Web広告を出してみようと思うんですが、SNS広告とリスティング広告、どっちがいいんでしょう?

どっちが上か、じゃないんですよ。「お客さんが今どこにいるか」で選ぶものなんです。
Web広告を始めようとすると、最初に出てくるのがこの二択です。インスタやFacebookに出す広告と、Googleなどの検索結果に出る広告。どちらも同じ「Web広告」の棚に並んでいるので、比べて良いほうを選べばいいように見えます。
ただ、この2つは届く相手が根本から違います。リスティング広告は、検索窓に言葉を打ち込んだ「いま探している人」に出る広告。SNS広告は、タイムラインを眺めている「まだ探していない人」に割り込む広告です。同じ予算をかけても、出会う人の状態がまるで違うので、得意なことも、うまくいかないときの理由も変わります。
この記事では、2つの役割の違いを表で整理したうえで、それぞれの得意・不得意、業種ごとにどちらから手をつけるかの考え方を書いていきます。
この記事の要点
- リスティングは「探している人」に、SNSは「まだの人」に出る
- 比べるより、お客さんの今の状態で選ぶ
- SNSで知った人が、あとで検索する流れもある
ひとことで言うと、出会う人の「状態」が違う
まず全体像です。細かい仕様より先に、この違いを押さえておくと判断がぶれません。
| リスティング広告(検索広告) | SNS広告 | |
|---|---|---|
| 出る場所 | 検索結果の画面 | タイムライン・ストーリーズ・リールなど |
| 出会う人 | その言葉で検索した人 | 興味や行動から選ばれた人 |
| 相手の状態 | すでに困っている・探している | まだ必要だと気づいていない |
| 主役になるもの | 検索される言葉と広告文 | 画像・動画 |
| 得意なこと | 今すぐの問い合わせ・予約 | 知ってもらう・欲しくなってもらう |
| 苦手なこと | 検索されないものは売れない | 今すぐ買う人だけを集めること |
リスティング広告は、検索された言葉に合わせて広告を出します。「エアコン クリーニング 横浜」と打った人は、ほぼ間違いなくエアコンの掃除を頼む先を探しています。相手のほうから手を挙げてくれている状態です。
SNS広告は、言葉を待ちません。年齢や地域、興味のありそうな分野などから、届けたい人を選んで出します。見る人は友だちの投稿や好きなアカウントを眺めている途中で、広告を探しに来たわけではありません。だからこそ、目を止めてもらうところから始める必要があります。
リスティング広告が得意なこと、苦手なこと
リスティング広告のいちばんの強みは、見る人の「温度」が高いことです。検索するという行動そのものが、関心の証明になっています。水漏れ、鍵の紛失、害虫、急な葬儀のように、困った瞬間に検索される商売とは特に相性がいい。
一方で、苦手もはっきりしています。
- 検索されない商品は、そもそも広告を出す場面がない
- 「名前が知られていない新しいもの」は、誰も検索しない
- 同じ言葉を狙う競合と、同じ画面で横並びになる
例えば、地元の工務店が新しく始めた「平屋の小さな家」のプランを広めたいとします。「平屋 建てたい」と検索する人には届きますが、まだ家を建てるつもりのない若い夫婦には届きません。検索の外にいる人は、リスティング広告からは見えない存在です。

「お客さんならどう検索する?」と社内で聞くと、意外とみんな違う言葉を打つんですよ。ちょっと笑っちゃいますよね。
SNS広告が得意なこと、苦手なこと
SNS広告が得意なのは、「まだ探していない人」に存在を知らせることです。写真や動画で見せられるので、言葉にしにくい魅力、例えば料理の湯気やネイルの色合い、職人の手元の動きが伝わります。見た人が「こういうのがあるのか」と気づくところから、需要そのものを生み出せます。
新しい商品、見て分かる商品、地域の人にまず存在を知ってほしい店。こうしたものは、検索を待っていても見つけてもらえないので、SNS広告のほうが向いています。
苦手なのは、すぐに成果を求められる場面です。見た人の多くはまだ買う気がないので、広告を見てその場で申し込む人は、検索広告より少なくなりがちです。SNS広告を出して「1週間で問い合わせが来ない」と止めてしまうのは、役割を取り違えているケースが少なくありません。

