クリエイティブの日々 No.215

ノウハウ解説は、
1本に答えを1つ。

ノウハウ解説のショート動画の作り方。1本に答えを1つだけ入れる組み方

仕事のコツを動画で教えたいんです。でも話しはじめると、あれもこれも言いたくなって、結局なんの動画か分からなくなるんですよ。

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ご相談
古川
古川

答えまで寄り道しないこと。それだけで、解説動画の見られ方はかなり変わるんですよ。

ノウハウを伝える動画は、作る側が詳しいほど長くなります。知っていることが多いので、前提も例外も補足も入れたくなる。その結果、見た人の手元に何も残らない動画ができあがります。

ショートで解説するときの決まりは1つです。1本に入れる答えは1つ。問いを1つに絞り、その答えを早めに言い、残りの秒数は「本当にそうなるのか」を確かめてもらうために使います。

この記事では、問いを答えきれる大きさに削る方法、答えを先に置く並べ方、答えを言葉でなく画で見せる方法、「場合による」をどう扱うかを書きます。台本の書式や構成の型の一般論は扱いません。

この記事の要点

  • 1本に入れる答えは1つ。問いを先に小さく削る
  • 答えは早めに言い、残りの秒数で確かめさせる
  • 例外は入れず、当てはまる人を最初に言う

解説動画がまとまらないのは、答えが2つ以上あるから

「よく分からない解説動画」には、だいたい同じ形があります。中身が悪いのではなく、1本の中に答えが複数あるか、答えがどこにも無いかのどちらかです。

よくある形見ている側に起きること
前置きが長い(自己紹介・なぜこの話をするか)答えが来る前に指が動く
コツを5つ並べる1つ目を覚える前に2つ目が来て、何も残らない
答えが最後の1秒途中で離れた人は答えを知らないまま
「続きは次の動画で」答えがないので、保存も共有もされない
例外と注意書きを全部入れる結局どうすればいいのかが分からない

例えば、町のクリーニング店が「シャツの黄ばみを防ぐ方法」を話すとします。洗い方、干し方、しまい方、汗をかいた日の対処を全部入れると、40秒で4つの答えが流れていきます。どれも正しいのに、見た人は1つも試しません。

古川
古川

「答えは次の動画で」って言われると、ちょっとイラッとしません? 見る側はそういう気持ちなんです。

問いを「1本で答えきれる大きさ」に削る

答えを1つにするには、先に問いを小さくします。大きな問いは、答えも大きくなるからです。削るときは「誰の」「どの場面の」「何を」の3つを足していきます。

大きすぎる問い1本で答えきれる問い
シャツの黄ばみを防ぐには?汗をかいた日のシャツ、帰ってすぐやることは?
庭木の手入れのコツは?生け垣を切るとき、どこから切りはじめる?
確定申告で気をつけることは?開業1年目、領収書を捨てていいのはどれ?
失敗しないリフォームとは?見積書の「一式」、何を聞けばいい?

右の列は、どれも答えが一言で言えます。「帰ったらすぐ水で流す」「下から上へ」のように、見終わった人が今日試せる大きさです。

削った残りは捨てなくてかまいません。「干し方」「しまい方」はそれぞれ別の1本になります。大きな問い1つから小さな問いが5つ出てきたら、5本ぶんの材料が手に入ったということです。

答えは早めに言い、残りで確かめさせる

ショートの解説で答えを最後まで引っぱると、途中で離れた人には何も届きません。答えは早めに言い切り、そのあとの秒数を「なぜそうなるか」「本当にそうなるか」に使います。

  1. 01答えを言う最初の数秒で「帰ったらすぐ、襟だけ水で流す」と言い切る
  2. 02確かめさせる流したシャツと流さなかったシャツを並べて見せる
  3. 03理由をひとこと汗が乾く前なら落ちやすい、と一文で添える
  4. 04当てはまる人を言う「綿のシャツなら」と範囲を最後に念押しする

答えを先に言うと「もう分かったから見なくていい」と離れられるのでは、と心配されることがあります。実際には、答えを聞いた人ほど「本当に?」と確かめたくなります。確かめる材料が画で続いていれば、見続ける理由になります。

