会社のアカウントで炎上したらと思うと、だんだん投稿するのが怖くなってきました。

怖いのは当然です。でも大丈夫、炎上の多くは「出す前」に止められるんですよ。
企業のSNSが炎上したというニュースは、定期的に目にします。小さな会社の担当者ほど「うちも何か言われたら」と不安になり、当たり障りのない投稿しか出せなくなる。それでは、見てもらえるアカウントには育ちません。
炎上の多くは、特別な事件から起きるわけではありません。写り込んだ書類、悪気のない冗談、災害の日に予約投稿で流れた明るい告知、コメント欄での言い返し。どれも、出す前に誰かが一度見ていれば止まったものです。
防ぐために社内で決めておくのは、出さないテーマ、投稿前の確認、写真と動画の同意、コメントの返し方、社員の個人アカウントの扱い、そして投稿を止める手順です。厚い冊子にする必要はありません。担当者が手元で使える1〜2枚にまとめます。
この記事では、そのルールの中身を順に書きます。炎上してしまった後の対応は、別の記事で扱います。
この記事の要点
- 炎上の多くは、出す前の確認で止められる
- ルールは1〜2枚。現場で毎回使える形にする
- 災害や事件の日に、予約投稿を止める手順も決める
企業の炎上は、どこから起きるか
ルールを作る前に、どこで火が付きやすいかを押さえておきます。企業のアカウントで起きやすいのは、おおむね次の5つです。
| 起きる場所 | よくある例 | 決めておくルール |
|---|---|---|
| 投稿の中身・表現 | 性別や年齢、職業をからかう冗談 | 出さないテーマ、表現の確認 |
| 写り込み | 背景の書類、お客さんの顔、車のナンバー | 投稿前の確認、同意の取り方 |
| 出すタイミング | 災害や事件の当日に、明るい告知が流れる | 予約投稿を止める手順 |
| コメントへの対応 | 批判に言い返す、黙って消す | 返す・返さないの基準 |
| 社員の個人アカウント | 店の裏側や、お客さんのことを書く | 個人アカウントのガイドライン |
業種を問わず共通しているのは、社内では普通のことが、外から見ると違って見えるという点です。例えば、飲食店の厨房で冗談半分に撮った動画は、身内にとっては楽しい一場面でも、見る人には衛生の問題として映ります。
出さないテーマと、投稿前の確認
一つ目のルールは、会社のアカウントでは扱わないテーマを決めることです。
- 政治・宗教、国や地域への評価
- 他社や同業者との比較、悪口
- 災害・事件・事故に結びつけた宣伝
- 容姿・性別・年齢・職業などをネタにした冗談
どれも話題として盛り上がりやすい一方、会社の商品とは関係のないところで賛否が割れます。わざわざ会社のアカウントで触れる理由は、ほとんどありません。
二つ目は、投稿前の確認です。確認する人を1人決め、見る点を一覧にしておきます。
- 01写り込み背景の書類・パソコンの画面・人の顔・車のナンバー・住所が分かるものはないか
- 02表現誰かをからかったり、決めつけたりする言い回しになっていないか
- 03事実効果や数字に根拠があるか。言いすぎていないか
- 04権利他人の写真・音楽・キャラクターを、許可なく使っていないか
- 05タイミング今日のニュースと並んだとき、不自然に見えないか
最後のタイミングは見落とされがちです。中身に問題がなくても、出る日によって受け取られ方は変わります。音楽の扱いは込み入っているので、ここでは「使う前に確かめる」とだけ押さえておきます。

確認係は、社内でいちばん「普通の感覚」を持っている人に頼むのがおすすめです。
写真・動画に人を写すときの同意
お客さんや社員が写る写真・動画は、火種になりやすいところです。本人が知らないうちに顔が出ていた、退職した社員の動画が残っていた、といったことが後から問題になります。
決めておくのは、次の3つです。
- 誰に、どんな形で同意をもらうか(口頭か書面か、どこに何の目的で載せるか)
- 写してはいけない人や場所(お子さん、ほかのお客さん、レジ周り)
- 「やっぱり消してほしい」と言われたときに、誰がいつまでに対応するか
例えば、美容室でお客さんの仕上がりを撮るなら、「顔を出すか、後ろ姿だけか」を撮る前に聞き、その場で写真を見せてから投稿する。これだけで、後から「載せていいとは言っていない」と言われることは、まず防げます。社員についても、撮影の前に、どこまで出てよいかを本人に確かめておきます。