言いにくいんですが、SNS広告に「今週の売上」を求めると、だいたいがっかりします。物差しを変えてください。
もう一つの注意点は、絵と動画が成果を大きく左右することです。同じ相手に同じ予算で出しても、目を止められる素材かどうかで結果が変わります。リスティング広告が「言葉選びの勝負」だとすれば、SNS広告は「素材の勝負」に近い。広告を出す前に、素材を用意する手間を見込んでおく必要があります。
どちらから始めるか。業種ごとの考え方
うちの場合は、結局どっちから始めればいいですか?
決め手は「お客さんが自分で検索してくるかどうか」です。いくつかの業種で考えてみます。
| 業種・商品の例 | お客さんの動き | 先に向くのは |
|---|---|---|
| 水まわり修理・鍵の救急 | 困った瞬間に検索する | リスティング |
| 税理士・行政書士 | 必要になってから比較検索する | リスティング |
| カフェ・パン屋の新店 | 見かけて気になったら行く | SNS |
| 美容室・ネイルサロン | 写真で選び、名前で調べる | SNSから入り、検索も押さえる |
| 新しいサービス・新商品 | まだ誰も名前を知らない | SNS |
| 注文住宅・リフォーム | 長く迷い、何度も調べる | 両方を時期で使い分ける |
検索されるのを待てる商売なら、まずリスティング広告で「今すぐの人」を取りこぼさないようにする。検索される前の段階をつくる必要がある商売なら、SNS広告で知ってもらうところから始める。この順で考えると、迷いが減ります。
片方だけで終わらせない。SNSで知り、検索で選ぶ
実際のお客さんの動きは、どちらか一方で完結しないことが多いです。インスタの広告で駅前の焼き菓子店を知った人が、その場では何もせず、週末に店の名前で検索して営業時間を確かめてから行く。こうした流れはよくあります。
この場合、SNS広告は「名前を覚えてもらう」役、検索は「最後に確かめる」役を担っています。SNS広告の成果を広告の画面の数字だけで判断すると、検索に回った人の分が見えません。広告を出す前と後で、店名や社名での検索が増えているかもあわせて見ておくと、SNS広告の働きが見えやすくなります。再生数と売上のずれについては、別の記事で詳しく書いています。
あわせて読みたい再生数と売上が比例しない理由。バズっても売れない動画のずれ逆に、リスティング広告だけで回している会社が頭打ちになるのは、検索してくれる人の数そのものに上限があるからです。検索する人を増やすには、検索の外にいる人に知ってもらうしかありません。そこでSNS広告の出番が来ます。
広告の「役割分け」から、一緒に考えます
どちらの広告を選ぶかは、何を増やしたいかと、お客さんがどう動くかで決まります。HEART CREATIONでは、広告の種類を先に決めるのではなく、増やしたい数字から逆算して考えます(サービス一覧)。
- 増やしたい数字(問い合わせ・来店・応募など)を最初に決める
- 検索とSNS、どちらから始めるかを業種とお客さんの動きから整理する
- SNS広告に使う縦型動画の企画・撮影・編集も、同じチームで担当
- 広告の先のLPと計測の仕組みまでまとめて設計する
「そもそも広告を出すべきか」という段階のご相談も歓迎です。初回のご相談は無料で、オンライン60分でも承ります(ご相談はこちら)。

「どっちにしよう」の段階で十分です。お客さんの動きを聞かせてもらえたら、一緒に整理しますね。
よくある質問
リスティング広告とは何ですか?
Googleなどの検索結果に、検索された言葉に合わせて表示される広告です。検索広告とも呼ばれます。すでに何かを探している人に届くので、今すぐの問い合わせや予約につながりやすいのが特徴です。
SNS広告は意味がないと言われるのはなぜですか?
見る人の多くがまだ買う気のない状態なので、その場の申し込みだけで判断すると成果が小さく見えるからです。名前を覚えてもらう、欲しくなってもらうといった役割で見ると、評価が変わることがあります。店名での検索の増え方などもあわせて確認してください。
小さな店でも、SNS広告とリスティング広告の両方をやるべきですか?
最初から両方でなくてかまいません。お客さんが自分で検索してくる商売ならリスティング広告から、見て気になってもらう商売ならSNS広告から始めるのが考えやすい順番です。片方で手応えが出てから広げても遅くありません。
BtoBの会社にはどちらの広告が向いていますか?
課題がはっきりしていて検索されやすいサービスなら、リスティング広告が向いています。まだ名前の知られていない新しいサービスや、課題に気づいてもらうところから始める必要がある場合は、SNS広告で知ってもらう役割も検討してください。
