Instagramがいいのか、TikTokがいいのか。人に聞くたびに答えが違って、決められません。

まあ一息どうぞ。4つ全部やる必要はないんです。まず1つ選べれば十分ですよ。
「若い人向けならTikTok」「お店ならインスタ」「BtoBならX」。SNSの選び方を調べると、こうした早見表がたくさん出てきます。間違いではありませんが、自社に当てはめようとすると手が止まります。注文住宅を建てる30代は若い人なのか。税理士事務所はBtoBなのか。業種と年代だけでは、決めきれないからです。
媒体の違いがはっきり出るのは、年代よりも「投稿がどこから見られるか」です。フォローしていない人のおすすめに流れるのか、検索で探されるのか。投稿が数日で流れ去るのか、何年も見返されるのか。この違いと、自社のお客さんの探し方を突き合わせると、最初の1つはかなり絞れます。
この記事では、4つの媒体の届き方の違いを表にし、総務省の調査で利用者の年代を確かめたうえで、業種ごとの選び方の例を書きます。媒体を選ぶ前に決めておくことは、別の記事にまとめています。
あわせて読みたい会社のSNS、何から始める?アカウントを作る前に決める3つこの記事の要点
- 違いは年代より「どこから見られるか」に出る
- お客さんが探しに来るのか、偶然出会うのかで選ぶ
- 最初は1つ。2つ目は1つ目が回り始めてから
4つの媒体は、届き方と残り方が違う
まず、4つの媒体の性格を並べます。どれが優れているかではなく、届き方の違いです。
| 媒体 | 主にどこから見られるか | 投稿の残り方 | 伝わりやすいもの |
|---|---|---|---|
| フォロー中の人のフィード・ストーリーズと、リール・発見タブのおすすめ | 投稿がプロフィールに並び、来店や購入の前に見返される | 仕上がり・雰囲気・空間など、目で選ばれるもの | |
| TikTok | おすすめのフィードが中心。フォローしていない人に届きやすい | 流れが速く、1本ずつ次々に見られていく | 人柄・意外性・やってみた、など短く楽しめるもの |
| X | フォロー中とおすすめのタイムライン、リポスト、話題の検索 | いちばん流れが速く、その日の話題として読まれる | 考え方・業界の話・速報など、言葉で伝わるもの |
| YouTube | 検索とおすすめ。ショート動画と長い動画の両方がある | 長い動画は、調べものの答えとして長く見られやすい | 手順・比較・解説など、調べて見に来るもの |
同じアプリの中でも、置く場所で届く相手は変わります。Instagramは公式の説明で、リールと発見タブに出てくる投稿の多くはフォローしていないアカウントのもので、ストーリーズは主にフォローしている人の投稿だとしています(2026年10月時点で公開されている説明)。
表を見ると、大きな分かれ目が1つあります。お客さんが自分から探しに来るのか、それとも偶然出会うのか、です。
困りごとが起きてから調べる商品なら、検索で見つかる場所が向いています。相続の手続き、雨漏りの修理、法人の労務相談などがそうです。反対に、見るまで欲しいと思っていなかった商品なら、おすすめで偶然届く場所が向きます。新しくできたカフェ、季節限定のお菓子、変わった体験メニューなどです。

迷ったら、最近来たお客さん3人に「何で見つけました?」と聞いてみてください。答えがほぼ出ますから。
利用者の年代は、総務省の調査で確かめる
年代の目安は、思い込みより公的な調査で確かめるほうが確かです。総務省の「令和7年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」(2025年12月に13〜79歳の1,800人を調査、2026年6月公表)から、4つの媒体の利用率を抜き出します。
| 媒体 | 全年代 | 20代 | 40代 | 60代 |
|---|---|---|---|---|
| YouTube | 81.5% | 96.3% | 91.6% | 72.6% |
| 54.8% | 82.6% | 67.1% | 36.1% | |
| X | 44.7% | 73.4% | 57.0% | 24.8% |
| TikTok | 36.7% | 61.5% | 42.6% | 21.2% |
同じ調査では、TikTokの利用率は10代が67.9%で最も高く、Instagramは女性が63.4%、男性が46.2%と、女性の利用率が高い結果でした。
読み取れることは2つあります。1つは、YouTubeは60代でも7割を超え、年代を選ばないこと。もう1つは、TikTokを使う人が10代・20代だけではないことです。40代でも4割を超えています。

