会社のインスタは担当者が回しています。社長の私も個人でSNSをやったほうがいいと言われたんですが、何を書けばいいのか。会社のアカウントと何が違うんでしょう。

社長の言葉には、会社のアカウントでは出せない温度があるんです。そこを使わない手はないですよ。
会社のアカウントは動いている。けれど、新商品のお知らせや営業日の案内が続き、どの会社も同じように見える。そこで「社長が自分の名前で発信したほうがいい」と勧められる。中小企業の経営者からよく聞く迷いです。
社長の個人アカウントは、会社のアカウントの代わりではありません。会社のアカウントが「何を・いつ・どこで」を伝えるのに対して、社長の個人アカウントは「なぜそうするのか」を語る場所です。値上げの理由、新しい事業を始めた理由、採用で大事にしていること。判断の背景は、担当者が書く会社のアカウントでは出しにくい話です。
この記事では、2つのアカウントの役割分担、社長の発信が効く場面、気をつけることを順に書きます。
この記事の要点
- 会社は「何を・いつ」、社長は「なぜ」を語ると役割が分かれる
- 採用・BtoB・地域の商売では、社長の顔が判断材料になる
- 社長の発言は個人でも会社の発言として読まれる前提で
会社のアカウントと社長のアカウント。役割の分け方
| 会社のアカウント | 社長の個人アカウント | |
|---|---|---|
| 主に伝えること | 商品・サービス、営業日、お知らせ、事例 | 考え方、判断の理由、仕事への向き合い方 |
| 声 | 会社として。誰が書いても同じ口調 | 社長本人の口調 |
| 作る人 | 担当者・チーム | 社長本人(手伝いは入っても、最後は本人) |
| 持ち主 | 会社 | 社長個人 |
| 見に来る人 | お客さん、検討中の人 | 取引先、応募を考える人、同業者、地域の人 |
例えば、地域の工務店が新しい断熱の仕様を始めたとします。会社のアカウントでは「◯月から標準仕様を変えました。何が変わるか」を写真で伝える。社長のアカウントでは「なぜ、利益が減ってもこの仕様にしたのか」を書く。同じ出来事を、別の角度から出すわけです。
2つのアカウントは、プロフィールで互いにリンクしておきます。社長の投稿を読んで興味を持った人が、会社の情報にたどり着けるようにするためです。
このサイトでも、代表の古川が自分の言葉で書くエッセイ(MEDIA)と、検索から来る人に向けたこの読みものとを、別の棚に分けています。読みに来る人が知りたいことが違うからです。
社長の発信が効く3つの場面
社長が個人で発信すると効きやすいのは、「誰がやっている会社か」が、選ぶときの判断材料になる商売です。
- 採用:応募を考える人は、仕事内容や条件に加えて、どんな人の下で働くのかも気にしています。社長が仕事で大事にしていることを書いていれば、面接の前に相性を確かめられます
- BtoB:取引先は、商品だけでなく「長く付き合える相手か」を見ています。業界の変化をどう見ているか、という社長の考えは、営業資料には書きにくい判断材料です
- 地域の商売:街の人にとって、店主や社長の顔が見えることは、入りやすさにつながります
逆に、通販の商品のように、作り手の顔より商品そのものが選ばれる理由になる商売では、社長の個人アカウントがなくても困らないことが多いです。採用の場面での使い方は、採用のためのSNS運用の記事も参考にしてください。
あわせて読みたい採用のためのSNS運用。応募前に確かめられる会社になる発信のしかた何を書くか。会社のアカウントと重ねない
社長のアカウントで迷うのは、毎回何を書くかです。会社のアカウントと同じお知らせを流すと、両方を見ている人には同じものが2回届きます。社長は「お知らせの裏側」を書く、と決めておくと迷いません。
| 会社のアカウントで出すこと | 社長が書くこと |
|---|---|
| 新商品の発売 | なぜ作ったか、作るときに何を捨てたか |
| 求人の募集 | どんな人と働きたいか、最近入った人に期待していること |
| 価格の改定 | 改定を決めるまでに迷ったこと |
| 事例の紹介 | その仕事で学んだこと(お客さんが特定されない形で) |
休日の話や趣味の投稿も、人柄が伝わるならあってかまいません。ただ、それだけが続くと、仕事の判断材料にはなりにくくなります。

