社長に「SNSのKPIを出して」と言われました。いいね数とフォロワー数でいいでしょうか。

いいね数を報告したら、まず「で、何件来たの?」って聞かれますよ。KPIはその答えから逆にたどるんです。
SNSのKPIをつくるとき、多くの担当者が最初にやるのは、分析画面にある数字を上から並べることです。いいね、保存、フォロワーの増減、リーチ、ビュー。毎月の報告書はそれで埋まります。ところが、どの数字がどうなれば会社にとって良いのかが決まっていないので、上がっても下がっても次の手が決まりません。
KPIは、ゴールにたどり着くまでの途中の目印です。だから選ぶ順番は、分析画面からではなく、会社の数字から。ゴールを1つ決め、そこから逆にたどって、途中で見る数字を決めていきます。
この記事では、追う数字を「結果」「途中」「投稿」の3段に分けて3つに絞る方法と、数え方・目標値・入れ替える時期の決め方を書きます。再生数と売上がずれる仕組みは別の記事にまとめたので、ここでは「どの数字を、どう決めて、いつ見るか」に絞ります。広告の指標は扱いません。
あわせて読みたい再生数と売上が比例しない理由。バズっても売れない動画のずれこの記事の要点
- KPIは分析画面からではなく、会社の数字から逆算する
- 結果・途中・投稿の3段に分けて、追うのは各段1つずつ
- 何を1件と数えるかと、見直す日を一緒に決める
KPIは「結果」「途中」「投稿」の3段で考える
追う数字は、会社に近いものから順に3段に分けると整理できます。地域の工務店を例にすると、次のようになります。
| 段 | 何を表すか | 工務店の例 | 見る間隔 |
|---|---|---|---|
| 結果の数字 | SNSの先で、会社に起きたこと | 完成見学会の予約数 | 月に1回 |
| 途中の数字 | 結果に向かって、人が動き始めているか | 施工事例ページへのアクセス数 | 2週間に1回 |
| 投稿の数字 | 1本ごとの届き方と反応 | 動画が最後まで見られた割合 | 投稿ごと |
いちばん上の結果の数字は、KGI(最終的な目標)と呼ばれることもあります。ただ、結果の数字だけを追うのは難しいものです。見学会の予約は季節や営業の動きにも左右されるうえ、件数が少ないので、2週間では良し悪しが分かりません。そこで、結果につながっていて、もっと早く動きが見える途中の数字を1つ置きます。
投稿の数字は、次の1本をどう作るかを決めるための材料です。報告書の主役ではありません。何を選ぶかは、その投稿で狙う反応に合わせます。Instagramは公式の説明で、発見タブではいいね・保存・シェアを、リールではシェア・最後まで見ること・いいねなどを、表示を決めるときに予測する行動として挙げています(2026年10月時点で公開されている説明)。保存してほしいノウハウ投稿なら保存数、人に送ってほしい投稿ならシェア数、というように、狙いと数字をそろえます。
3段それぞれ1つずつ、合わせて3つ。これが追う数字の上限です。

分析画面の数字を全部貼った報告書って、読む側はだんだん眠くなっちゃうんですよね。
業種ごとに、逆算して選んでみる
逆算のしかたは業種で変わります。よくある例を並べます。
| 業種の例 | 結果の数字 | 途中の数字 | 投稿の数字 |
|---|---|---|---|
| 駅前の美容室 | 初めてのお客さんの予約数 | 予約ページへのアクセス数 | 保存数 |
| 介護施設の採用 | 見学・面接の応募数 | 採用ページへのアクセス数 | シェア数 |
| 雑貨のネットショップ | SNSから来た人の購入件数 | 商品ページへのアクセス数 | 保存数 |
| 法人向けのIT企業 | 資料請求・相談の件数 | 事例ページへのアクセス数 | 最後まで見られた割合 |
途中の数字を選ぶときの基準は2つです。結果の数字とつながっていること。そして、2週間で増えたか減ったかが分かるくらいの数があることです。美容室の予約が月に10件なら、2週間で比べても偶然の差か判断できません。予約ページへのアクセスなら、その何倍もの数があるので動きが読めます。
投稿の数字は、型を変えるたびに選び直してかまいません。今月は「保存される解説」を増やすなら保存数、来月は「スタッフの人柄」を見せるならシェア数やコメント、という具合です。逆に、結果の数字は簡単に変えないこと。ここが動くと、半年前と比べることができなくなります。
数え方と目標値は、数字と一緒に決める
数字を選んだら、次に「何を1件と数えるか」を書き出します。ここが曖昧なまま始めると、月末に担当者と社長の認識が食い違います。
例えば「問い合わせ」は、DMだけなのか、電話やフォームも含めるのか。SNSを見て電話してきた人を、どうやって見分けるのか。来店や電話のときに「何を見て知ったか」を聞くのか、SNS専用の予約リンクを用意するのか。数え方は1行でいいので、決めて社内でそろえておきます。
目標の数字は、同業他社の平均を調べて決めればいいですか?
平均を探すより、自社の数字から決めるほうが確かです。業種、地域、媒体、アカウントの古さで数字は大きく変わり、比べられる平均はなかなか手に入りません。おすすめは、最初の1か月を「測るだけの月」にすることです。その1か月の数字を基準にして、次の月からの目標を置きます。

