店内の雰囲気を投稿したいんです。お客さんが写っていても、後ろ姿なら大丈夫ですよね。

後ろ姿でも、知り合いが見れば分かることがあるんです。迷ったら一声かける、が基本ですね。
お店の雰囲気を伝えようと店内を撮ると、どうしてもお客さんが写ります。料理を受け取った瞬間の笑顔、にぎわう客席、レッスン中の生徒さん。写真としてはいちばん伝わる場面です。けれど本人が知らないまま載ると、「勝手に載せられた」と感じる人がいます。その日その場所にいたことを、知られたくない事情を抱えた人もいます。
考え方はシンプルです。誰か分かる写り方なら、撮る前に了解をもらう。了解をもらわないなら、誰か分からない撮り方にする。載せる前に拡大して確かめ、消してほしいと言われたらすぐに消す。
この記事では、写り方による分け方、了解の取り方、写り込みを防ぐ撮り方、載せる前の確認と消す依頼への対応を書きます。
この記事の要点
- 誰か分かる写り方なら、撮る前に了解をもらう
- 了解は「どこに・どう写る・いつまで」を伝えて取る
- 載せる前に拡大して、鏡や書類の写り込みを探す
写り方で、要るものが変わる
肖像権は、法律の条文で定められた権利ではありません。最高裁判所は2005年11月10日の判決で、人は「みだりに自己の容ぼう等を撮影されない」ことについて法律上保護される利益を持つと述べています。違法かどうかは、撮影の場所・目的・やり方・必要性などを総合して、社会生活で我慢すべき限度を超えるかで判断するとしています。
また個人情報保護委員会は、本人が誰か分かる程度に写った画像は個人情報に当たると説明しています。
お店の宣伝のために、お客さんの顔を本人が知らないまま載せる。これは、法律上どう判断されるかを考える前に、避けておきたい使い方です。まずは写り方を3つに分けて考えます。
| 写り方 | 例 | 考え方 |
|---|---|---|
| 主役として写る | 料理を受け取って笑う顔、施術中の横顔 | 撮る前に本人の了解をもらう |
| 誰か分かる大きさで写り込む | 背景の客席の顔、レジに並ぶ人 | 了解をもらうか、撮り直す |
| 誰か分からない | 手元だけ、遠くでぼけた後ろ姿 | 載せられることが多い。ただし服や持ち物で分かる場合もある |
迷ったら、分かる側に入れて考える。後ろ姿でも、髪型や服、連れている子どもで、知り合いには分かることがあります。
了解は、撮る前に「どこに・どう・いつまで」
了解は、撮ったあとより撮る前にもらうほうが、相手も断りやすく、こちらも撮り方を合わせられます。伝えるのは次の4つです。
- どこに載せるか(お店のInstagram、サイトなど)
- どう写るか(顔が分かる、手元だけ、など)
- いつまで載るか(消さない限り残る、ストーリーズなら24時間で消える)
- 断ってもいいこと、あとからでも消せること
例えば、カフェでランチを運ぶ場面を撮るなら、こんな声のかけ方になります。
お店のインスタに、料理を受け取るところを載せてもいいですか。お顔が分かる写り方になります。あとで消してほしくなったら、いつでも言ってください。
了解をもらったら、日付・どの写真か・どこに載せてよいかを、撮影のメモに書いておきます。子どもが写るときは、保護者に聞きます。店内に「撮影することがあります」と貼り紙をしておくのは、知らせる意味はありますが、写る一人ひとりが了解したことにはなりにくいので、写る人には直接聞きます。
SNSに載せる了解と、広告やチラシに使う了解は別です。広告に回したくなったら、あらためて聞きます。お客さんが自分で撮って投稿した写真をお店で使う場合は、撮った人の権利も関わるので、考え方が変わります。
あわせて読みたいUGCの許諾の取り方。お客さんの投稿をリポスト・転載するときの許可と表記写り込みは、撮り方で防ぐ
了解をもらわない写真は、そもそも人が入らない撮り方で作ります。
- 開店前や閉店後、予約の入っていない時間に、席や店内を撮る
- 客席にカメラを向けず、カウンターや壁、料理に向けて撮る
- 引きで撮らず、手元や商品に寄る
人の顔以外にも、写り込みやすいものがあります。
| 写り込みやすいもの | 何が分かってしまうか |
|---|---|
| 鏡・窓ガラス・ショーケース | 反射して、別のお客さんの顔が写る |
| 予約表・伝票・レシート | お客さんの名前や来店時間 |
| 駐車場の車 | ナンバーから持ち主 |
| 名札・制服・ランドセル | 子どもの名前や学校 |
| スマホやパソコンの画面 | 予約の一覧やお客さんとのやり取り |

客席じゃなく、壁やカウンターに向けて撮る。それだけで写り込みはぐっと減りますよ。
載せる前の確認と、「消して」と言われたら
撮った写真は、載せる前にスマホで拡大して、四隅と背景まで見ます。小さく写った人、鏡の中、机の上の紙。投稿の画面では気づかないものが、拡大すると見えてきます。

鏡の中に、別のお客さんが小さく写っていた。これ、載せてから気づくと本当に冷や汗ものなんです。
いま店にいることが分かる投稿にも気をつけます。了解をもらった写真でも、お客さんが帰ってから出すほうが安心です。位置情報やお客さんのアカウントのタグ付けは、本人が望んだときだけにします。
あとから「消してほしい」と言われたら、理由は聞かずに、すぐに消します。同じ写真をストーリーズのハイライトやサイト、印刷物にも使っていないかを確かめ、使っていればそちらも外します。消した日と場所は、了解のメモに書き足しておきます。

理由は聞かずに「すぐ消します」。そのほうが、お互い気持ちよく次に来てもらえるんです。
撮るところから、HEART CREATIONと
お客さんの了解の取り方や写り込みは、撮影の段取りの中で決めておくと、あとで慌てずに済みます。HEART CREATIONでは、次の形でお手伝いしています。
- 企画・撮影・編集・運用を、同じチームでまとめて引き受ける
- 拠点は東京・横浜。全国に対応し、打ち合わせはオンライン、撮影は出張で伺う
- 社内で撮れるよう、企画の型・撮影手順・編集ルール・数字の見方を3〜6か月で渡していく
初回のご相談は無料です。サービスの内容はこちらにまとめています。

了解をもらって撮った笑顔は、見ていても気持ちがいいんですよね。
よくある質問
店内に「撮影することがあります」と貼り紙をすれば、お客さんが写っても大丈夫ですか?
貼り紙は知らせる手段にはなりますが、写る一人ひとりが了解したことにはなりにくいです。誰か分かる写り方になるなら、その人に直接聞くか、写らない撮り方に変えます。
お客さんの後ろ姿なら、了解はいりませんか?
誰か分からない写り方なら載せられることが多いですが、髪型や服、連れている人で知り合いには分かる場合があります。迷ったら了解をもらうか、手元や商品に寄った写真にします。
お客さんの了解は、口頭でもいいですか?
口頭でももらえますが、あとで確かめられるように、日付・どの写真か・どこに載せてよいかを記録しておきます。お店のアカウントとやり取りのある人なら、DMで写真を見せて返事をもらうと確実です。
子どもが写った写真をSNSに載せてもいいですか?
保護者の了解をもらってから載せます。あわせて、名札や制服、ランドセルなど、名前や学校が分かるものが写っていないかを確かめます。
前に載せた写真のお客さんから、消してほしいと言われました。
理由を聞かずに、すぐに消します。同じ写真をハイライトやサイト、印刷物に使っていないかも確かめ、使っていればそちらも外します。
