1本だけ急に伸びたんです。でも同じように作ったつもりの次の投稿は、まったく伸びませんでした。

急に伸びると驚きますよね。ただ、まねする前に、伸びなかった投稿と並べてみてほしいんです。
伸びた投稿が出ると、社内では「同じ感じでもう1本」となりがちです。ところが、同じ感じで作ったつもりの次の投稿は伸びない。どこを同じにすればよかったのかが、実は分かっていなかったからです。
伸びた理由は、伸びた1本だけを見ても見つかりません。その投稿にあった要素は、伸びなかった投稿にも入っていたかもしれないからです。理由の候補になるのは、伸びた投稿にあって、伸びなかった投稿になかったもの。つまり、2本を並べた差の中にあります。
この記事では、「伸びた」をどう決めるか、比べる2本をどう選ぶか、どこを見比べるか、見つけた差を仮説の1文にして次の投稿で確かめるまでを書きます。毎週の数字の記録のしかたは、同じ時期に書いた別の記事にまとめています。
あわせて読みたいSNS分析の方法。インサイトの見方と、毎週の振り返りを30分で回す手順この記事の要点
- 「伸びた」は自分の投稿の真ん中の値と比べて決める
- 比べる2本は、テーマか型をそろえて選ぶ
- 見つけた差は1文の仮説にし、次の投稿で1か所だけ変えて確かめる
先に「伸びた」を決める。物差しは自分の投稿
まず、何をもって伸びたとするかを決めます。物差しにするのは、同業他社の数字ではなく自分の投稿です。直近10本ほどの数字を小さい順に並べ、ちょうど真ん中にくる値(中央値)を基準にします。平均を使わないのは、1本だけ大きく伸びた投稿があると、平均がそれに引っ張られてしまうからです。
目安として、基準のおよそ2倍以上を「伸びた」、半分以下を「伸びなかった」と置いておくと迷いません。決めておかないと、少し上下しただけの投稿まで分析の対象になり、時間ばかりかかります。
もう1つ決めるのは、どの数字で伸びたとするかです。ビューが多い投稿と、保存やプロフィールへの移動が多い投稿は、同じとは限りません。例えば地域の工務店なら、施工の「音」が面白くてビューが伸びた動画より、ビューは平凡でも事例ページへ進む人が多かった動画のほうが、会社にとっては当たりです。再生数とその先の数字がずれる仕組みは別の記事に書いたので、ここでは「追っている数字で比べる」とだけ決めておきます。
比べる2本は、条件の近いものを選ぶ
次に、伸びた投稿と比べる相手を選びます。ここで、伸びなかった投稿の中から適当に1本を選ぶと、違いが多すぎて何も分かりません。動画と写真、商品紹介とスタッフ紹介を比べても、「全部ちがう」で終わります。
選び方は2通りです。
- テーマが同じで、伸び方が違う2本(例:どちらも「パンの焼き上がり」を扱った投稿)
- 型が同じで、伸び方が違う2本(例:どちらも「手順を3つ見せる」型の投稿)
そろっている部分が多いほど、残った差が理由の候補として浮かび上がります。条件の近い組が見つからないときは、無理に比べず、次の投稿で近い組を作るところから始めます。

