新人が入るたびに、同じ作業を一から説明しています。手順を動画にしておきたいんですが、どう作ればいいでしょうか。

1時間の研修動画は、作った本人でも寝ちゃいますよ。まずは作業ごとに短く切るところからです。
教える人によって説明が少しずつ違う。紙のマニュアルはあるけれど、手の動きまでは伝わらない。新人が来るたびにベテランの手が止まる。作業の手順を動画にしたいと考える会社の多くが、このどれかで困っています。
動画が得意なのは、手の動き、力の加減、速さ、音、見た目の変化を、そのまま渡せることです。一方で、何でも動画にすればよいわけではありません。数字や規則は文字のほうが早く確かめられますし、長い動画は必要な場面を探すだけで手間がかかります。
この記事では、動画に向く作業の選び方、1本の区切り方、作業する人の撮り方、置き場所と更新の決め方を順に書きます。
この記事の要点
- 動画にするのは、手の動きや音など文字で伝わらない作業から
- 1本に1作業、できあがりを先に見せて順番どおりに
- 置き場所と更新日を決め、古い手順を残さない
動画にする作業、文字のままでいい作業
最初に、社内で教えている作業を一覧にし、動画に向くものと文字のままでいいものに分けます。
| 分け方 | 作業の例 | 向く形 |
|---|---|---|
| 手の動きで覚える | 梱包、包丁の入れ方、配線のまとめ方 | 動画 |
| 速さや力の加減がある | 生地をこねる、ねじを締める | 動画 |
| 音や見た目で判断する | 機械の音の違い、焼き色、仕上がりの艶 | 動画 |
| 数字や基準を確かめる | 温度、寸法、薬剤の量 | 文字(動画ではテロップで補う) |
| よく変わる決まり | 取引先ごとの納品ルール、価格 | 文字 |
| 判断が分かれる例外 | 「この場合はこうする」が多い作業 | 文字で条件ごとに書く |
例えば、飲食店の開店準備なら、フライヤーの油の替え方や盛り付けは動画に向き、仕込みの量の表や食材の発注ルールは文字のほうが向いています。倉庫の出荷作業なら、箱の組み方と緩衝材の詰め方は動画に、配送会社ごとの締め時間は一覧表に、という具合です。
ベテランの「場合による」が多い作業は、動画にする前に条件を書き出しておくと整理しやすくなります。その書き出し方は、こちらの記事にまとめています。
あわせて読みたいAIに社内データを覚えさせる資料の整え方。ナレッジ整理は1枚1テーマから1本に1作業。できあがりから見せる
開店準備のように大きな作業を1本にすると、見る人は途中の1か所を探すのに苦労します。作業を、ひとまとまりで終わる単位まで分けてから撮ります。
1本の中身は、次の順にそろえると見やすくなります。
- できあがり:作業が終わった状態を最初に数秒見せる
- 使うもの:道具や材料を並べて見せる
- 手順:順番どおりに、1つの動きを1つの場面にする
- よくある間違い:新人がつまずく所と、そうなったときの直し方
- 確かめ方:終わったあと、何を見ればできたと言えるか
できあがりを先に見せるのは、見る人が「どこに向かっているか」を知ってから手順を追えるようにするためです。よくある間違いは、教える側が当たり前だと思っている所ほど抜けやすいので、新人に「どこで迷ったか」を聞いてから足すと漏れが減ります。
ファイル名には番号と作業名を入れ、「03_フライヤーの油を替える」のように並べておくと、教える順番がそのまま一覧になります。