夜に一杯飲んでから書いた投稿って、だいたい翌朝消したくなるんです。下書きにして、朝もう一度読んでくださいね。
社長の個人アカウントで気をつけること
個人の発言でも、会社の発言として読まれる
プロフィールに「個人の見解です」と書いても、社長の発言は会社の考えとして受け取られます。他社や同業への批判、政治的な話題、お客さんや社員の話は、会社のアカウントで出さないことは社長のアカウントでも出さない、と決めておくのが安全です。
自社の商品を勧めるときは、社長だと分かる形で
ステルスマーケティングの規制の運用基準では、商品の販売を進める立場にある役員などが、その商品の販売を促すために行う投稿は、事業者(会社)の表示に当たる例として挙げられています。社長が自社の商品を紹介するなら、プロフィールや投稿で自社の代表だと分かるようにしておきます。
あわせて読みたいステマ規制とPR表記の書き方。広告主が押さえる線引きと表示の位置代筆するなら、最後は本人が読む
忙しい社長に代わって、広報の担当者が下書きを作ることはよくあります。その場合も、出す前に本人が読み、自分の言葉に直す。コメントやDMへの返事は本人が見る。社長の口調で別の人が返事をしていると分かれば、アカウントそのものの信用を落とします。
社員に「いいね」を求めない
社長の投稿に、社員が反応しなければならない空気をつくらない。断りにくい立場の人に負担がかかります。
会社の持ち物と、社長の持ち物を分ける
会社のアカウントを社長の個人のメールアドレスで作っていると、退任や事業の承継のときに困ります。会社のアカウントは会社名義、社長のアカウントは個人名義。社長が退いたあと、個人アカウントのプロフィールの肩書きを直すことも、引き継ぎの一つに入れておきます。

社長の投稿が広がると、会社の電話が鳴ります。受け止める人と答え方を、会社の側で決めておいてください。
社長の発信を、HEART CREATIONでお手伝いできること
HEART CREATIONは、SNSの企画・撮影・編集・運用を同じチームで受け持っています。社長の発信も、会社のアカウントと役割を分けたうえで、その先で増やしたい数字(応募・問い合わせ・指名検索など)から組み立てます。
- 会社と社長のアカウントで、何をどちらで出すかの分担表を作る
- 社長の話を聞き取り、本人が直す前提の下書きや、話す動画の企画を用意する
- 会社のアカウントの名義・権限を整え、社長の投稿から会社の窓口までの道をつくる
「書くことが思いつかない」という段階からでも大丈夫です。初回のご相談は無料です(相談はこちら)。

最初の1本は「なぜこの会社をやっているか」だけでいいんです。まずそこから書いてみましょう。
よくある質問
社長のSNSは実名でやるべきですか?
「誰がやっている会社か」を判断材料にしてもらうのが目的なら、実名で、会社の代表であることが分かる形のほうが伝わります。自社の商品を紹介することがあるなら、肩書きが分かるようにしておくのが安全です。
社長の個人アカウントは、どのSNSを使えばいいですか?
見てほしい相手がいる場所を選びます。取引先や同業者に届けたいのか、応募を考える人や地域の人に届けたいのかで変わります。会社のアカウントと同じ媒体にすると、プロフィールで互いにリンクしやすくなります。
社長の投稿を広報担当が代わりに書いてもいいですか?
下書きを手伝ってもらうのはよくあることです。出す前に本人が読み、自分の言葉に直すこと、コメントやDMへの返事は本人が見ることを決めておくと、信用を落としません。
社長が退任したら、個人アカウントはどうなりますか?
個人アカウントは社長個人のものなので、そのまま本人が使い続けます。プロフィールの肩書きを直し、会社のアカウントとのリンクをどうするかを、引き継ぎのときに決めておきます。
社長がSNSに出ないと、会社の発信は弱くなりますか?
必ずしもそうではありません。商品そのものが選ばれる理由になる商売では、会社のアカウントだけで十分なことも多いです。社長が出ない場合は、社員の声や仕事の工程で「誰がやっているか」を伝える方法もあります。