TikTokは若い子だけのもの、と思っていると、40代の4割を見落とすんですよ。
ただし、利用率は「使っている」と答えた人の割合です。何を探すためにどれくらい見ているかまでは分かりません。60代のInstagram利用率36.1%は、見方を変えれば3人に1人以上です。表の数字は「候補から外す理由」ではなく、「どれくらいの人がいそうか」の目安として使ってください。
業種で見る、最初の1つの選び方
うちは部品メーカーなんですが、BtoBでもSNSを選ぶ意味はありますか?
あります。BtoBでも、発注先を探すのは人です。ただ、届き方の向き不向きは業種でかなり違います。よくある例を並べます。
| 業種の例 | お客さんの動き | 最初の1つの候補 |
|---|---|---|
| 駅前の美容室 | 仕上がりの写真を見比べて店を選ぶ | Instagram。投稿一覧がそのまま作品集になる |
| 地域の工務店 | 何か月もかけて調べ、比べる | YouTubeかInstagram。施工の流れを長めに見せられる |
| 若い客層のカフェ・菓子店 | 偶然見て「行ってみたい」と思う | TikTokかInstagramのリール。見た目と勢いが届く |
| 税理士・社労士などの士業 | 困ったときに、悩みの言葉で検索する | YouTube。検索される悩みに動画で答えられる |
| 業界向けの部品メーカー | 担当者が情報を集めて比べる | XかYouTube。技術や考え方を積み上げられる |
同じ業種でも、商圏と客層で答えは変わります。美容室でも、20代の男性客が中心ならTikTokが有力になりますし、工務店でも、リフォームの小さな工事が中心ならInstagramのほうが合うことがあります。表は出発点にして、次の手順で自社に当てはめてみてください。
- 01探し方を聞く最近のお客さんに「何で知って、何を見て決めたか」を聞く
- 02伝え方を決める写真・動画・言葉のどれでいちばん伝わる商品かを考える
- 03続く形を確かめる撮影や文章に、週に何時間使えるかを出す
- 041つに決めて始める2週間ごとに反応を見て、合わなければ入れ替える
3つ目の「続く形」は見落とされがちです。YouTubeの長い動画が合っていると分かっても、撮影と編集に時間を割けないなら続きません。その場合は、Instagramの写真投稿から始めるほうが、結果として早く形になります。
なお、利用率が最も高いLINE(92.9%)は、すでにつながった人へ届ける道具で、知らない人に見つけてもらう役割は上の4つのほうが得意です。
2つ目を足すのは、1つ目が回り始めてから
最初から2つ、3つを同時に始めると、どれも中途半端になりやすくなります。媒体ごとに、見られ方も、反応の出方も違うので、それぞれで試して直す手間がかかるからです。
2つ目を足す目安は、1つ目で「この見せ方なら反応がある」という型が見え、決めた数字が動き始めたときです。足すときは、役割が違う組み合わせにすると無駄がありません。例えば、TikTokで偶然知ってもらい、Instagramのプロフィールで店の雰囲気を確かめてもらう。YouTubeの解説動画で信頼してもらい、Xで日々の考え方を伝える。偶然出会う場所と、確かめに来る場所を1つずつ持つ形です。
同じ動画を複数の媒体に出すときの注意点は、別の記事で扱います。
あわせて読みたいTikTok・リール・ショートに同じ動画を使い回していいか。出し分けの考え方
2つ目に手を出したくなったら、まず1つ目でもうひと踏ん張り。そこで粘れると強いですよ。
「どれを選ぶか」から、一緒に考えます
媒体選びは、お客さんの探し方と、社内で続けられる形の両方が分かって初めて決まります。HEART CREATIONでは、そこから一緒に整理しています。
- 今のお客さんの探し方を聞き取り、最初の1つを一緒に決める
- 企画・撮影・編集・運用を、分業せず同じチームで引き受ける
- 入口を変えた複数のパターンを出し、2週間で結果を見て寄せていく
- SNSの先のLPやLINEまでつなげて、計測の仕組みも設計する
初回のご相談は無料で、オンライン60分でも対応しています(ご相談はこちら)。「どれが合うか分からない」という段階でかまいません。

候補を2つに絞ったところで止まっていても大丈夫。その続きから一緒に考えましょう。
よくある質問
中小企業が集客に使うなら、どのSNSがいいですか?
業種より、お客さんが商品をどう探すかで決めます。困ってから検索する商品ならYouTube、見た目で選ばれる商品ならInstagram、偶然知って欲しくなる商品ならTikTokが候補です。まず1つに絞って始めます。
BtoBの会社にSNSは向いていますか?
向いています。発注先を探すのも人なので、技術や考え方を積み上げられるXや、解説動画を検索で見つけてもらえるYouTubeが候補になります。担当者が比べる材料を出すつもりで発信します。
40代・50代向けの商品でもTikTokは使えますか?
使えます。総務省の令和7年度の調査では、TikTokの利用率は40代で42.6%、50代で32.2%でした。若い人だけの場所と決めつけず、商品の見せ方が短い動画に合うかで判断します。
Facebookはもう使わなくていいですか?
同じ調査でFacebookの利用率は全年代で27.0%とほぼ横ばいですが、30代・40代では4割近くが使っています。取引先や地域のつながりが中心の業種では、今も候補になります。
選んだSNSが合っていないかどうかは、いつ判断すればいいですか?
見せ方を変えた投稿を何パターンか試し、2週間ごとの見直しを数回重ねても決めた数字が動かないときが目安です。媒体を替える前に、見せ方が合っているかも確かめます。
