最近よく聞くAIインフルエンサーって、うちみたいな会社でも使えるものなんですか?

向くかどうかは、見た目より「何を言わせたいか」で決まるんですよ。
広告で見かけた人物が、実は生成AIで作られていた。そんな場面が増えて、自社でも使えないかと考える担当者の方が増えています。一方で、何ができて何ができないのかは、外から見ていてもよく分かりません。
先に要点を書くと、AIインフルエンサーは「人を雇わずに、発信の担当者を一人置く」仕組みです。休まず投稿を続けられ、切り口を変えた動画を何本も用意できます。その代わり、商品を実際に使った感想は語れません。体験そのものを売る商売には向きません。
この記事では、AIインフルエンサーがどういうものか、中身がどう作られているか、どんな会社に向いてどんな会社に向かないかを順に書きます。人のインフルエンサーとの細かな比較はここでは扱わず、「自社で使うかどうか」を決める材料に絞ります。
この記事の要点
- 生成AIで作った人物が、企業の発信を担う仕組み
- 強みは、止まらないことと本数を出せること
- 「使ってみた感想」が売りの商売には向かない
AIインフルエンサーとは、生成AIで作った「実在しない発信者」
AIインフルエンサーは、顔や姿、声を生成AIで作った実在しない人物が、SNSや広告で発信する仕組みです。見た目は実写に近いものから、アニメ、イラスト、3D、動物のキャラクターまであります。
似た言葉がいくつかあり、呼び方は人によってずれます。この記事では次のように分けて使います。
| 呼び方 | 姿 | 動かしているもの |
|---|---|---|
| VTuber | イラストや3Dのアバター | 人がその場で演じ、声も人が出す |
| バーチャルヒューマン | 3DCGで作り込んだ人物 | 制作チームが1カットずつ作る |
| AIインフルエンサー | 生成AIで作った画像・動画 | 姿も声も生成AI。台本は人が書く |
名前に「AI」と付いていても、キャラクターが自分で考えて投稿しているわけではありません。何を言うか、どの順で見せるかを決めるのは人です。ここを誤解したまま始めると「AIに任せておけば勝手に回る」と期待してしまい、しばらくすると誰も中身を見ていないアカウントが残ります。

名前に「AI」とありますけど、台本を書くのは人なんです。そこがいちばんの誤解ですね。
企業が使うと、一人に何役も持たせられる
人のタレントを起用すると、起用料や契約期間、撮影日の調整、体調、途中で降りるリスクがついて回ります。AIのキャラクターにはそれがありません。企業から見た強みは、大きく3つです。
- 止まらない:繁忙期でも、担当者が休んでも、発信が途切れない
- 本数を出せる:撮影を組まずに素材を作れるので、入口を変えた動画を並べて試せる
- 客層ごとに用意できる:若い層向けとシニア向けで、別のキャラクターを立てられる
もう一つの特徴は、役割を重ねられることです。同じキャラクターが、広告では商品を紹介し、採用向けの投稿では職場を案内し、サイトのチャットでは質問に答える。例えば地方の工務店なら、ふだんは施工の様子を紹介し、求人の時期には「この会社で働くと1日がどう流れるか」を話す、という使い方ができます。人を雇えば何人分かになる仕事を、一人のキャラクターがまとめて受け持つイメージです。
中身はどう作られているか
AIインフルエンサーは、画像を1枚作れば終わりではありません。実際の運用は、だいたい次の順で組み立てます。
- 01設計名前・性格・口調・服装と、言わないことを決める
- 02生成画像と動画を作り、毎回同じ人物に見えるよう揃える
- 03声音声を作り、口の動きを合わせる
- 04発信SNSの投稿や広告に載せ、反応を見て直す
- 05受け皿コメントやDMの質問を、AIチャットやLINEで受ける
手間がかかるのは2つ目の「同じ人物に見える」ところです。生成AIは、同じ指示でも毎回少しずつ違う顔を出します。投稿ごとに顔が変われば、見る側は同じ人だと気づけず、ファンもつきません。髪型や服、目印になる特徴を決めておき、ずれていないかを人の目で確かめる作業が毎回続きます。
見落とされがちなのが最後の「受け皿」です。キャラクターの投稿に興味を持った人が、夜にDMで質問したとします。返事が翌日の昼になれば、その間に気持ちは冷めます。キャラクターを作る話と、質問を受けて問い合わせにつなぐ話は、セットで考えておく必要があります。
向いている会社、向いていない会社
先に表にします。分かれ目は、体験や人柄そのものが商品かどうかです。
| 向いている | 向いていない |
|---|---|
| 発信を続けたいが、顔を出せる社員がいない | 店主や職人の人柄が来店の理由になっている |
| 客層が複数あり、層ごとに話し方を変えたい | 「使ってみた感想」が購入の決め手になる |
| 世界観やキャラクターで覚えてもらいたい | 一度話題になれば十分で、続ける予定がない |
| 外国語でも同じ内容を出したい | 質問が来ても、受ける人や仕組みがない |
向いているのは、例えば観光地の旅館です。日本語・英語・中国語で同じ紹介を出したいけれど、各言語で話せるスタッフを動画に出すのは難しい。キャラクターなら、同じ人物が言語を変えて案内できます。
向いていないのは、例えば常連客が「大将に会いに」来る居酒屋です。お客さんが見たいのは大将の顔と手元で、そこをキャラクターに置き換えると、いちばんの魅力を自分で隠すことになります。
日用品や食品のように「使ってどうだったか」が決め手になる商品も、慎重に考えたいところです。キャラクターは商品を使えません。「使ってみたら朝が楽になった」と言わせれば、事実でない体験を語らせることになります。成分や使い方の説明はできても、使用感の代弁はできません。

