お客様にインタビュー動画をお願いしたら、緊張して、パンフレットみたいなことしか言ってもらえなかったんです。

カメラを向けられたら、誰だって照れて固くなりますよね。お客さんのせいじゃなくて、聞き方と撮り方の問題なんです。
お客様インタビュー動画は、会社が自分で言うより、ずっと信じてもらいやすい素材です。ところが、撮ってみると「対応が丁寧でした」「満足しています」のような、どの会社にも当てはまる言葉ばかりが残ることがあります。せっかく時間を取ってもらったのに、使える場面がない。そんな経験をした会社は少なくありません。
本音の言葉が出てこない理由は、たいてい撮る側にあります。答えを用意してもらう、いきなり核心を聞く、カメラを真正面から向ける。どれも、話す人を「本番」の気持ちにさせてしまいます。
この記事では、本音が出やすい準備のしかた、質問の順番と聞き方、撮影の目線・音・場所、意味を変えずに短くまとめる編集を書きます。事例ページの文章の書き方は扱いません。
この記事の要点
- 台本は渡さない。事前に渡すのは質問だけ
- 質問は「事実→場面→気持ち」の順に聞く
- 編集では言葉を切り取りすぎず、公開前に本人に見てもらう
台本を渡すと、本音が消える
お客さんに出演をお願いするとき、親切のつもりで「こんな感じで話してください」と原稿を渡すことがあります。これをすると、多くの人は原稿を覚えようとして、目が泳ぎ、言葉が平らになります。見る人には、言わされている声に聞こえます。
事前に渡すのは、質問の一覧だけにします。答えは書いてもらわず、「当日はこの順に聞きます。思い出せる範囲で大丈夫です」と伝えます。思い出す時間があると、当日の言葉に具体的な場面が混ざりやすくなります。
撮影の前には、何の動画で、どこに載せるか、公開前に本人が確認できることを伝えて、了解をもらいます。載せる範囲や期間の決め方は、実績ページの記事で書いています。
あわせて読みたい導入事例・お客様の声の書き方と載せ方。実績ページの作り方と掲載の了解当日は、最初の数分を「慣れる時間」と決めておきます。カメラを回したまま、天気や来る途中の話をして、そこは使わない前提にします。話す人が撮られていることを忘れはじめたあたりから、本題に入ります。

最初は雑談とお茶だけで十分です。「お水どうぞ」から始めると、肩の力がすっと抜けるんですよ。
質問は「事実→場面→気持ち」の順に聞く
いきなり「弊社を選んだ理由は?」と聞くと、話す人は模範解答を探しはじめます。答えやすい事実から入り、具体的な場面を思い出してもらい、最後に気持ちを聞きます。
| 段 | 聞くこと | 例(地域の学習塾に通う生徒の保護者なら) |
|---|---|---|
| 事実 | いつ・何を・どうしたか | 「通いはじめたのは、何年生のいつごろでしたか」 |
| 場面 | そのときの具体的な出来事 | 「入塾を決めた日、家でどんな話をしましたか」 |
| 変化 | 前と後で変わったこと | 「最近、家での勉強の様子で変わったことはありますか」 |
| 気持ち | 今どう感じているか | 「同じことで迷っている人がいたら、何と言いますか」 |
事実の段は、答えが一つに決まるので、緊張していても話せます。場面の段で、言葉に色が付きます。「夕飯のあと、子どもが自分から『行ってみたい』と言った」のような一言は、こちらから引き出そうとしても出てきません。思い出してもらうしかないのです。
聞き方にもいくつかコツがあります。
- 「はい」「いいえ」で終わる質問にしない。「よかったですか」ではなく「どうでしたか」と聞く
- 答えの頭に、質問の言葉を入れてもらう。「通いはじめたのは……」と話してもらうと、聞き手の声を切っても話が通じる
- 答えのあとの沈黙を、すぐに埋めない。少し待つと、もう一言足してくれることが多い
- 言いよどんだら、「もう一度、同じことを話してもらえますか」と頼んでよい。2回目は短く、まとまった言葉になりやすい

