お客さんが、うちの商品をすごくすてきに撮ってくれたんです。この写真、うちのアカウントで載せてもいいですよね?

載せる前に、ひと声かけるだけでいいんです。それだけで、お客さんとの距離もぐっと縮まりますよ。
お客さんの投稿に自社の商品やお店が写っていると、つい「うちのことだから使っていい」と考えがちです。けれど、写真を撮ったのはお客さんで、写っているのもお客さんやその家族かもしれません。公開されている投稿でも、誰でも自由に使っていいという意味にはなりません。
必要なのは、使い方に合わせた許可です。アプリの共有機能で紹介するのか、画像を保存して自社の投稿として上げ直すのか、サイトやチラシ、広告に使うのか。使い方が広がるほど、きちんと許可をとる必要が出てきます。
この記事では、お客さんの投稿にどんな権利が関わるか、使い方ごとに何の許可が要るか、DMで許可をもらうときに伝えること、載せるときの表記と取り下げの約束を書きます。投稿そのものを増やす仕掛けは、別の記事にまとめています。
この記事の要点
- 撮った人の権利と、写っている人の権利の両方を考える
- 使い方(共有・転載・サイト・広告)ごとに許可の範囲を伝える
- 表記の仕方と、取り下げを頼まれたときの対応を先に決める
お客さんの投稿には、2つの権利が重なっている
お客さんの写真や動画には、2つの権利が関わります。
1つは、撮った人の権利です。写真や動画は著作物になり得て、著作権は撮った人にあります。もう1つは、写っている人の権利です。総務省は、人物の写真には撮った人の著作権があるだけでなく、写っている人に肖像権があると説明しています。肖像権は、無断で撮られたり、撮られた写真を無断で公表・利用されたりしないよう主張できる権利とされています。
この2つは、同じ人が持っているとは限りません。例えば、家族で来店したお客さんが撮った写真なら、撮った人はお母さん、写っているのはお子さん、ということがあります。投稿者に許可をもらっても、写っている人の了解までは確かめられていない場合があります。
人がはっきり写っている写真を使いたいときは、写っている人にも了解をもらっているかを投稿者に確かめます。お子さんが写っているものや、ほかのお客さんの顔が写り込んでいるものは、使わないか、写っていない別の写真をお願いするほうが安全です。

