クリエイティブの日々 No.252

「無料」も「今だけ」も、
お客さんとの約束。

「無料」「今だけ」「期間限定」の広告表示。有利誤認にならない書き方

リフォーム会社です。「見積もり無料」「今月末までキャンペーン」を毎月出しているんですが、これって大丈夫なんでしょうか。

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ご相談
古川
古川

キャンペーンは盛り上げていいんです。ただ「無料」と「いつまで」は、お客さんにとっては約束なんですよ。

「無料」「0円」「今だけ」「期間限定」「先着○名」。どれも、広告を見た人の手を止める強い言葉です。中小企業や店舗のチラシ、SNS広告、LPでもよく使われます。

一方で、これらは値段や条件についての表示です。実際より得だと思わせれば、景品表示法の有利誤認表示に当たるおそれがあります。不当表示の全体像は広告で使えない表現の記事で書いたので、この記事では「無料」「今だけ」「数量限定」の3つに絞り、消費者庁の価格表示ガイドラインとQ&Aに沿って、書くときの決まりを整理します。

この記事は一般的な情報としてまとめたものです。個別の判断は弁護士などの専門家にご確認ください。

この記事の要点

  • 「無料」の隣に、別にかかるお金と使える人の条件を書く
  • 期限を書いたら、期限の後は条件を戻す
  • 数量限定は、用意した数を明りょうに書く

「無料」「今だけ」は、取引条件の約束として読まれる

有利誤認表示は、値段やそのほかの取引条件を、実際や他社より著しく得だと思わせる表示です(景品表示法第5条第2号)。消費者庁の価格表示ガイドラインは、値段を示すときは、値段そのもの、その値段が適用される商品の範囲、適用される人の条件の3つを正確に書く必要があるとしています。

見る人がそれぞれの言葉をどう受け取るかを並べると、次のようになります。

表示見る人の受け取り方
無料・0円ほかにお金はかからない
初回無料・お試し○円2回目以降の条件も、すぐ分かる範囲にある
今だけ・○日まで期限を過ぎたら、同じ条件では頼めない
先着○名・数量限定その数は、ちゃんと用意してある

この受け取り方と実際がずれたときに、問題が起きます。

「無料」と書くなら、かかるお金と条件を隣に

ガイドラインには、「クロス張替え 1部屋○円」と表示しながら、その値段はクロスの代金だけで、施工料金を別に請求していた例が載っています。一緒に頼むのが当たり前のものに別料金がかかるのに、それを書かずに値段だけ示すと、不当表示のおそれがあるという考え方です。

「無料」も同じです。リフォーム会社の「見積もり無料」で、実は現地調査の出張費がかかる。美容室の「カット無料」が、実はカラーを頼んだ人だけ。Q&Aでも、別の商品を買った人だけがその値段で買える場合に、その条件を書かないのは不当表示のおそれがあるとされています。

古川
古川

「無料って書いてあったのに」というお電話、受けた側もつらいんです。かかるお金は先に書いておいてください。

「初回無料」「お試し○円」の後に定期的な購入や契約が続く場合は、2回目以降の値段、続く回数、解約の条件を、強調した言葉のそばで読める形にします。小さな文字で離れた場所に置いた注意書きは、読まれない前提で考えておきます。

なお、「購入者に○○を無料でプレゼント」のように、取引に付けて物を渡す企画は、景品の上限の決まりも関わります。

あわせて読みたいSNSのプレゼントキャンペーンの規約と景品の上限。景品表示法の決まり

「今だけ」「期間限定」は、期限の後に条件を戻す

期限を書いた表示は、「期限を過ぎたら、この条件では頼めない」という約束です。期限の後も同じ条件で売り続けていれば、期限内だけ得であるかのように見せたことになります。

2026年6月には、スマートフォンなどの買取サービスで、期間を区切ってSNSで告知した買取金額の上乗せキャンペーンについて、期間の後も同じかそれ以上の条件で受けられたとして、消費者庁が有利誤認の措置命令を出しています。閉店の予定がないのに長く「閉店セール」を続ける表示についても、Q&Aで不当表示のおそれがあるとされています。

