撮りためた動画が、担当者のスマホとパソコンと外付けのハードディスクにばらばらで、使いたいときに見つかりません。

撮影から戻ったら、荷物を片づける前に素材の取り込み。これを決まりにするだけで、かなり変わりますよ。
ショート動画を続けていると、素材は毎週のように増えていきます。担当者のスマホ、編集する人のパソコン、外付けのハードディスク、個人のクラウド。撮った瞬間から、素材はあちこちに散らばり始めます。
困るのは、たいてい次の3つです。消えてしまう。あるはずなのに見つからない。いつまで持っていればいいのか分からず、消せない。どれも撮影や編集の腕とは関係なく、置き場所と名前と期間を決めていないことから起きます。
この記事では、素材がなくなる典型、置き場所の分け方、名前の付け方、残す期間の決め方を順に書きます。
この記事の要点
- 置き場所は「取り込み・作業中・保管」の3段に分ける
- 名前は日付から始め、案件と場面を同じ順で並べる
- 残す期間は、素材の種類と写っている人の了解で決める
素材がなくなる、見つからない典型
まず、よく起きることと、その原因を並べてみます。
| 起きること | 原因 | 防ぎ方 |
|---|---|---|
| 担当者のスマホにしか残っていない | 取り込む決まりがない | 撮った日に会社の置き場所へ移す |
| 退職した人の素材が開けない | 個人のアカウントに置いていた | 置き場所は会社名義のものだけにする |
| ハードディスクが壊れて全部消えた | 1か所にしか置いていない | 別の場所にもう1つ写しを置く |
| 名前が「IMG_1234」で探せない | 名前の決まりがない | 日付と案件をフォルダ名に入れる |
| 編集データを開くと素材が見つからない | 素材だけ別の場所へ動かした | 素材と編集データを同じフォルダに置く |
| 何でも残して容量が足りない | 消す決まりがない | 種類ごとに残す期間を決める |
例えば、美容室で担当者が交代でスタイルの動画を撮っている場合、撮った人ごとのスマホに素材が残り、半年後に「あのお客さんの動画」を探すと誰も見つけられない、ということが起きます。
置き場所は「取り込み・作業中・保管」の3段に
素材の置き場所は、1つのフォルダに全部入れるより、素材の段階で3つに分けると迷いません。
- 01取り込み撮った日のうちに、カメラやスマホから会社の置き場所へ全部コピーする。スマホから消すのは、2か所に入ったのを確かめてから
- 02作業中編集するときは、案件ごとのフォルダに素材と編集データを一緒に入れる
- 03保管公開が終わったら、使った素材・完成品・同意書などの書類を案件ごとにまとめて保管の場所へ移す
案件ごとのフォルダの中は、毎回同じ並びにしておきます。
- 01_元素材(撮ったままの映像と写真)
- 02_編集データ(編集アプリのデータ、テロップの文字)
- 03_完成(公開した動画と、媒体ごとの版)
- 04_書類(出演の同意書、音楽や素材の使用条件)
もう1つ決めておきたいのが、写しの置き方です。会社の共有ドライブだけ、外付けのハードディスクだけ、と1か所にしておくと、壊れたり間違えて消したりしたときに戻せません。よく言われる考え方に「3つの写しを、2種類の置き方で、1つは離れた場所に」というものがあります。少なくとも、会社の置き場所とは別の機器やサービスに、もう1つ写しを置いておきます。