新人さんが動画を見ながら、ひとりで最後までできた日。教える側も、あれは最高にうれしいんですよ。
作業する人の目線と手元を撮る
撮影でいちばん大事なのは、ベテランに説明させず、いつもどおりの速さで作業してもらうことです。話しながらだと手が止まり、普段とは違う動きになります。説明は、撮ったあとに声やテロップで足します。
- 01いつもどおりに作業してもらう説明は求めず、普段の速さで1回通してもらう
- 02作業する人の肩越しから撮る見る人が自分の手として追える位置にする。正面からだと左右が逆に見える
- 03手元に寄って撮り直す細かい動きや力の入れ方は、同じ所をもう一度寄りで撮る
- 04何を見ていたかを聞く「今どこを見て次に進んだか」を聞き、その答えを声やテロップにする
- 05数字と注意を文字で足す温度や量、危ない所はテロップで画面に残す
肩越しの位置は、作業する人の目線に近いので、見る人が自分の手元として受け取りやすくなります。撮る向きは見る場所で決めます。現場でスマホを片手に見るなら縦、研修室の画面で見るなら横が合います。スマホでの撮り方の基本は、こちらにまとめています。
あわせて読みたいスマホで縦型動画を撮るコツ。画角・光・音・手ブレの基本をまとめて置き場所と更新を決め、古い手順を残さない
作った動画は、見たいときにすぐ開ける場所に置きます。作業場所の近くにQRコードを貼っておけば、迷ったその場で手順を確かめられます。

棚の横に1台タブレットを置いておくのもおすすめです。手が汚れていても、指先ひとつで見返せるので。
置き場所を選ぶときは、誰が見られるかを確かめておきます。例えば YouTube の「限定公開」は検索には出ませんが、YouTubeのヘルプでは、リンクを知っている人なら誰でも見られ、さらに共有もできると説明されています(2026年10月時点)。社外に出したくない手順は、会社のアカウントで見る人を絞れる共有ドライブなどに置くほうが安心です。
もう1つ決めておきたいのが、更新のルールです。
- 動画ごとに持ち主を決める(その作業をいちばん知っている人)
- タイトルや一覧に、撮った日を書いておく
- 手順や道具が変わったら、その1本だけ撮り直す
- 古い版は残さず、一覧から外す
1本に1作業で分けておけば、変わった所だけ撮り直せます。長い1本だと、1か所変わっただけで全体を作り直すことになります。

手順が変わったのに古い動画が残っていて、新人さんがそっちを見て覚えてしまう。これ、本当によくあるんです。
見たかどうかの確認は、再生した回数より、先輩の前で一度やってみせてもらうほうが確かです。動画は覚えるための道具で、できたかどうかは現場で確かめます。
マニュアル動画づくりを、HEART CREATIONと
手順の動画は、作業を止めずに撮ること、あとから社内で撮り足せる形にしておくことで差がつきます。HEART CREATIONでは、こんなところからお手伝いしています。
- どの作業を動画にするかの整理から、撮影・編集まで同じチームで引き受ける
- 撮影の手順と編集のルールを渡し、社内で撮り足せるように少しずつ関与を減らしていく
- 撮影は東京・横浜を拠点に、全国の現場へ出張で伺う
初回のご相談は無料で、オンラインで60分お話しできます。「何から動画にすればいいか分からない」段階でも大丈夫です。ご相談はこちらから。

現場の撮影は任せてください。作業の手を止めずに撮る段取りから、一緒に組みます。
よくある質問
マニュアル動画は、1本何分くらいにすればいいですか?
時間で決めるより、1本で1つの作業が終わる長さにするのがおすすめです。大きな作業は、ひとまとまりで終わる単位まで分けてから撮ると、見たい場面を探しやすく、手順が変わったときも撮り直しが少なくてすみます。
研修動画はスマホで撮っても大丈夫ですか?
大丈夫です。手元に寄れて、明るさが足りていれば、手順を伝える動画には十分です。作業する人の肩越しから撮り、細かい所は寄りで撮り直すと見やすくなります。
社内のマニュアル動画を YouTube の限定公開に置いてもいいですか?
限定公開はリンクを知っている人なら誰でも見られ、共有もできる設定です(2026年10月時点のYouTubeヘルプ)。社外に出したくない手順は、会社のアカウントで見る人を絞れる場所に置くほうが安心です。
マニュアル動画を作っても、見てもらえないときはどうすればいいですか?
作業場所の近くにQRコードを貼る、教える順番に番号を振った一覧を渡すなど、迷ったその場で開ける形にしてみてください。見たあとに先輩の前で一度やってもらう流れにすると、動画を使う理由がはっきりします。