冒頭のひと言の作り方や台本の書き方そのものは、別の記事にまとめています。

あわせて読みたいショート動画の台本の書き方。冒頭のあとの構成と、表1枚の書式

答えは、言葉より画で見せる

解説動画は、話すほど長くなります。言葉で3文かかる説明が、画なら2秒で伝わることがあります。答えを見せる方法は、主に3つです。

  1. やってみせる。手元を映し、答えの動作をそのまま一度やる。生け垣なら、下の枝から切っていくところを見せる
  2. 並べて比べる。やった場合とやらなかった場合、正しい道具と間違った道具を同じ画面に並べる
  3. 実物を映す。書類の「一式」の欄、ラベルの表示、メーターの数字など、答えが書いてある場所に寄る

どれも、見た人が自分の手元で同じことをしやすくなります。言葉だけの解説は「なるほど」で終わりがちですが、画で見せた解説は「やってみよう」に変わりやすいのです。

古川
古川

一回やってみせるだけで、説明がまるごと要らなくなることがあるんです。これ、本当に驚きますよ。

話す人が誰かも、画で伝えます。作業着のまま現場で話す、店のカウンターの中から話す。その人がなぜこの答えを言えるのかが、背景から分かるようにしておきます。

「場合による」は、1本の中に入れない

詳しい人ほど、答えのあとに「ただし素材によっては」「お住まいの地域によっては」と例外を足したくなります。誠実な気持ちからですが、例外が3つ並ぶと、答えの印象が消えます。

例外は、答えの前に「当てはまる人」を言うことで減らせます。「綿のシャツの場合」「戸建ての生け垣なら」と最初に範囲を決めてしまえば、その範囲の外の話は入れなくて済みます。範囲の外の人向けには、別の1本を作ります。

どうしても外せない注意(安全にかかわること、法律や制度の条件など)は、画面の文字か説明文に1行で残します。注意を省くのではなく、答えと同じ重さで並べないということです。

同じテーマの回を続けて出すときの組み立ては、連載の記事にまとめています。

あわせて読みたいショート動画をシリーズ化する。連載企画の型と続けるための決めごと

ノウハウ動画づくりで、HEART CREATIONがお手伝いできること

  • 現場の知識から「1本で答えきれる問い」を洗い出す企画づくり
  • 答えを画で見せる撮影と、テロップ・編集まで同じチームで
  • 入口を変えた複数の案を同時に出し、2週間の結果で寄せていく運用
  • 問いの削り方や撮り方を社内に渡していく内製化支援

再生数ではなく、問い合わせや来店など、その先で増やしたい数字を最初に決めてから組み立てます。「何から話せばいいか分からない」段階のご相談で大丈夫です。サービスの内容もあわせてご覧ください。

古川
古川

まずは、お客さんによく聞かれる質問を10個書き出してみてください。それが最初の10本になります。

HEART CREATION

企画・撮影・編集・運用・LPまで、同じチームでお引き受けしています。

よくある質問

ノウハウを動画で公開すると、真似されて仕事が減りませんか?

1本で渡すのは「今日試せる小さな答え」なので、仕事そのものを渡すわけではありません。小さな答えが役に立った人ほど、手に負えない部分を相談しようと考えます。出さない線(見積もりの考え方や独自の手順など)は先に決めておきます。

解説動画で専門用語はどこまで使っていいですか?

見てほしい相手がふだん使う言葉に合わせます。お客さんに向けるなら、専門用語は使わずに言い換えるか、使うなら画面の文字で一言の説明を添えます。同業者に向けた動画なら、用語をそのまま使ったほうが早く伝わります。

1本に答えを1つだと、本数が多くなりすぎませんか?

本数は増えますが、1本ずつは短く、撮る場面も少なくなります。大きな問い1つを小さく削ると、何本ぶんもの問いが手に入るので、ネタに困りにくくなる面もあります。

解説動画の内容が間違っていたときは、どうすればいいですか?

気づいた時点で、説明文や固定コメントに訂正を書きます。安全や費用にかかわる間違いなら、動画を非公開にして作り直します。黙って消すより、何を直したかを残すほうが信頼を損ねません。

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