英会話教室です。受講生の「3か月で点数が大きく上がった」という声を、広告の真ん中に置きたいんです。

お客さんの声をもらえるのは、本当にありがたいことです。だから広告に使うときは、扱いを丁寧にしたいんですよ。
広告に「お客様の声」を載せると、作り手の言葉より信じてもらいやすくなります。チラシ、LP、動画広告のどれでも、体験談は強い材料です。
ただ、広告に載せた体験談は、お客さんの個人的な感想では終わりません。見る人は「この会社がそう言っている」と受け取り、景品表示法の表示として扱われます。この記事では、消費者庁の資料に沿って、広告で体験談を使うときの線引きを整理します。実績ページの作り方は実績・お客様の声の載せ方の記事で書いているので、ここでは広告に使う場面に絞ります。
この記事の要点
- 体験談を見た人は「だいたいの人に効果がある」と受け取る
- お客さんから届いた声や社員の声は、効果の根拠にならない
- 効果を語る声には、人数と割合、併用した条件を添える
広告に載せた体験談は、会社が言ったことになる
消費者庁が2018年に出した「打消し表示に関する表示方法及び表示内容に関する留意点」では、体験談を見た人は「大体の人が効果を得られる」と受け取り、「個人の感想です」の注意書きに気づいてもその受け取り方はほとんど変わらない、と整理しています。
さらに、広告で効果をうたいながら「効果、効能を表すものではありません」と添える表示は、効果をうたっていることと矛盾していて意味をなさない、ともしています。表示は全体で判断されるので、体験談で語られた効果は、会社がうたった効果と同じに扱われると考えておきます。
冒頭の英会話教室なら、「3か月で点数が大きく上がった」という声を大きく載せた時点で、見る人は「ここに通えば、だいたい3か月で点数が上がる」と受け取ります。その受け取り方が実際と合っているかが問われます。
不当表示のおそれがある体験談の使い方
健康食品の広告についての消費者庁の留意事項などでは、体験談を不適切に使う場合は不当表示に当たるおそれがあるとされています。整理すると、次のような使い方です。
| 使い方 | 見る人に起きること |
|---|---|
| 体験談をねつ造する。本人が言っていない強い言葉に書き換える | ない効果を信じる |
| 効果があった一部の声だけを選んで並べる | 誰でもそうなると思う |
| 効果が出なかった人が相当数いるのに、効果の声を載せる | 自分も効果が出ると思う |
| 毎日の自習など、併用が必要なことを書かない | 通うだけで同じ結果になると思う |
| 特定の条件の人しか効果が出ないことを書かない | 自分にも当てはまると思う |
体験談のほかに、「誰でも上達」のような表示で誤認が起きている場合は、本物の体験談を使っていても問題は変わりません。その場合の体験談は、誤認を強める役になってしまうとされています。

「この声、誰から、どうやって集めましたか?」って聞かれて、すぐ答えられます?そこから確かめてみてください。
お客さんの声は、効果の「根拠」にはならない
効果や性能をうたう広告には、裏づけとなる合理的な根拠が求められます(不実証広告規制)。消費者庁の指針とQ&Aでは、体験談やモニターの意見を集めた調査を根拠にするなら、無作為に相当数を選ぶなど、統計的に客観性が確保されている必要があるとしています。そのうえで、次の調査は根拠と認められない例に挙がっています。
- 社員やその家族など、利害関係のある人の体験談を集めた調査
- お客さんから送られてきた体験談だけをもとにした調査(効果がなかった人と比べられない)
- 広い地域で売る商品について、一部の地域の少数のモニターだけで行った調査
つまり、「届いた感謝の声がこれだけある」は、効果をうたう根拠にはなりません。効果をうたうなら、根拠の資料を先にそろえ、体験談はそれを分かりやすく伝える役にとどめます。
効果を語る声を載せるなら、添えること
先の留意点では、体験談で誤認を招かないために、事業者が行った調査の次の内容を明瞭に示すべきだとしています。
- 調べた人の数と、その属性
- 体験談と同じような効果が出た人の割合
- 同じような効果が出なかった人の割合
あわせて、食事療法や運動療法のように併用が必要なことや、特定の条件の人にしか効果が出ないことがあるなら、それも明瞭に示す必要があるとされています。英会話教室なら「週2回の受講に加えて毎日30分の自習をした人の例」と書き、同じ期間で点数が上がった受講生の割合を添える形です。
割合を示せるデータがないなら、効果を語る声は広告の主役にしない。代わりに、教え方が分かりやすかった、予約が取りやすい、といった体験の中身についての声を選びます。

点数の声より「最初の授業で緊張がほどけた」みたいな声のほうが、始めるか迷ってる人には効くんです。うれしい発見ですよ。
広告に載せる前に確かめる5つ
体験談を1本の広告に入れる前に、次の順で確かめます。
- 01実在と本人の言葉実在するお客さんの、本人の言葉か。強い言葉に書き換えていないか
- 02時期と中身いつの体験で、そのとき何をしたか(回数・期間・併用したこと)
- 03割合同じような結果が出た人と出なかった人の割合を示せるか
- 04選び方効果があった声だけを選んでいないか
- 05了解と依頼の有無広告に使う了解があるか。投稿を頼んだり、お礼を渡したりしていないか
最後の点は、ステルスマーケティングの規制とも関わります。依頼した感想や、好意的な声だけを選んだ載せ方の考え方は、こちらで書いています。化粧品や健康食品なら、体験談にも薬機法などの決まりがかかります。
あわせて読みたいステマ規制とPR表記の書き方。広告主が押さえる線引きと表示の位置お客様の声を、広告で正しく生かす
体験談は、事実に合わせて使えば、迷っている人の背中を押す材料になります。HEART CREATIONでは、こんなところからお手伝いしています。
- 広告の企画・撮影・編集から配信、行き先のLPまでを同じチームで引き受ける
- 申込みや来店など、広告の先で増やしたい数字を最初に決める
- 動画で伝えたことをLPの一行目に置き、どの声を見て申し込んだかを測れるようにする
表示が法的に問題ないかの最終判断は専門家の領域ですが、「どの声をどう見せるか」の相談は、初回無料で承ります。オンライン60分でも大丈夫です。

手元にある声を、一度ぜんぶ並べてみてください。広告の主役になれる声、意外と見つかりますよ。
よくある質問
社員や家族の体験談を、広告に使ってもいいですか?
社員やその家族など利害関係のある人の体験談は、効果の根拠としては認められないとされています。載せるなら、社員であることが分かるようにしたうえで、効果をうたう材料にはしないのが安全です。
効果があった人の割合が分からないと、体験談は使えませんか?
効果を語る体験談には、調べた人数や同じような効果が出た人の割合などを示すべきだとされています。データがないなら、接客や分かりやすさなど、効果以外の体験の声を選ぶ方法があります。
体験談に添える名前や年齢を、架空のものにしてもいいですか?
実在しない人の体験談は、ねつ造に当たるおそれがあります。本人の了解を取ったうえで、イニシャルや年代など、本人が出してよい範囲で実際の情報を使います。
動画広告の中でお客さんが話す体験談も、同じように考えますか?
同じです。話している言葉も広告の表示として扱われ、見る人は大体の人に同じ効果があると受け取ります。回数や併用したことなどの条件は、文字と声の両方で伝えるようにします。
