ホームページに実績を載せたいのですが、件数も少ないし、何をどう書けばいいのか分かりません。

1件からで大丈夫ですよ。件数より「うちと似てる」と思える1件のほうが、ずっと効くんです。
実績のページは、問い合わせの前にかなりの人が開くページです。ところが、取引先のロゴを並べただけ、施工写真を並べただけ、というページも多く、読む人が本当に知りたいことは書かれていないことがよくあります。
読む人が実績のページで確かめているのは、「この会社は、自分と似た相手の、似た困りごとを解決したことがあるか」です。件数が多いかどうかより、自分の状況を重ねられる1件があるかどうかが、問い合わせの決め手になります。
この記事では、実績のページで読む人が見ていること、1件の事例の書き方、お客様の声の聞き方、載せる前に取る了解、一覧の並べ方を書いていきます。
この記事の要点
- 実績は件数より、自分に重ねられる1件
- 事例は相手・困りごと・やったこと・変化・ひと言の順
- 社名・顔・写真・言葉は、それぞれ了解を取る
実績のページで、読む人が確かめていること
まず、よくある載せ方ごとに、伝わることと伝わらないことを並べてみます。
| 載せ方 | 伝わること | 伝わらないこと |
|---|---|---|
| 取引先のロゴ・社名の一覧 | 取引の幅、どんな会社と仕事をしているか | 何をして、どう変わったか |
| 写真だけの施工・制作の実績 | 仕上がりの質 | 頼む前の状況と、進め方 |
| 1件ずつの事例の記事 | 似た相手か、何を頼めて、どう変わるか | (手間はかかるが、いちばん伝わる) |
ロゴや写真の一覧が悪いわけではありません。ただ、それだけでは「自分の場合はどうなるか」が分かりません。一覧の入口として使い、代表的な数件は事例の記事として詳しく書く。この組み合わせが、読む人の疑問にいちばん答えやすい形です。
1件の事例は、5つの段で書く
事例の記事は、次の5つの段で組むと、読む人が自分の状況を重ねやすくなります。
- 01相手業種・規模・地域。特定されたくなければ、この3つだけでもよい
- 02困りごと頼む前に、何に困っていて、何を試していたか
- 03やったこと何を、どの順で、どれくらいの期間で進めたか
- 04変化何が変わったか。数字を出すなら期間と条件を添える
- 05ひと言お客さん自身の言葉で
いちばん削られやすく、いちばん読まれるのが2つ目の「困りごと」です。例えば、社員20人ほどの部品メーカーがホームページを作り直した事例なら、「サイトが古かった」だけでは足りません。「求人を出しても、応募者から『会社の中が分からない』と言われていた」まで書くと、同じ悩みを持つ会社の担当者が、自分の話として読めます。

「お客様のご要望にお応えし、ご満足いただけました」。こういう事例、読んでるうちに眠くなっちゃいますよね。
変化の段で数字を出すときは、期間と条件を添え、実際に言える数字だけにします。条件を伏せて成果を大きく見せると、景品表示法の問題になることもあります。表現の線引きは「広告で使えない表現」の記事にまとめています。
お客様の声は、聞き方で中身が決まる
お客様の声を、満足度のアンケートだけで集めると、「丁寧でした」「満足です」のような、どの会社にも当てはまる言葉が並びます。中身のある声を集めるには、短い聞き取りをします。
- 頼む前に、迷っていたことは何か
- ほかの会社ではなく、ここに決めた理由は何か
- 頼んでみて、思っていたのと違ったことはあるか
- どんな人になら勧めたいか
3つ目の問いからは、「打ち合わせが思ったより少なくて済んだ」といった、読む人の不安にそのまま答える言葉が出てきます。お客さんの言葉は、読みやすく整える程度にとどめ、言い回しは直しすぎないほうが伝わります。要約したり言葉を整えたりしたときは、載せる前に本人に確かめてもらいます。

