仕事のコツを動画で教えたいんです。でも話しはじめると、あれもこれも言いたくなって、結局なんの動画か分からなくなるんですよ。

答えまで寄り道しないこと。それだけで、解説動画の見られ方はかなり変わるんですよ。
ノウハウを伝える動画は、作る側が詳しいほど長くなります。知っていることが多いので、前提も例外も補足も入れたくなる。その結果、見た人の手元に何も残らない動画ができあがります。
ショートで解説するときの決まりは1つです。1本に入れる答えは1つ。問いを1つに絞り、その答えを早めに言い、残りの秒数は「本当にそうなるのか」を確かめてもらうために使います。
この記事では、問いを答えきれる大きさに削る方法、答えを先に置く並べ方、答えを言葉でなく画で見せる方法、「場合による」をどう扱うかを書きます。台本の書式や構成の型の一般論は扱いません。
この記事の要点
- 1本に入れる答えは1つ。問いを先に小さく削る
- 答えは早めに言い、残りの秒数で確かめさせる
- 例外は入れず、当てはまる人を最初に言う
解説動画がまとまらないのは、答えが2つ以上あるから
「よく分からない解説動画」には、だいたい同じ形があります。中身が悪いのではなく、1本の中に答えが複数あるか、答えがどこにも無いかのどちらかです。
| よくある形 | 見ている側に起きること |
|---|---|
| 前置きが長い(自己紹介・なぜこの話をするか) | 答えが来る前に指が動く |
| コツを5つ並べる | 1つ目を覚える前に2つ目が来て、何も残らない |
| 答えが最後の1秒 | 途中で離れた人は答えを知らないまま |
| 「続きは次の動画で」 | 答えがないので、保存も共有もされない |
| 例外と注意書きを全部入れる | 結局どうすればいいのかが分からない |
例えば、町のクリーニング店が「シャツの黄ばみを防ぐ方法」を話すとします。洗い方、干し方、しまい方、汗をかいた日の対処を全部入れると、40秒で4つの答えが流れていきます。どれも正しいのに、見た人は1つも試しません。

「答えは次の動画で」って言われると、ちょっとイラッとしません? 見る側はそういう気持ちなんです。
問いを「1本で答えきれる大きさ」に削る
答えを1つにするには、先に問いを小さくします。大きな問いは、答えも大きくなるからです。削るときは「誰の」「どの場面の」「何を」の3つを足していきます。
| 大きすぎる問い | 1本で答えきれる問い |
|---|---|
| シャツの黄ばみを防ぐには? | 汗をかいた日のシャツ、帰ってすぐやることは? |
| 庭木の手入れのコツは? | 生け垣を切るとき、どこから切りはじめる? |
| 確定申告で気をつけることは? | 開業1年目、領収書を捨てていいのはどれ? |
| 失敗しないリフォームとは? | 見積書の「一式」、何を聞けばいい? |
右の列は、どれも答えが一言で言えます。「帰ったらすぐ水で流す」「下から上へ」のように、見終わった人が今日試せる大きさです。
削った残りは捨てなくてかまいません。「干し方」「しまい方」はそれぞれ別の1本になります。大きな問い1つから小さな問いが5つ出てきたら、5本ぶんの材料が手に入ったということです。
答えは早めに言い、残りで確かめさせる
ショートの解説で答えを最後まで引っぱると、途中で離れた人には何も届きません。答えは早めに言い切り、そのあとの秒数を「なぜそうなるか」「本当にそうなるか」に使います。
- 01答えを言う最初の数秒で「帰ったらすぐ、襟だけ水で流す」と言い切る
- 02確かめさせる流したシャツと流さなかったシャツを並べて見せる
- 03理由をひとこと汗が乾く前なら落ちやすい、と一文で添える
- 04当てはまる人を言う「綿のシャツなら」と範囲を最後に念押しする
答えを先に言うと「もう分かったから見なくていい」と離れられるのでは、と心配されることがあります。実際には、答えを聞いた人ほど「本当に?」と確かめたくなります。確かめる材料が画で続いていれば、見続ける理由になります。
冒頭のひと言の作り方や台本の書き方そのものは、別の記事にまとめています。
あわせて読みたいショート動画の台本の書き方。冒頭のあとの構成と、表1枚の書式答えは、言葉より画で見せる
解説動画は、話すほど長くなります。言葉で3文かかる説明が、画なら2秒で伝わることがあります。答えを見せる方法は、主に3つです。
- やってみせる。手元を映し、答えの動作をそのまま一度やる。生け垣なら、下の枝から切っていくところを見せる
- 並べて比べる。やった場合とやらなかった場合、正しい道具と間違った道具を同じ画面に並べる
- 実物を映す。書類の「一式」の欄、ラベルの表示、メーターの数字など、答えが書いてある場所に寄る
どれも、見た人が自分の手元で同じことをしやすくなります。言葉だけの解説は「なるほど」で終わりがちですが、画で見せた解説は「やってみよう」に変わりやすいのです。