ハードディスクが1台壊れて、3年分の素材がまるごと消える。想像するだけで、どんよりしますよね。
編集を外に頼んでいるときは、完成品だけでなく、元素材と編集データをどこに返してもらうかも決めておきます。外注するときに渡すものと受け取るものは、こちらにまとめています。
あわせて読みたいショート動画の編集は外注か内製か。判断の軸と、工程の切り分け方名前の付け方は、日付から始める
名前の決まりは、全員が迷わず同じ名前を付けられることがいちばんです。おすすめは、日付・案件・場面・番号の順に並べる形です。
| 付けるもの | 例 | 決めておくこと |
|---|---|---|
| フォルダ | 20261022_新商品 | 日付は西暦8桁で先頭に置く |
| 元素材 | 20261022_新商品_手元_01 | 場面の呼び方を一覧にしておく |
| 完成品 | 20261030_新商品_リール_v2 | 媒体名と版の番号を付ける |
日付を西暦8桁で先頭に置くと、名前順に並べるだけで撮った順になります。区切りの記号は1種類にそろえ、スペースは入れないほうが、別のパソコンやサービスに移したときに崩れにくくなります。案件名は、社内で呼んでいる名前と同じにしておくと、検索したときに思い出しやすくなります。
すべてのファイル名を付け直すのは手間がかかります。元素材はカメラやスマホが付けた名前のままにして、フォルダ名だけを決まりどおりにする、というやり方でも十分に探せるようになります。
あわせて、案件ごとに1行の素材の一覧を作っておくと便利です。撮った日、案件、場所、写っている人、了解の範囲、使った投稿。この6つが並んでいれば、「去年の春に撮った、あの店の外観」を一覧から引けます。

名前の決まりさえ作っておけば、あとは検索ひとつで出てきます。探す時間がなくなると、気持ちに余裕ができますよ。
残す期間は、種類と了解で決める
素材は「念のため全部残す」と、容量が足りなくなるうえ、いつか持っていてはいけないものまで抱えることになります。種類ごとに、残す期間の考え方を決めておきます。
| 種類 | 残す期間の考え方 |
|---|---|
| 完成品 | 公開している間と、実績として見せる間。出演の了解の範囲内で |
| 二度と撮れない素材 | 工事前の建物、閉店した店、創業者の話など。長く残す |
| 使った元素材 | 作り直しや別の版を作る可能性がある間 |
| 使わなかった失敗の素材 | 公開から一定の期間で消す |
| 同意書・使用条件の書類 | その素材が残っている限り、一緒に残す |
人が写っている素材は、とくに期間を決めておきたいものです。特定の人が分かる映像は、個人情報保護法の「個人情報」に当たることがあります。同じ法律の第22条には、個人データについて、利用する必要がなくなったときは遅滞なく消去するよう努める、という定めもあります。出演の了解の期間が終わった素材や、退職した社員が写っている素材は、残すか消すかを見直します。退職した社員の映像の扱いは、こちらの記事にまとめています。
あわせて読みたい社員がショート動画に出演するときの注意点。同意の取り方と退職後の扱い年に1回、決まった時期に棚卸しの日を作り、期間を過ぎた素材を消します。古いパソコンやハードディスクを処分するときは、中のデータを復元できない形で消してから手放します。
素材の片づけも、HEART CREATIONと
素材の置き場所と名前の決まりは、撮影と編集の流れに組み込んでおくと続きます。HEART CREATIONでは、こんなところからお手伝いしています。
- 企画・撮影・編集・運用を、分業せずに同じチームで引き受ける
- 撮影の手順と編集のルールを、社内で回せる形にして渡していく
- 拠点は東京・横浜、打ち合わせはオンラインで全国に対応する
初回のご相談は無料で、オンラインで60分お話しできます。「素材がばらばらで、何から手をつければいいか分からない」段階でも大丈夫です。ご相談はこちらから。

2年前の素材から、今ちょうど欲しいカットがすぐ出てくる。片づけておくと、こういういいことがあるんです。
よくある質問
撮影した動画データは、どこに保存すればいいですか?
会社名義の共有ドライブなど、担当者が替わっても開ける場所に置きます。そのうえで、別の機器やサービスにもう1つ写しを置いておくと、壊れたり間違えて消したりしたときにも戻せます。
動画素材のファイル名は、どう付ければいいですか?
日付を西暦8桁で先頭に置き、案件・場面・番号の順に並べる形がおすすめです。全部付け直すのが大変なら、フォルダ名だけでも決まりどおりにすると探しやすくなります。
使わなかった動画素材は、いつ消せばいいですか?
「公開から一定の期間」のように社内で決めておき、年に1回の棚卸しの日にまとめて消します。工事前の建物や閉店した店など、二度と撮れない素材は分けて長く残すと安心です。
退職した社員が写っている動画素材は、残しておいてもいいですか?
出演の了解の範囲と期間を確かめ、残すか消すかを見直します。特定の人が分かる映像は個人情報に当たることがあるので、使う予定がなくなったものは持ち続けないのが基本です。
