PCで見るときれいなサイトなんです。なのに、問い合わせがほとんど来なくて。

まず手元のスマホで、自社のサイトを開いてみてください。話はそこからなんです。
会議室の大きな画面で見ると、写真も配置も整っている。ところが、お客さんが実際に見ているのは、電車の中や休憩中に片手で持ったスマホの画面です。そこで文字が小さすぎたり、ボタンが押しにくかったりすると、内容を読む前に閉じられてしまいます。
スマホ前提のサイトとは、PCのページを小さく並べ直したものではありません。縦に1列、片手の親指、細切れの時間。この3つを前提に、何をどの順で見せるかを先に決めたサイトです。PCの画面は、そのあとで広げて整えます。
この記事では、スマホ前提で作る理由、PCで作ったサイトが崩れやすい場所、親指で届く作り、文字と画像の扱い、公開前と公開後の確かめ方を扱います。LPの1画面目の言葉や、問い合わせフォームの作りは、それぞれ別の記事にまとめています。
この記事の要点
- PCを縮めるのではなく、スマホの1列から順番を決める
- 電話・予約・LINEのボタンは、親指が届く場所に置く
- 社内のWi-Fiではなく、外で実機を使って確かめる
スマホで先に組むと、何が変わるのか
PCの画面では、左に写真、右に説明、横に3つのサービス紹介、と横に並べて見せられます。同じページをスマホで見ると、横に並んでいたものが全部縦に積まれます。どの順で積まれるかは、作る側が決めておかないと、たまたまの順番になります。
例えば、地域の歯科医院のサイトで、PCでは「院長あいさつ」「診療案内」「アクセス」が横に並んでいたとします。スマホでは院長あいさつの長い文章が先に来て、診療時間や地図ははるか下。急に歯が痛くなって調べた人が知りたいのは、今日開いているかと、どこにあるかです。
スマホから組むときは、「この画面を開いた人が最初に知りたいことは何か」を上から順に並べ、そのあとでPCの広い画面に配置し直します。順番の判断を、狭いほうの画面で先に済ませるわけです。
検索の面でも、スマホ版が基準になっています。Googleは、スマホ版のページの内容をもとに検索の登録と順位づけをする「モバイルファーストインデックス」への移行を、2023年10月に完了したと公式ブログで発表しました。スマホで見せていない内容は、検索でも無いものとして扱われやすいということです。スマホで情報を減らしたいときも、削るのではなく、タップで開く折りたたみに収めるよう案内されています。
PCで作ったサイトがスマホで崩れやすい場所
PCを基準に作ったサイトをスマホで開くと、だいたい同じところでつまずきます。
| 崩れやすい場所 | スマホで起きること | 直し方 |
|---|---|---|
| 料金表・比較表 | 横にはみ出し、指で横にずらさないと読めない | 項目ごとのカードに分けて縦に並べる |
| 画像に入れた文字 | 小さくて読めない。拡大しないと分からない | 文字は画像に入れず、本文の文字で書く |
| 並んだ小さいリンク | 隣のリンクを押してしまう | 押せる範囲を広げ、間をあける |
| 上に固定したヘッダー | 画面の上の大部分が常にふさがる | 固定するなら薄く。スクロールで隠れる作りも |
| 開いてすぐのポップアップ | 閉じるボタンが小さく、本文が見えない | 開いた直後には出さない |
| 電話番号の文字 | 押しても電話がかからない | 押すとそのまま発信できるリンクにする |
なかでも見落とされやすいのが、画像に入れた文字です。チラシのデータをそのまま画像で貼ると、PCでは読めてもスマホでは米粒のような大きさになります。検索にも文字として読まれません。

料金表が横にはみ出して、指で横にずらさないと読めない。これ、本当によく見るんですよ。
片手の親指で届く作りにする
スマホを片手で持ったとき、親指が楽に届くのは画面の下半分です。左上の隅は、持ち替えないと届きません。メニューのボタンを左上に置くのは、PCの習慣をそのまま持ち込んだ形です。
押してほしいボタンほど、親指の届く場所に置きます。地域のお店や医院なら、「電話する」「予約する」「LINEで相談」のどれか1〜2つを、画面の下に固定で出しておく方法があります。どこまで読み進めても、押したくなった瞬間に指の先にあるからです。
ボタンやリンクの大きさにも目安があります。Googleのページ診断ツール(Lighthouse)の説明では、押せる場所は48×48ピクセル以上、隣との間は8ピクセルほどから始めるよう案内されています(2026年10月時点)。文字のリンクが2つ3つ続けて並んでいる場所は、指で押し分けにくいので、ボタンにするか行を分けます。
メニューは、三本線のボタンに全部しまい込むと、何があるサイトなのかが見えなくなります。いちばんよく使われる2〜3項目だけは、しまわずに画面に出しておくと迷われません。