お客さんが自分の言葉で言ってくれた「頼んでよかった」は、どんな宣伝文句より強いんですよ。
なお、好意的な声だけを選んで載せたり、良い部分だけを抜き出したりすると、ステルスマーケティングの規制で会社の表示と見なされる場合があります。その考え方は、こちらの記事で書いています。
あわせて読みたいステマ規制とPR表記の書き方。広告主が押さえる線引きと表示の位置載せる前に取る了解
事例の掲載は、お客さんの会社の了解があれば終わり、ではありません。載せるものごとに、了解を取る相手と中身が違います。
| 載せるもの | 確かめること |
|---|---|
| 社名・店名・ロゴ | 載せてよいか。ロゴの形や色を変えずに使う |
| 担当者の名前・顔写真 | 会社とは別に、本人の了解 |
| 現場・店内・商品の写真 | 写り込んだ人、車のナンバー、表札など。お客さんが撮った写真なら、撮った人の了解 |
| 数字 | 社外に出してよい数字か |
| お客さんのコメント | 載せる文面そのものの確認 |
お客さんがSNSに載せた写真や投稿を事例に使う場合の了解の取り方は、UGCの許諾の記事にまとめています。
あわせて読みたいUGCの許諾の取り方。お客さんの投稿をリポスト・転載するときの許可と表記了解は、仕事が終わってから急にお願いするより、契約や発注のときに「事例として紹介してよいか」を聞いておくと、相手も考える時間が取れます。あわせて、いつまで載せるか、取り下げてほしいときはすぐ外すことも、最初に約束しておきます。社名を出せない場合は、業種・規模・地域だけの匿名の事例にします。ただし、地域と業種の組み合わせで相手が分かってしまうこともあるので、匿名の版もお客さんに見てもらってから載せます。

載せる前に、完成した文面を必ずお客さんに見てもらってください。社名ひとつでも、です。
一覧のページは、探せる形に並べる
事例が増えてきたら、一覧のページの並べ方も考えます。
- 業種や目的で絞り込める:読む人は「自分と同じ業種」から探す
- 代表の数件を先頭に:新しい順だけにすると、よい事例が埋もれる
- 事例の最後に入口を置く:「同じようなご相談はこちら」と、問い合わせへつなぐ
件数が少ないうちは、無理に数を見せる必要はありません。1件を詳しく書き、仕事の進め方を説明したページで補えば、読む人の疑問には十分答えられます。
事例の聞き取りから、ページづくりまで
HEART CREATIONでは、事例のページを、写真・サイトの作りまで同じチームで作ります(サービス一覧)。
- お客さんへの聞き取りの質問づくりと、事例ページの構成づくり
- 事例に使う写真や動画の撮影
- 業種や目的で探せる実績ページと、問い合わせへの導線の設計
「載せたい実績はあるけれど、文章にする時間がない」という段階でもかまいません。初回のご相談は無料で、オンライン60分でも承ります(ご相談はこちら)。

まずは、載せたい1件を教えてください。お客さんへの聞き方から、一緒に考えましょう。
よくある質問
導入事例が1件しかなくても、ホームページに載せていいですか?
1件からで問題ありません。読む人が見ているのは件数より、自分と似た相手の仕事かどうかです。1件を困りごとから変化まで詳しく書き、仕事の進め方のページで補えば、十分に判断の材料になります。
お客様の声は、匿名でも効果がありますか?
業種・規模・地域と、頼む前の困りごとが具体的に書かれていれば、匿名でも読む人は自分の状況を重ねられます。ただし、地域と業種の組み合わせで相手が分かることもあるため、匿名の版もお客さんに確認してもらってから載せます。
取引先のロゴを実績ページに載せるには、許可が要りますか?
載せる前に、相手の会社に了解を取っておくのが基本です。社名の掲載はよくても、ロゴの使用は別に決まりがある会社もあります。了解をもらったら、ロゴの形や色を変えずに使います。
お客様の声の文章は、読みやすく直してもいいですか?
誤字や言い回しを整える程度ならかまいませんが、意味が変わるほど直すのは避けます。整えたり要約したりしたときは、載せる前に本人に文面を確かめてもらいます。お客さん自身の言葉が残っているほうが、読む人にも伝わります。
載せた事例を、あとからお客さんに消してほしいと言われたらどうしますか?
すぐに取り下げるのが基本です。掲載をお願いする時点で、掲載の期間と、取り下げの希望があればすぐ外すことを約束しておくと、お客さんも安心して了解しやすくなります。