最初の1か月は「測るだけ」と社長にも宣言しておく。これで担当者の気持ちがかなり楽になりますよ。
決める順番を手順にすると、次のとおりです。
- 01結果の数字を1つ選ぶSNSの先で増やしたい会社の数字を決める
- 02途中の数字を1つ選ぶ結果につながり、2週間で動きが読めるもの
- 03投稿の数字を1つ選ぶその時期に狙う反応に合わせる
- 04数え方を書く何を1件と数えるかを1行で決め、社内でそろえる
- 05見る日を入れる結果は月1回、途中は2週間に1回、カレンダーに入れる
KPIを入れ替えるタイミング
一度決めたKPIも、ずっと同じでいいわけではありません。見直すきっかけは3つあります。
1つ目は、途中の数字は上がっているのに、結果の数字が動かないとき。途中の数字と結果がつながっていない可能性があります。例えば、採用ページへのアクセスは増えたのに応募が増えない場合、アクセスしているのは求職者ではなく同業者かもしれません。途中の数字を「応募フォームを開いた数」のように、結果に近いものへ寄せます。
2つ目は、結果の数字が安定して取れるようになったとき。美容室なら、新規の予約が安定してきたら、次は2回目の来店につながっているかを見る段に進みます。
3つ目は、会社の目的そのものが変わったときです。繁忙期を前に採用が最優先になったなら、結果の数字ごと入れ替えます。その場合は、投稿の中身も変わるので、前の数字と比べる必要はありません。
「追う数字」を決めるところから、ご一緒します
KPIは、SNSの中だけを見ていると決められません。SNSの先のページや、問い合わせの受け方までつながって、初めて数えられるようになります。HEART CREATIONでは、そこを分けずに引き受けています(サービス一覧)。
- 再生数ではなく、その先の数字(予約・応募・問い合わせなど)を最初に一緒に決める
- 動画で伝えたことをLPの一行目に置き、計測の仕組みまで設計する
- 入口を変えた複数のパターンを出し、2週間で結果を見て寄せていく
- 社内で回せるように、数字の見方を3〜6か月で渡していく
初回のご相談は無料で、オンライン60分でも承ります。

今の報告書を見せてもらえれば、どの数字を残してどれを外すか、一緒に仕分けますよ。
よくある質問
SNSのKPIとKGIの違いは何ですか?
KGIは最終的に達成したい会社の数字で、予約数や応募数などです。KPIはそこへ向かう途中の目印で、ページへのアクセス数や投稿の保存数などが当たります。先にKGIを決め、そこから逆算してKPIを選びます。
SNSのKPIはいくつ設定すればいいですか?
結果・途中・投稿の3段に1つずつ、合わせて3つまでがおすすめです。増やすほど、どれを優先すればいいか分からなくなり、報告書も読まれなくなります。
エンゲージメント率はKPIにするべきですか?
投稿の数字としては使えますが、計算のしかたが媒体や分析ツールによって違います。使う場合は同じ計算方法で自社の推移を追い、他社の数字とは比べないようにします。
SNS経由の売上が測れない場合はどうすればいいですか?
来店や問い合わせのときに「何を見て知ったか」を聞く、SNS専用の予約リンクを使うなど、数えられる形を先に作ります。完全に測れなくても、同じ方法で毎月数えていれば増減は分かります。
SNSのKPIはどのくらいの頻度で見直しますか?
数字そのものは、結果を月1回、途中を2週間に1回見ます。KPIの選び方を見直すのは、途中の数字と結果がつながっていないと分かったときや、会社の目的が変わったときです。