撮る前のひと言で済む話が、出した後だと謝罪になっちゃうんですよね。これが一番もったいない。
コメントの返し方と、社員の個人アカウント
コメント欄のやり取りも、ルールがないと危ないところです。担当者が良かれと思って反論し、そのやり取りが切り取られて広がる。企業アカウントでよく起きる形です。
返し方は、コメントの種類ごとに分けておきます。
| コメントの種類 | 返し方 |
|---|---|
| 質問・感想 | お礼と答えを短く返す |
| 商品やサービスへの不満 | 申し訳なさを伝え、DMや窓口に案内する。コメント欄で議論しない |
| 事実と違う指摘 | すぐには返さず、確認する人に回してから判断する |
| 中傷・荒らし | 返さない。画面を記録して、確認する人に報告する |
大事なのは、担当者がその場の判断で言い返さないことです。迷ったものは返す前に必ず1人に見せる。そう決めておくだけで、口論から始まる炎上はかなり減ります。
社員の個人アカウントについても、最低限の決まりを作ります。お客さんの情報や社内の出来事を書かない。勤め先が分かる形で発信するなら、会社の見解ではないと分かるようにする。私的な発信そのものを細かく縛るのではなく、業務に関わる部分に絞って決めるのが現実的です。社員に自社の商品を紹介してもらう場合は、PRの表示が必要になることがあります。
あわせて読みたいステマ規制とPR表記の書き方。広告主が押さえる線引きと表示の位置予約投稿を止める手順と、連絡の順番
最後に、何かあったときに投稿を止める手順を決めます。
大きな地震や事故があった日に、前の週に予約しておいた「今だけセール」の投稿が流れる。担当者は休みで、誰も止められない。この形は、中身の確認では防げません。
- 予約投稿を止められる人を、担当者のほかに1人決めておく
- 大きな災害や事件があった日は、その日の予約の中身を見直す
- 自社に批判が集まり始めたら、誰に、どの順で連絡するかを決めておく(担当者→確認係→責任者)
連絡の順番と連絡先は、ルールの最後に数行で書いておけば足ります。夜間や休日に誰へ連絡するかまで書いておくと、いざというときに迷いません。
ルールの下書きから、HEART CREATIONでお手伝いします
「ルールを作りたいけれど、何から書けばいいか分からない」という段階のご相談でも構いません。HEART CREATIONでは、次のような形でお手伝いしています。
- SNSの先で追う数字を最初に決め、それに沿って何を出すかを整理する
- 企画・撮影・編集・運用を同じチームで受け持つ
- 社内で回せるよう、企画の型・撮影手順・編集ルール・数字の見方を3〜6か月で渡していく
初回のご相談は無料で、オンライン60分でも対応しています。ご相談はこちらからどうぞ。

ルールは厚くしなくていいんです。1枚を、毎回ちゃんと使う。それがいちばん効きます。
よくある質問
SNSの炎上対策は、まず何から始めればいいですか?
投稿前に確認する人を1人決め、写り込み・表現・事実・権利・タイミングの5点を見る一覧を作るところからです。あわせて会社として扱わないテーマを決めておくと、迷う投稿が減ります。
SNSのガイドラインとポリシーはどう違いますか?
一般に、ポリシーは会社としてのSNSへの向き合い方を社外にも示す方針、ガイドラインは社員が守る具体的な決まりとして使い分けられることが多いです。小さな会社なら、まず社内向けのガイドラインを1〜2枚作るところからで十分です。
社員の個人アカウントについて、会社はどこまで決めていいですか?
私的な発信を広く禁じるのではなく、お客さんや社内の情報を扱わないなど、業務に関わる範囲で決めるのが一般的です。具体的な線引きに迷うときは、専門家に確認してください。
炎上しやすい企業の投稿には、どんな特徴がありますか?
誰かをからかう冗談、背景の写り込み、災害や事件と重なる日の宣伝、コメント欄での言い返しが典型です。社内では普通のことが、外からは違って見える点に気をつけます。
炎上が怖くて投稿できません。どうすればいいですか?
確認の手順を決めてしまえば、投稿のたびにひとりで悩む必要はなくなります。確認を通ったものは出す、と決めておくと、怖さより続けることに気持ちを向けられます。