沈黙が来ても、焦って次の質問に行かないでください。たき火を眺めるくらいの気持ちで待つと、いい一言が出てきます。
撮影:目線・音・場所を決める
目線はカメラではなく、聞き手へ
お客さんには、カメラではなく聞き手を見て話してもらいます。聞き手はカメラのすぐ横に座ります。目線がレンズの少し横に向くので、会話を横から見ているような自然な画になります。縦型で使うなら、胸から上が入る寄りの画を基本にします。
音を最優先にする
インタビューは、話している言葉がすべてです。画が少しぶれても見られますが、声が聞き取れないと使えません。襟元に付ける小さなマイクを使うか、スマホを口元に近づけて別に音を録ります。撮ったらその場でイヤホンで聞き直します。
場所は、その人の場所で
会社の会議室より、お客さんの店や仕事場、使っている場面のある場所で撮るほうが、背景が話を補ってくれます。花屋の店主なら花の並ぶ作業台の前、農家なら畑の脇。話の中に出てきた物や作業も、あとで少し撮り足しておくと、編集で言葉の合間に差し込めます。
編集:短くしても、意味は変えない
撮った素材は、たいてい数十分になります。ショート動画にするなら、1本に入れる答えは1つにします。「通いはじめたきっかけ」で1本、「家での変化」で1本と分ければ、1回の撮影から何本も作れます。
短くするときに守りたいのは、本人の言った意味を変えないことです。
- 前後の言葉をつないで、本人が言っていない意味にしない
- 「最初は不安でしたが」のような前置きを、都合よく削らない。迷いがあったことも、見る人には大事な情報になる
- 言いよどみは少しなら残す。きれいに整えすぎると、言わされた声に近づく
- テロップは本人の言葉のまま入れる。誤変換がないか、名前や地名を確かめる
編集が終わったら、公開する前に必ず本人に見てもらいます。言ったつもりと違う、ここは載せないでほしい、という声は、公開してからでは取り返しがつきません。
インタビューの準備から、編集まで
お客さんの声は、頼めば何度でも撮れるものではありません。一度の撮影を大事にするためにも、準備から確認までを一続きで考えます。HEART CREATIONでは、企画・撮影・編集・運用を同じチームで引き受けています(サービス内容)。
- 動画の先で増やしたい数字を決め、そこから聞く質問を組み立てる
- お客さんの場所に伺い、聞き手と撮影を同じチームで受け持つ
- 1回の撮影から、ショート動画とサイト用の長めの版を作り分ける
初回のご相談は無料で、オンライン60分でも承ります。

出てくださるお客さんには、感謝しかないんです。その気持ちごと残せる動画を、一緒に作りましょう。
よくある質問
お客様インタビュー動画は、何人分撮ればいいですか?
1人からで構いません。見る人が「自分と似ている」と思える1人がいれば、その動画は役目を果たします。増やすときは、年代や相談の内容が違う人を選ぶと、見る人が自分に近い声を見つけやすくなります。
話すのが苦手なお客様にも、インタビューをお願いできますか?
お願いできます。質問を事前に渡し、事実から順に聞いていけば、話すのが得意でない方でも答えやすくなります。うまく話してもらう必要はなく、言いよどみが少し残っているほうが、かえって本人の言葉らしく伝わります。
顔を出したくないお客様の場合は、どう撮ればいいですか?
手元や後ろ姿、店や作業の様子を映しながら、声だけを使う形にできます。名前も、名字だけやイニシャルにするなど、本人の希望に合わせます。どこまで出すかは撮影の前に決め、了解の内容として残しておきます。
インタビューはスマホでも撮れますか?
撮れます。スマホを固定し、聞き手がその横に座って、声は口元に近い位置で録るのが基本です。画質より音を優先し、撮ったらその場でイヤホンで聞き直してください。
インタビュー中に、言ってほしいことを誘導してもいいですか?
答えを言わせるような聞き方は避けます。誘導した言葉は、見る人にも言わされた声に聞こえます。聞きたいことがあるなら、「そのとき、どんなことが起きましたか」のように場面を聞き、本人の言葉で話してもらいます。