画面の下に「電話する」が付いてるだけで、片手で全部済むんです。これは効きますよ。
文字は読める大きさに、画像は軽く
文字は、拡大しなくても読める大きさにします。1段落も短めに区切ります。PCでは5行の段落が、スマホでは十数行の塊になり、読む前に疲れさせます。
画像は、見た目だけでなく重さも見ます。一眼レフで撮った写真を縮めずに何枚も載せると、外の通信では表示に時間がかかります。開くのを待たされた人は、内容を見る前に戻ります。
表示の速さについては、Googleが「Core Web Vitals」という目安を出しています。いちばん大きな画像や文字が表示されるまで2.5秒以内、押してから画面が反応するまで200ミリ秒以下、読み込み中に画面がずれる量(CLS)は0.1以下が「良好」とされています(2026年10月時点)。数字を追うより、「押そうとしたボタンが、あとから出た画像でずれる」といった場面を一つずつ直すほうが早く進みます。
公開前と公開後の確かめ方
スマホで見やすいかどうかは、PCのブラウザで画面を細くして眺めるだけでは分かりません。指で押す感覚と、外での通信の速さが抜け落ちるからです。
- 01実機で開くiPhoneとAndroidの両方で、社内の人の手持ちの機種で開く
- 02外の通信で開く社内のWi-Fiを切り、駅や移動中に開いて表示の速さを見る
- 03片手で操作する電話・予約・地図のボタンを、片手の親指だけで押してみる
- 04文字を大きくして見るスマホの文字サイズの設定を大きくしても、文字が重なったり切れたりしないか確かめる
- 05数字で見るアクセス解析で、スマホから来た人の割合と、スマホとPCで問い合わせの割合に差がないかを見る
最後の数字は、スマホとPCの差を見るのがポイントです。PCからの問い合わせの割合に比べてスマホが極端に低ければ、スマホのどこかで止まっていると考えられます。アクセス解析のどこを見ればいいかは、こちらにまとめています。
あわせて読みたいGA4の見方、初心者はまずここだけ。最低限見ておく4つの数字
社内の速いWi-Fiじゃなくて、帰りの電車でゆるっと開いてみてください。サイトの本当の姿が見えますよ。
問い合わせの直前で止まっている場合は、フォームの作りも一緒に見直します。
あわせて読みたい問い合わせフォームの離脱を減らす。項目の削り方と入力しやすい作りスマホ前提のサイトづくりでお手伝いできること
- 今のサイトをスマホの実機で一緒に開き、つまずく場所を洗い出すところから
- コーポレートサイトの制作(目安は2〜3か月)、LPの制作(目安は6週間)。どちらも修正2回込み
- SNSや動画から来た人が、スマホのまま問い合わせや予約まで進めるつながりの設計と、計測の準備
- サイトに人を連れてくる縦型動画・SNS運用・広告まで、同じチームで
このサイト(heart-creation.com)も、人の手で設計・制作しています。初回のご相談は無料で、オンライン60分でもお受けしています。サービスの一覧もあわせてご覧ください。

スマホで開いて「あれ?」と思った画面、そのまま見せてください。そこから一緒に直していきましょう。
よくある質問
レスポンシブデザインとは何ですか?
1つのページを、見る画面の幅に合わせて並べ方を変えて表示する作り方です。URLもページの中身も1つなので、スマホ用とPC用を別に管理する手間がかかりません。Googleもこの作り方を推奨しています。
スマホ用とPC用で、別々のサイトを作ったほうがいいですか?
今から作るなら、1つのサイトを画面の幅で出し分ける作り方で足りることがほとんどです。別々に作ると、更新のたびに両方を直す手間がかかり、内容がずれる原因にもなります。
ハンバーガーメニュー(三本線のボタン)は使わないほうがいいですか?
使ってかまいません。ただ、全部をしまい込むと何があるサイトか分かりにくくなります。よく使われる2〜3項目と、電話や予約のボタンは、しまわずに画面に出しておくと迷われにくくなります。
古いサイトがスマホに対応していません。作り直すしかありませんか?
作りによっては、今のサイトのまま見た目の指定を足して対応できることもあります。ただ、画像に文字を入れたページが多い、更新の仕組みが古いといった場合は、作り直したほうが早く済むことがあります。まず今のサイトの作りを確かめてから決めます。
スマホでの見え方を、PCで確かめる方法はありますか?
ブラウザの開発者向けの機能で、画面の幅をスマホの大きさにして表示できます。ただ、指で押しやすいか、外の通信で速く開くかまでは分からないので、最後は実機で確かめてください。