キャラに「使ってみました」は言わせない。ここだけは最初に決めておいてください。
始める前に決めておく3つのこと
作り始める前に、次の3つだけは社内で決めておくと、途中で迷いにくくなります。
- 何の数字を動かすか:フォロワー数ではなく、来店、問い合わせ、応募など、その先の数字を先に決める
- 最初に任せる役割:広告、採用、接客を一度に始めず、最初の一役を選ぶ
- 表示の仕方:AIで作ったキャラクターであることを伏せない
駅前の美容室なら、「新規の予約を増やす」を数字に置き、最初の役割は「メニューの違いを分かりやすく話す案内役」にする、といった決め方です。役割が一つに決まると、口調や服装も決めやすくなります。
表示については、生成であることや広告であることを隠して商品を勧めると、2023年10月1日に施行されたステルスマーケティング規制を含め、景品表示法の問題になり得ます。
キャラクターが人気になれば、それだけで十分じゃないですか?

人気は入口なんです。その先の予約や問い合わせにつながる道を、先に作っておきたいんですよ。
AIインフルエンサーを迷っている段階から、HEART CREATIONがお手伝いできること
HEART CREATIONでは、AIインフルエンサーの設計から運用まで、同じチームで引き受けています。
- キャラクターの設計と制作(実写・アニメ・イラスト・3D・動物まで)。実在の人物に似せた合成はしません
- 入口を変えた複数パターンの動画を同時に出し、2週間で反応を見て寄せていく運用
- SNS運用、広告、LP、AIチャットやLINEとの連携まで、分業せずにつなぐ
「うちに向いているのか分からない」という段階でのご相談で構いません。初回のご相談は無料で、オンライン60分でも承ります。

向かないと思ったら、正直にそうお伝えします。まずは気軽に話してみてください。
よくある質問
AIインフルエンサーは小さな会社でも作れますか?
作れます。画像を作るだけなら手軽ですが、毎回同じ人物に見せ続けることと、投稿を続ける運用に手間がかかります。始める前に、誰が台本を書き、誰が仕上がりを確かめるかを決めておくと続きます。
AIインフルエンサーに商品を紹介させるのは違法ですか?
紹介すること自体が直ちに違法になるわけではありません。ただ、広告であることを伏せた表示や、使っていない商品の使用感を語らせる表示は、景品表示法の問題になり得ます。AIで作ったことも隠さないのが安全です。
実在の芸能人に似せたAIキャラクターは作れますか?
似せることは技術的にはできても、肖像権や声の権利をめぐるトラブルにつながります。企業の発信で使うなら、誰にも似せないオリジナルの人物として設計するのが前提です。
AIインフルエンサーの投稿も、AIが自動で作るのですか?
画像や動画、声の生成にはAIを使いますが、何を言わせるか、どの順で見せるかは人が決めます。任せきりにすると、顔や口調がずれたり、言わせてはいけないことを言ったりする原因になります。
実写調とアニメ調、どちらを選べばいいですか?
業種と客層で決めます。実写調は商品や店の雰囲気を具体的に見せやすく、アニメやイラスト調はキャラクターだと一目で分かるので、子ども向けや世界観で売る商品に向きます。
