社長のメッセージを動画にして全社に流したい、と言われました。社内向けの動画って、作って意味があるんでしょうか。

作ったのに社内の反応が冷たい、というのがいちばん多いんです。誰に何をしてほしいか、から決めましょう。
社内報を出しても読まれている気がしない。全体会議で話した方針が、現場まで届かない。拠点や店舗が離れていて、パートやアルバイトの人には本社の話がほとんど伝わらない。社内向けの動画を考える会社は、たいていこうした悩みを抱えています。
動画は、文字の社内報より手に取ってもらいやすく、話す人の表情や現場の様子まで運べます。けれど、会社が伝えたいことをそのまま長く話す動画は、社外向けの動画以上に見られません。社員は忙しく、見なくても仕事は回るからです。
この記事では、社内向けの動画が効く場面、社長のメッセージの見せ方、現場の人とお客さんの声の使い方、社内だけで流す動画でも気をつけたいことを順に書きます。
この記事の要点
- 社内の動画は、社員が知りたいことから作る
- 社長の話は短く、裏づける現場の場面と組み合わせる
- 社内だけの動画でも、権利と映り込みは社外向けと同じに扱う
社内向けの動画が効く場面
まず、社内で「伝わっていない」と感じている場面を挙げ、動画にすると何が変わるかを並べます。
| 場面 | 起きていること | 動画の中身 | 流す場所 |
|---|---|---|---|
| 方針を伝える | 掲示しても言葉だけで終わる | 方針どおりに動いた現場の場面と社長の一言 | 全体会議、朝礼 |
| 他の部署を知る | 隣の部署の仕事を知らない | ある部署の1日を短くまとめる | 社内チャット、社内報 |
| お客さんの声を返す | お礼の言葉が営業で止まる | 届いた声と、その仕事をした人の様子 | 朝礼、休憩室の画面 |
| 拠点をつなぐ | 本社の話が店舗や現場に届かない | 各拠点の近況を1本ずつ | 月1回の共有 |
| 新しい制度を説明する | 説明会に出られない人がいる | 制度の使い方を実際の例で | いつでも見られる場所 |
作業の手順を覚えてもらうための動画は、目的も作り方も違うので、同じ時期に書いたマニュアル動画の記事に分けています。
例えば、地域に数店舗あるスーパーなら、「お客さんに声をかける店にする」という方針を、ある店員が常連さんと話している場面と社長の短い一言で見せる。建設会社なら、別々の現場の朝礼を順につないで、会社全体が同じ朝を迎えていることを見せる。どちらも、社員が「うちの会社のことだ」と思える中身です。
社長のメッセージは、短く場面と組み合わせる
社長が原稿を読み上げる長い動画は、社員にとっていちばん再生しづらい動画です。言っていることが正しくても、毎日の仕事とどうつながるのかが見えにくいからです。
社長の話は、伝えたいことを1つに絞って短くし、それを裏づける現場の場面と組み合わせます。
- 方針を一言で言う:「今年は、お客さんを待たせない会社にする」
- それを体現している現場を見せる:電話を折り返す早さを工夫している部署の様子
- 社員への頼みごとを1つ言う:「同じ工夫を、自分の持ち場で1つ見つけてほしい」
言葉を並べるだけで考えが伝わることもあります。HEART CREATIONでも、大事にしている9つの言葉が流れてロゴに収まる15秒の映像を、すべてコードで描いて作りました。理念を長く語らなくても、何を大事にしている会社かは短い映像で伝えられます。
現場の人とお客さんの声を主役にする
社内向けの動画で見られやすいのは、知っている人が出てくる動画です。社員が別の部署の社員を紹介するリレー形式にすると、普段話さない人どうしのきっかけにもなります。
もう1つ、ぜひ作りたいのがお客さんの声を現場に返す動画です。営業や窓口に届いたお礼の言葉は、実際にその仕事をした人まで届かないことがよくあります。手紙やアンケートの言葉を、その仕事をした人の作業の様子と一緒に見せると、自分の仕事が誰の役に立ったのかが伝わります。

お客さんのお礼の言葉を、作った本人に届ける。朝礼で流すと、じんとくる人が多いんですよ。
社内向けでも、出てもらう社員には了解を取ります。社内だからと気軽に頼むと、断りにくさはむしろ強くなります。出演の頼み方や同意の残し方は、こちらにまとめています。
あわせて読みたい社員がショート動画に出演するときの注意点。同意の取り方と退職後の扱い作り込みすぎないことも、続けるための条件です。社内向けの動画は、毎月同じ形で出し続けるほうが、年に1回の立派な映像より社内に根づきます。

社内向けは肩の力を抜いて、スマホで撮るくらいでいいんです。毎月出すほうが、ずっと効きますから。
社内だけの動画でも、気をつけること
「社内でしか流さないから」と、確認を省きがちな点が2つあります。
1つは、音楽や写真などの権利です。会社の業務での利用は、家庭内などで使う私的使用には当たらないと一般に考えられています。社内の上映でも、市販の曲やテレビの映像、他人が撮った写真を使うときは、社外向けと同じように使ってよいかを確かめます。音楽の権利の考え方は、こちらの記事が参考になります。
あわせて読みたいショート動画のBGMと著作権。会社のアカウントで音楽を使うときの線引き
社内だから好きな曲を流していい、とはならないんですよ。曲選びは、社外向けと同じ目で。
もう1つは、映り込みです。社内向けの動画も、画面を撮られたりリンクを転送されたりして、外に出ることがあります。机の上の書類、パソコンの画面、ホワイトボードの数字、お客さんの名前は映らないように撮ります。
見られたかどうかは、再生した回数より、社内の会話で確かめます。朝礼で動画の話題が出たか、出てきた部署に質問が届いたか。1問だけのアンケートで「印象に残った場面」を聞くと、次に何を撮ればよいかが見えてきます。
社内に向けた動画も、HEART CREATIONと
社内向けの動画は、続けられる形を最初に作れるかどうかで決まります。HEART CREATIONでは、こんなところからお手伝いしています。
- 再生数ではなく、動画のあとに社内で変えたいことを最初に決める
- 企画・撮影・編集を、社外向けの発信と同じチームで引き受ける
- 撮影の手順と編集のルールを渡し、社内で続けられるように少しずつ関与を減らしていく
初回のご相談は無料で、オンラインで60分お話しできます。「何を伝えればいいかから迷っている」段階でも大丈夫です。ご相談はこちらから。

社内の誰かが「あの動画見たよ」と話しかけてくれたら、それがいちばんの成果なんです。
よくある質問
社内報を動画にするメリットは何ですか?
話す人の表情や現場の様子まで伝えられ、文字を読む時間がない人にも届きやすくなります。拠点や店舗が離れている会社や、パート・アルバイトの人が多い職場では、とくに効果を感じやすい方法です。
社長のメッセージ動画は、どう作れば見てもらえますか?
伝えたいことを1つに絞って短くし、それを裏づける現場の場面と組み合わせるのがおすすめです。原稿を読み上げる長い動画より、社員が「自分の仕事の話だ」と思える中身になります。
社内向けの動画に、市販の曲を流してもいいですか?
会社の業務での利用は私的使用に当たらないと一般に考えられているため、社内の上映でも社外向けと同じように権利を確かめてください。迷うときは、使用条件がはっきりした音源を選ぶのが安心です。
インナーブランディングの動画は、どのくらいの頻度で出せばいいですか?
年に1回の大きな映像より、毎月など決まった間隔で出し続けるほうが社内に根づきやすくなります。作り込みすぎず、続けられる形と担当を先に決めておくと止まりません。
