中古車屋です。入庫した車を動画で紹介しているんですが、どれも同じような映像になって、問い合わせは写真のときと変わらなくて。

車って、写真より動画のほうが向いてる商品なんですよ。エンジンの音と、傷の具合が映せるので。
中古車の販売店、町の整備工場、車検や板金も受ける自動車屋さん。車の店のSNSは、在庫車の紹介と、整備や車検の案内の2つが中心になります。どちらも、お客さんが店に来る前に「この店で大丈夫か」を確かめる材料です。
ところが、在庫車の動画は、きれいに洗った車の周りをぐるっと回るだけになりがちです。整備の動画も、作業着の背中とリフトの映像で終わってしまう。見る人が知りたいのは、写真では分からないこと、つまり傷の具合、エンジンの音、交換した部品のすり減り方です。
この記事では、在庫車1台を撮る手順、価格を出すときの表示、整備の見せ方、お客さんの車を撮るときに映り込みやすいものを整理します。
この記事の要点
- 在庫車は、傷・音・装備が動くかを、毎回同じ順番で撮る
- 中古車の価格は「支払総額」で。動画でも店頭やサイトと同じ表示にそろえる
- 整備は交換した部品を並べて見せる。ナンバーや車検証の映り込みに注意
在庫車は、毎回同じ順番で1台を撮る
中古車は、同じ車種でも1台ごとに状態が違います。そして入れ替わりが早く、売れればその動画の役目は終わります。だから1台にかける撮影は短く、毎回同じ順番で撮れるように決めておきます。
- 01外を一周する正面から時計回りに、立った目線のまま歩いて撮る
- 02傷とへこみに寄る見つけた傷は指をさして、近くで映す
- 03運転席に座るメーター、走行距離、ナビやバックカメラが動く様子
- 04後ろの席と荷室シートの状態、荷室の広さ、後ろの席を倒したところ
- 05エンジンをかけるかかる瞬間の音と、アイドリングの音をそのまま残す
この順番を店の決まりにしておけば、誰が撮っても同じ形の動画になります。見る人も、どの車の動画でも同じ場所に同じ情報があるので、比べやすくなります。
中古車の動画でいちばん効くのは、傷を自分から見せることです。照明や角度で傷を目立たなくすることはできますが、来店して実物を見たときに食い違えば、その店の動画全部が信用されなくなります。においやエアコンの効きのように画に映らないことは、「禁煙車」「エアコンは動作確認済み」のように言葉で添えます。

傷を先に見せる店って、それだけで「ほかも正直なんだろうな」と思ってもらえるんです。
価格を出すなら「支払総額」で
動画で価格を言う、またはテロップで出すときは、表示の決まりにそろえます。
自動車公正取引協議会の公正競争規約と施行規則の改正で、2023年10月1日から、中古車の販売価格は「支払総額」の名前で表示することになりました。支払総額は、車両価格に、保険料・税金・登録などの手続きの代行費用といった諸費用を加えたもので、内訳として車両価格と諸費用も示します。あわせて、定期点検整備付きかどうか、保証付きかどうかも、支払総額の近くに明瞭に示すことになっています。
SNSの動画だけ車両価格で「◯◯万円」と言うと、店頭のプライスボードやサイトの表示と食い違ってしまいます。価格を出すなら、テロップは店頭と同じ並び(支払総額、内訳、保証と整備の有無)にそろえ、言い切れない条件はキャプションに書きます。売れた車の動画は、売約済みと分かるようにするか、下げます。
1台ごとに来る問い合わせを取りこぼさない受け方は、こちらで書いています。
あわせて読みたいSNSからの問い合わせを営業につなぐ。DMを商談に変える受け渡しと記録整備は、外した部品で見せる
整備や車検は、作業が終わると何をしたのかが見えなくなる仕事です。お客さんが受け取るのは、元どおりに見える車と明細だけ。そこで動画では、作業の結果を目に見えるものに置き換えます。
- 交換したブレーキパッドやワイパー、エンジンオイルを、新品と並べてすり減り方を見せる
- リフトで上げた車の下回りを、整備士が指をさしながら説明する
- 車検の受付から引き渡しまでの流れと、それぞれにかかる時間を1本で
- 「認証工場」と「指定工場」の違いのように、看板にある言葉の意味を説明する
国土交通省の説明では、指定工場は認証工場のうち設備や技術などの基準を満たして指定を受けた工場で、工場の中で車検の検査まで行い、保安基準適合証を出せます。こうした言葉は、お客さんが店を比べるときに目にしても意味が分からないものです。1本で説明しておけば、何度でも使えます。

