新しいブランドを立ち上げるので、まずロゴを作ろうと思っています。何案か出してもらって選べばいいですよね。

案を並べると、つい一目惚れで決めたくなるんですよね。でも、選ぶ物差しを先に決めておかないと、あとで困るんです。
新しい会社やブランドを立ち上げるとき、最初に手をつけたくなるのがロゴです。形が見えると、事業が動き出した実感があります。デザインの案が届けば、社内で好きなものを選ぶだけ。気持ちのいい作業です。
ところが、ロゴから先に作ると、あとで直すことが増えます。気に入ったロゴなのに何の会社か伝わらない。名前を決めたあとで同じ名前の商品が見つかった。SNSのアイコンにしたら文字が潰れて読めない。どれも、デザインの良し悪しではなく、決める順番の問題です。
ロゴの前に決めるのは、何の会社として覚えてほしいか、名前が伝わるか、その名前が使えるか、どこで見られるか、の4つです。この記事では、その順番と確かめ方、デザインを頼むときに渡す1枚を書きます。
この記事の要点
- ロゴは中身を受け止める器。先に「何の会社か」を一言に
- 名前は言える・書ける・探せる、の3つで確かめる
- 使う場所を並べてから、ロゴに求める条件を決める
ロゴから先に作ると、何が起きるか
よくあるつまずきを、原因と並べておきます。
| 起きること | 先に決めていなかったこと |
|---|---|
| かっこいいが、何の会社か伝わらない | 誰に、何の会社として覚えてほしいか |
| 電話で社名を伝えるたびに聞き返される | 口で言える名前か |
| 同じ名前の商品・サービスが見つかった | 商標を調べていたか |
| SNSのアイコンにすると文字が読めない | どの大きさで、どこで見られるか |
| 社内で好みが割れて決まらない | 何を基準に選ぶか、誰が決めるか |
どれも、デザインが仕上がってから気づくと、作り直しになります。順番を入れ替えるだけで避けられるものばかりです。
何の会社として覚えてほしいかを、先に一言に
ロゴや名前は、それ自体が何かを説明するものではありません。お客さんが「あの会社」と思い出すときの、目印です。目印が指す中身が決まっていないと、選ぶ基準もありません。
先に、誰に、何の会社として覚えてほしいかを一言にしておきます。一言の作り方は、別の記事で詳しく書いています。
あわせて読みたい会社のコンセプトの決め方。自社を一言で言い表すための材料と試し方HEART CREATIONには、15秒のブランド映像があります。STORY・IDEA・AI・VIDEO・SOCIAL・WEB・DESIGN・IMPACT・EMOTION の9つの言葉が流れ、最後にロゴへ収まる映像です。言葉が先にあって、ロゴはそれを受け止める場所になっている。ロゴを決める前に、ロゴに収めたい言葉を書き出しておくと、案を選ぶときの物差しになります。
名前は伝わるか、使えるか
言える・書ける・探せるか
名前を決めるときは、好みより先に、次の3つで確かめます。
| 確かめること | 確かめ方 |
|---|---|
| 言える | 電話で名乗ってみる。聞き返されないか、読み方が1つに決まるか |
| 書ける | 聞いた人が、検索窓に正しく打てるか。英字なら綴りを迷わないか |
| 探せる | 名前で検索して、自社が埋もれないか。一般的な言葉だけの名前は埋もれやすい |
例えば、造園の会社が英語の造語を名前にした場合、看板では映えても、電話で伝えるたびに綴りを説明することになります。反対に「〇〇造園」のような名前は伝わりやすいものの、同じ地域に似た名前があると、検索で区別がつきにくくなります。
将来、扱う仕事や地域が広がりそうなら、それも考えておきます。地名や商品名を名前に入れると分かりやすい反面、範囲を広げたときに名前と中身がずれることがあります。
商標・ドメイン・SNSで使えるか
名前の候補が絞れたら、デザインに入る前に、使えるかどうかを確かめます。
いちばん大事なのが商標です。特許庁の説明では、商標は文字や図形といったマークと、それを使う商品・サービスの組み合わせで権利になり、商品・サービスは第1類から第45類までの区分に分かれています。また日本は、先に使っていたかどうかにかかわらず、先に出願した人に登録を認める仕組み(先願主義)です。
商標の登録状況は、無料で使える特許情報プラットフォーム「J-PlatPat」で調べられます。ひらがな・カタカナ・英字など、表記を変えて検索します。会社の名前を法務局に登記できても、それで商標として守られるわけではない点にも気をつけます。登記と商標は別の制度です。