古川
古川

毎月「今月末まで」だと、お客さんも慣れちゃって誰も急がないんです。言葉が効かなくなるだけなんですよ。

期限の後も続ける予定があるなら、最初から期限を書かず、いつでも頼める条件として示します。「セール後は○円に戻ります」のように後の値段を書く場合の決まりは、二重価格表示の記事にまとめています。

「先着○名」「数量限定」は、用意した数を書く

数の限定は、景品表示法の「おとり広告に関する表示」という告示で扱われています。Q&Aでは、次のような表示が不当表示とされています。

  • 実際には取引に応じる準備ができていない商品やサービスの表示
  • 用意した量がごく少ないのに、その限定をはっきり書いていない表示
  • 期間、相手、1人あたりの数が限られているのに、その内容をはっきり書いていない表示
  • 理由なく取引を断るなど、実際には売る気がない商品の表示

例えば、整体院がSNS広告で「先着○名様は初回○円」とうたうなら、その人数分の枠を実際に用意し、人数を書きます。チェーン店の共通チラシについてQ&Aでは、店ごとの数を書くのが原則で、書ききれないときは総数に加えて、店によって数が違うこと、いちばん少ない店の数、扱わない店の名前を書く必要があるとしています。

キャンペーンの告知を作る前に書き出すこと

文言を考える前に、条件を1枚に書き出しておくと、広告とLPと店頭の説明がずれません。

  1. 01無料の範囲何が無料で、何に別のお金がかかるか
  2. 02使える人初回だけ、会員だけ、別の契約をした人だけ、などの条件
  3. 03期限いつからいつまでか。期限の後はどんな条件に戻るか
  4. 04数用意した数。店舗や日ごとに違うなら、その内訳
  5. 05同じ文言広告・LP・店頭・電話で、同じ言葉で説明できるか

書き出せない条件があるなら、その言葉はまだ広告に出さない。それだけで、問い合わせの後の「話が違う」がぐっと減ります。

条件まで伝わるキャンペーンを、一緒に作ります

「無料」や「今だけ」は、事実どおりに使えば、迷っている人の一歩を後押しする言葉です。HEART CREATIONでは、こんなところからお手伝いしています。

  • 広告・LP・LINEまでを同じチームで引き受け、条件の書き方をそろえる
  • 動画で伝えたことをLPの一行目に置き、計測の設計まで含めて組む
  • 入口の言葉を変えた複数の案を同時に出し、2週間で結果を見て寄せていく

表示が法的に問題ないかの最終判断は専門家の領域ですが、キャンペーンの見せ方の相談なら、初回無料で承ります。オンライン60分でも大丈夫です。

古川
古川

条件を書いても、ちゃんと伝わる広告は作れます。肩の力を抜いて、一度ご相談ください。

HEART CREATION

企画・撮影・編集・運用・LPまで、同じチームでお引き受けしています。

よくある質問

「見積もり無料」と書いて、出張費をいただいてもいいですか?

出張費がかかるなら、「見積もり無料(出張費○円)」のように、無料の範囲と別にかかるお金を同じ場所に書きます。書かずに「無料」だけを強調すると、ほかにお金はかからないと受け取られ、有利誤認に当たるおそれがあります。

毎月キャンペーンをしているのに「今月限定」と書くのは問題ですか?

翌月も同じ条件で頼めるなら、今月だけ得であるかのように見せていることになり、不当表示のおそれがあります。続ける予定の条件は、期限を付けずにふだんの条件として示すのが安全です。

「初回無料」と書くとき、何を一緒に書けばいいですか?

2回目以降の値段、続く回数や期間、解約の方法と条件を、「初回無料」のそばで読める形に書きます。総額が分からないまま申し込まれると、取引条件の誤認につながります。

複数の店舗で「数量限定」の告知を出すときは、何を書けばいいですか?

店ごとの数を書くのが原則です。チラシに書ききれない場合は、全店の総数、店によって数が違うこと、いちばん少ない店の数を書き、扱わない店があれば店名も書くとQ&Aで示されています。

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