観点を決めずに2本を眺めてると、だんだん眠くなって「なんとなく」で終わっちゃうんですよ。
見比べる6つの観点
2本を並べたら、次の6つの観点で違いを書き出します。駅前のパン屋の例で並べます。
| 観点 | 見るところ | パン屋の例(伸びた/伸びなかった) |
|---|---|---|
| 冒頭 | 最初の1〜2秒の画と一言 | 割った断面から始まる/店の外観から始まる |
| テーマ | 誰の、どんな困りごとに答えたか | 「冷凍したパンの戻し方」/「新商品のお知らせ」 |
| 型 | 手順・比較・ビフォーアフターなど | 手順3つ/商品を並べて紹介 |
| どこで離れたか | 視聴が落ちた場所 | 最後まで見られた/3秒前後で多く離れた |
| 届いた先 | フォロワー以外にどれだけ届いたか | フォロワー以外が多い/ほぼフォロワーのみ |
| コメントの中身 | 何について書かれたか | 「やってみます」/絵文字だけ |
Instagramのインサイトでは、投稿に反応したアカウントなどを、フォロワーとフォロワー以外に分けて確認できます(2026年10月時点のヘルプセンターの説明)。伸びた投稿でフォロワー以外の反応が多かったなら、知らない人にも分かる入口だった、という読み方ができます。
一方で、投稿した時間帯やハッシュタグの違いは、最初に疑う場所ではありません。中身の差が見つからなかったときに、あとから確かめれば十分です。
差は「誰に・何を・だから」の1文にして、確かめる
違いを書き出したら、仮説を1文にまとめます。形は「〔誰〕に、〔何〕を見せたから、〔どうなった〕」です。
パンを買ったまま冷凍している人に、家で焼きたてに戻す手順を見せたから、保存されてフォロワー以外にも届いた。
仮説は、立てた時点ではまだ当て推量です。確かめるには、次の投稿で1か所だけ変えます。上の例なら、テーマは別の困りごと(「バゲットが固くなったとき」など)に変え、「家で困っていることに手順で答える」という形は残す。これで同じように伸びれば、仮説の確からしさが上がります。

たまたま伸びた、ってこともあるんです。だから1本で決めずに、あと2本で確かめるくらいがちょうどいいんですよ。
3本続けて同じ傾向が出たら、その仮説を社内の「型」として残します。外れたら、仮説を書き直して次の組を比べます。どちらに転んでも、表に1行ずつ記録が増えていきます。
HEART CREATIONでも、伸びた理由を「アルゴリズムだから」で終わらせないために、アカウントのリンクから投稿の反応や伸びた投稿の共通点を読み解く分析サイト「SOCIAL DNA」を自社で作りました(作った考え方はこちら)。伸びる投稿には構造がある、という考え方は、この記事の比べ方と同じです。

伸びた理由を自分でも知りたくて、分析サイトまで作っちゃったんですよ。分かると、投稿がちょっと楽しくなるんです。
伸びた理由を、次の1本に変えるお手伝い
比べる作業は、慣れるまで時間がかかります。HEART CREATIONでは、数字の読み解きから、次に出す投稿の企画と撮影・編集までを同じチームで引き受けています(サービス一覧)。
- 追う数字を先に決め、「伸びた」の物差しをそろえる
- 入口を変えた複数のパターンを同時に出し、2週間で結果を見て寄せていく
- 社内で続けられるよう、比べ方と型の残し方を3〜6か月で渡していく
伸びた投稿と伸びなかった投稿、どちらもあればそのままお持ちください。初回のご相談は無料です。

伸びなかった投稿も、捨てずに持ってきてください。並べてみると、意外と話が早いんです。
よくある質問
伸びる投稿にはどんな特徴がありますか?
業種やアカウントで変わるので、共通の正解はありません。自分の投稿の中で、伸びたものと伸びなかったものを並べ、冒頭・テーマ・型などの差を見ると、そのアカウントにとっての特徴が見えてきます。
バズった理由はどうやって調べればいいですか?
バズった1本と、テーマか型が同じで伸びなかった1本を選び、冒頭や届いた先などの違いを書き出します。その差を1文の仮説にして、次の投稿で確かめます。
伸びなかった投稿は消したほうがいいですか?
比べる材料として残しておくことをおすすめします。伸びなかった投稿があるから、伸びた投稿との差が分かります。内容に誤りがある場合などは別に判断してください。
何本くらい投稿がたまったら比べられますか?
基準を出すために、10本ほどあると比べやすくなります。それより少ないうちは、同じテーマで型を変えた投稿を意識して出しておくと、あとで比べる組が作れます。
同業他社の伸びた投稿と比べてもいいですか?
企画のヒントとして見るのはかまいません。ただ、フォロワーの数や地域、投稿の歴史が違うので、数字の比較には使わず、理由の分析は自社の投稿どうしで行います。