一回やってみせるだけで、説明がまるごと要らなくなることがあるんです。これ、本当に驚きますよ。
話す人が誰かも、画で伝えます。作業着のまま現場で話す、店のカウンターの中から話す。その人がなぜこの答えを言えるのかが、背景から分かるようにしておきます。
「場合による」は、1本の中に入れない
詳しい人ほど、答えのあとに「ただし素材によっては」「お住まいの地域によっては」と例外を足したくなります。誠実な気持ちからですが、例外が3つ並ぶと、答えの印象が消えます。
例外は、答えの前に「当てはまる人」を言うことで減らせます。「綿のシャツの場合」「戸建ての生け垣なら」と最初に範囲を決めてしまえば、その範囲の外の話は入れなくて済みます。範囲の外の人向けには、別の1本を作ります。
どうしても外せない注意(安全にかかわること、法律や制度の条件など)は、画面の文字か説明文に1行で残します。注意を省くのではなく、答えと同じ重さで並べないということです。
同じテーマの回を続けて出すときの組み立ては、連載の記事にまとめています。
あわせて読みたいショート動画をシリーズ化する。連載企画の型と続けるための決めごとノウハウ動画づくりで、HEART CREATIONがお手伝いできること
- 現場の知識から「1本で答えきれる問い」を洗い出す企画づくり
- 答えを画で見せる撮影と、テロップ・編集まで同じチームで
- 入口を変えた複数の案を同時に出し、2週間の結果で寄せていく運用
- 問いの削り方や撮り方を社内に渡していく内製化支援
再生数ではなく、問い合わせや来店など、その先で増やしたい数字を最初に決めてから組み立てます。「何から話せばいいか分からない」段階のご相談で大丈夫です。サービスの内容もあわせてご覧ください。

まずは、お客さんによく聞かれる質問を10個書き出してみてください。それが最初の10本になります。
よくある質問
ノウハウを動画で公開すると、真似されて仕事が減りませんか?
1本で渡すのは「今日試せる小さな答え」なので、仕事そのものを渡すわけではありません。小さな答えが役に立った人ほど、手に負えない部分を相談しようと考えます。出さない線(見積もりの考え方や独自の手順など)は先に決めておきます。
解説動画で専門用語はどこまで使っていいですか?
見てほしい相手がふだん使う言葉に合わせます。お客さんに向けるなら、専門用語は使わずに言い換えるか、使うなら画面の文字で一言の説明を添えます。同業者に向けた動画なら、用語をそのまま使ったほうが早く伝わります。
1本に答えを1つだと、本数が多くなりすぎませんか?
本数は増えますが、1本ずつは短く、撮る場面も少なくなります。大きな問い1つを小さく削ると、何本ぶんもの問いが手に入るので、ネタに困りにくくなる面もあります。
解説動画の内容が間違っていたときは、どうすればいいですか?
気づいた時点で、説明文や固定コメントに訂正を書きます。安全や費用にかかわる間違いなら、動画を非公開にして作り直します。黙って消すより、何を直したかを残すほうが信頼を損ねません。