看板も名刺も作ったあとで同じ名前の商標が見つかった、という話は珍しくないんです。調べるのはデザインの前に。
あわせて、ドメインと各SNSのユーザー名が取れるかも見ておきます。名前は決まったのにIDが取れない、ということが起きるからです。IDの付け方は別の記事にまとめました。
あわせて読みたいSNSのアカウント名とユーザー名の付け方。会社のIDを決めるとき・変えるときの注意どこで見られるかを並べる
最後に、ロゴが使われる場所を書き出します。ここで、ロゴに求める条件が決まります。
- SNSのアイコン:多くのSNSでは丸く切り抜かれ、小さく表示される
- サイトのタブに出る小さな印、スマホのホーム画面
- 名刺・封筒・請求書(白黒で刷ることもある)
- 看板・車・作業着・のぼり(遠くから見る)
- 動画の最後や、ほかの会社と並ぶ協賛の欄
並べてみると、たいてい「小さくしても形が分かる」「1色でも成り立つ」「横長と正方形の2つの形がある」が必要だと分かります。細い線や小さな文字が入ったロゴは、大きな紙では映えても、SNSのアイコンでは読めなくなります。

案をもらったら、スマホでアイコンの大きさにして見てください。それだけで候補がかなり減りますよ。
デザインを頼む前に、1枚にまとめておくもの
ここまでを、依頼先に渡す1枚にまとめます。
- 01一言を書く誰に、何の会社として覚えてほしいか
- 02名前と由来を書く読み方、表記、込めた意味
- 03確かめた結果を書く商標・ドメイン・SNSのIDを調べた結果
- 04使う場所を並べるアイコン・名刺・看板・動画など、大きさと色の条件
- 05選び方を決める最後に決める人と、選ぶときの物差し
最後の項目が、意外と抜けます。案が届いてから社内で多数決を取ると、好みが割れて決まりません。決める人を1人にし、「最初に決めた一言に合っているか」「並べた場所で使えるか」で選ぶと決めておけば、話が早く進みます。
色・書体・写真の雰囲気など、ロゴのあとにそろえていく「らしさ」の決めごとは、別の記事に書いています。
あわせて読みたいトンマナとは?ブランドの「らしさ」を決めるトーン&マナーの決め方名前とロゴを、使う場面から一緒に考えます
HEART CREATIONは、SNS・動画・WEB/LPを同じチームで作っています。ロゴや名前が実際に使われる場面を、たくさん見てきた立場からお手伝いできます。
- 何の会社として覚えてほしいかを、一言にするところから一緒に考える
- SNSのアイコン、動画の締め、サイトなど、使う場面ごとに見え方を確かめる
- 決めた名前と一言を、動画とLPの言葉にそろえて出していく
まだ名前の候補もない段階のご相談で構いません。サービスの内容はこちらにまとめています。

名前とロゴは長く付き合うものなので、決める前の準備に時間をかけても損はないです。
よくある質問
ロゴと会社名、どちらを先に決めるべきですか?
名前が先です。ロゴは名前と、名前が指す中身を目に見える形にするものなので、名前が変わるとロゴも作り直しになります。名前が使えるかどうか(商標など)を確かめてから、デザインに入ります。
ブランド名に英語の造語を使っても大丈夫ですか?
使えますが、電話で伝えたときに綴りが一度で伝わるか、検索で正しく打ってもらえるかを確かめておきます。読み方をカタカナで併記するなど、読み方を1つに決めておくと伝わりやすくなります。
商標を調べるにはどうすればいいですか?
無料で使える特許情報プラットフォーム「J-PlatPat」で、登録や出願の状況を調べられます。似ているかどうかの判断や出願の手続きは難しい場合があるので、迷うときは弁理士に相談すると安心です。
ロゴは何色で作ればいいですか?
色を決める前に、白黒の1色でも形が成り立つかを確かめます。名刺を白黒で刷る、写真の上に載せるなど、色を使えない場面があるからです。色は1色でも成り立つ形ができてから決めます。
SNSのアイコンはロゴをそのまま使えばいいですか?
横長のロゴは、丸く小さく表示されるアイコンでは読めないことが多いです。マークだけ、または頭文字だけの正方形の形を別に用意しておくと、どのSNSでも使いやすくなります。