外した部品って、整備士さんには見慣れたものでも、お客さんには初めて見る「やった証拠」なんですよ。
見る人の不安ごとに映すものを決める考え方は、商品紹介の記事にもまとめています。
あわせて読みたい商品紹介のショート動画は何を映すか。買う前の不安から決める物販の見せ方お客さんの車で映り込みやすいもの
整備の動画は、お客さんから預かった車を撮ることになります。ここが、在庫車とは違うところです。
| 映り込みやすいもの | 対応 |
|---|---|
| ナンバープレート | 撮る前に隠すか、編集でぼかす |
| 車検証、整備記録簿(名前と住所) | 撮影する台やダッシュボードに置かない |
| ナビの画面(自宅の登録や行き先の履歴) | ナビの画面を映さないか、電源を切って撮る |
| 車内の私物、チャイルドシート | 映らない角度にする |
| 郵便物、駐車場の契約証、ETCカード | 預かるときに置き場所を決めて移し、映らないようにする |

ナビの画面にお客さんの自宅が出ていた、なんてこと、整備の動画では本当に起きるんです。
お客さんの車を動画に使うなら、預かるときに一言了解をもらっておきます。車種や色が珍しい車は、ナンバーを隠しても持ち主が分かることがあります。
車の店の発信を、HEART CREATIONと
車の店の動画は、在庫の入れ替わりと整備の予定の合間に、短い時間で撮れる段取りを作れるかで続くかが決まります。HEART CREATIONでは、こんなところからご一緒しています。
- 在庫車を1台ずつ同じ順番で撮る手順と、整備の見せ方の企画を考える
- 撮影と編集を同じチームで引き受け、慣れたら店で撮れるように撮影手順と編集ルールを渡していく
- 動画から在庫の問い合わせや車検の予約までの入口をつなぎ、何件来たかを測れるようにする
追う数字は再生数ではなく、在庫の問い合わせや車検の予約の件数です。サービス一覧もご覧ください。

在庫の動画は足が速いんです。撮る手順さえ決まれば、入庫したその日に1本出せますよ。
よくある質問
中古車の在庫紹介の動画は、何を撮ればいいですか?
外を一周、傷やへこみ、運転席と走行距離、後ろの席と荷室、エンジンの始動音を、毎回同じ順番で撮るのがおすすめです。写真で分からない傷の具合と音が映せるのが、動画の強みです。
SNSの動画で中古車の値段を言うときは、車両価格でいいですか?
自動車公正取引協議会の規約では、2023年10月1日から中古車の価格は「支払総額」で表示することになっています。店頭やサイトの表示と食い違わないように、動画でも支払総額と内訳、保証と整備の有無をそろえて出すのが安全です。
整備工場のSNSでは、どんな動画が見られますか?
交換した部品を新品と並べてすり減り方を見せる動画や、車検の流れを1本で説明する動画は、お客さんが店を選ぶときの材料になります。作業の結果が目に見える形にするのがコツです。
お客さんの車を動画に映してもいいですか?
預かるときに了解をもらい、ナンバー、車検証、ナビの画面、車内の私物が映らないようにして撮ります。珍しい車種や色は、ナンバーを隠しても持ち主が分かることがあるので、出す前に本人に確認します。