自分の写真が知らない間に広告になってたら、誰だっていい気はしないですよね。そこは本気で気をつけてほしいんです。
使い方によって、要る許可が変わる
どこまで許可が要るかは、使い方で分けて考えると整理しやすくなります。
| 使い方 | 許可 | 気をつけること |
|---|---|---|
| いいね・お礼のコメント | 要らない | 反応するだけなら問題ない |
| アプリの共有機能で紹介する | 各SNSの規約の範囲で使えるとされることが多い | 元の投稿者の名前が表示される。それでも一声かけるのがおすすめ |
| 画像を保存して、自社の投稿として上げ直す | 要る | 何に使うかを伝え、表記を決める |
| ホームページ・チラシ・店頭のポップに載せる | 要る | 場所と期間を伝える。印刷物は取り下げにくい |
| 広告に使う | 要る | 広告に使うことまで、はっきり伝える |
Instagramでは、公開されているリールやフィード投稿を、元の投稿者を表示したまま自分のプロフィールで共有できる「リポスト」の機能が2025年8月に加わっています(Metaの発表による)。こうしたアプリの中の共有は、元の投稿者が分かる形で、その仕組みの範囲で行われるものです。
画像を保存して自社の投稿として上げ直したり、サイトやチラシに載せたりするのは、その外側の使い方です。名前を添えたからといって、許可をとったことにはなりません。使う場所が変わるたびに、許可の範囲も確かめ直す。これが基本です。
許可のとり方。DMで伝える5つのこと
許可は、投稿へのコメントで「使ってもいいですか」と聞くより、DMで用途まで伝えてもらうほうが確かです。伝えることは5つです。
- 01何に使うか自社のInstagramに載せる、ホームページの「お客様の声」に載せる、など
- 02どこに・いつまで載せる場所と、使う期間の目安
- 03表記「@アカウント名さんの投稿より」など、名前をどう出すか
- 04手を入れるか切り抜き・文字入れ・色の調整をするかどうか
- 05取り下げやめてほしいときの連絡先と、外すまでの日数
例えば、駅前のパン屋がお客さんの写真を自社のアカウントで紹介したいなら、次のような文面になります。
素敵な写真をありがとうございます。この写真を、当店のInstagramで紹介させていただけないでしょうか。投稿には「@〇〇さんの写真より」とお名前を添え、写真には手を加えません。やめてほしいときはこのDMにご連絡いただければ、3日以内に削除します。
返事をもらったら、そのやり取りの画面を保存しておきます。担当者が替わっても、誰が、いつ、何に使ってよいと言ったのかが分かるようにするためです。
載せるときの表記と、取り下げの約束
載せるときは、投稿の最初のほうか写真の中に、元の投稿者の名前を入れます。説明文の最後のハッシュタグの中に混ぜると、見落とされます。写真に手を加えると伝えていない場合は、切り抜きや文字入れをせずにそのまま使います。
使っている投稿は、表にまとめて管理します。
| 投稿のURL | 投稿者 | 許可をもらった日 | 使っている場所 | 期間 |
|---|---|---|---|---|
| (元の投稿) | @〇〇さん | 10月6日 | 自社Instagram | 1年 |
取り下げを頼まれたら、約束した日数のうちに外します。ここで渋ると、それまでの紹介まで悪く受け取られかねません。
また、お客さんの投稿をホームページの「お客様の声」として並べるときは、良い内容だけを選ぶ載せ方にも注意が要ります。景品表示法のステルスマーケティング規制との関係は、別の記事にまとめています。
あわせて読みたいステマ規制とPR表記の書き方。広告主が押さえる線引きと表示の位置
取り下げの手順まで決めておけば、怖がらずにお願いできます。落ち着いて、一件ずつで大丈夫ですよ。
お客さんの投稿を生かす仕組みづくりを、お手伝いします
お客さんの投稿は、許可をとって丁寧に紹介すれば、お店にとっても投稿した人にとってもうれしいものになります。HEART CREATIONでは、SNSの運用から、ホームページやLPへの載せ方まで同じチームで引き受けています(サービス一覧)。
- 許可のお願いの文面と、使っている投稿の管理表を整える
- お客さんの投稿を紹介する投稿の型を作り、運用の中に組み込む
- ホームページやLPで「お客様の声」をどう見せるかを一緒に考える
具体的な権利の判断は、専門家への確認をおすすめします。そのうえで、どう見せるかはご相談ください。

使い方に迷う投稿があれば、そのまま見せてください。一緒に確かめていきましょう。
よくある質問
お客さんの投稿をリポストするのに許可は要りますか?
アプリに用意された共有機能で、元の投稿者が表示される形で紹介するなら、各SNSの規約の範囲で使えると考えられています。ただ、紹介する前に一声かけておくと安心です。画像を保存して自社の投稿として上げ直す場合は、許可をとります。
許可はDMの返事だけで足りますか?
自社のアカウントで紹介する程度なら、用途を伝えたDMの返事を保存しておく形がよく使われます。広告や印刷物など使い方が広い場合は、書面で残すことも検討してください。どこまで必要かは、専門家に確認すると確実です。
投稿者と写っている人が違う場合はどうすればいいですか?
写っている人にも肖像権があるので、投稿者に、写っている人の了解をもらっているかを確かめます。確かめられない場合や、お子さんが写っている場合は、使わないほうが安全です。
一度許可をもらえば、ずっと使っていいですか?
許可をもらった範囲と期間の中で使います。期間を決めていなかった場合でも、取り下げを頼まれたらすぐに外せるように、使っている場所を表で管理しておきます。
