と、見直しの日に何を見るかをそろえる
- 03媒体とアカウントを用意するここで初めて開設する。プロフィールには①につながる案内を置く
- 04数パターン出してみる入口の見せ方を変えた投稿を並べて出す
- 05見直す決めた日に①の数字を見て、続ける・変える・やめるを決める
HEART CREATIONで、最初の1枚から一緒に決められます
「何をすべきか分からない」という段階からのご相談で構いません。HEART CREATIONでは、次のようなところからお手伝いしています。
- SNSの先で追う数字(予約・応募・来店など)を、最初に一緒に決める
- 企画・撮影・編集・運用を同じチームで引き受け、2週間ごとに結果を見て寄せていく
- SNSから先のLPやLINE、計測の仕組みまでまとめて設計する
- 社内で回せるように、企画の型や数字の見方を3〜6か月で渡していく
初回のご相談は無料で、オンライン60分でも対応しています。紙1枚がまだ白紙のままでも、そこから一緒に埋めていきます。サービスの内容はこちらにまとめています。

白紙のまま来てもらって大丈夫です。むしろそのほうが早いこともあるんですよ。
よくある質問
会社のSNSは、まず何をすればいいですか?
アカウントを作る前に、SNSの先で増やしたい数字、見てほしい相手と自社の一言、担当と見直す日の3つを決めます。紙1枚に書けたら、そこで初めて開設します。
会社のSNS担当は誰がやるのがいいですか?
文章や写真が得意な人より、自社の商品とお客さんをよく知っている人が向いています。あわせて、投稿前に確認する人を1人決めておくと、担当者がひとりで抱え込まずに済みます。
SNSは複数を同時に始めたほうがいいですか?
最初は1つに絞るのがおすすめです。増やしたい数字と見てほしい相手が決まれば、候補は自然に絞れます。1つ目が回り始めてから広げても遅くありません。
会社のSNSで社長が顔を出したほうがいいですか?
必須ではありません。決めた「何屋か」の一言に合うなら出る意味がありますし、合わないなら商品や仕事の様子が主役でも成り立ちます。出る場合も、続けられる頻度かどうかを先に考えておくと無理がありません。
会社のSNSが続かないのはなぜですか?
多くの場合、目的・相手・体制が決まらないまま始めたことが原因です。投稿のたびに一から考えることになり、疲れて止まります。止まっている場合も、3つを決め直せば再開できます。
