毎週撮影の日をつくるのがしんどくて。月に1回、まとめて何本も撮れたら楽なんですけど、どう組めばいいんでしょう。

1本ずつ撮るのをやめて、場所ごとに撮る。まとめ撮りのコツは、ほぼそれだけなんですよ。
週に1本ずつ撮っていると、そのたびに機材を出し、場所を片付け、出る人の予定を合わせることになります。撮る時間より、準備と片付けの時間のほうが長い。続かなくなる理由の多くはここにあります。
まとめ撮りは、何本ぶんかの撮影を1日に集めるやり方です。ただし、台本の1本目から順に撮っていくと、同じ場所を何度も行き来して、かえって時間がかかります。撮る順番を「本ごと」から「場所ごと」に組み替えるのが要です。
この記事では、撮影リストの並べ替え方、1日の流れの組み方、別の日に撮ったように見せる工夫、撮りこぼしを防ぐ確かめ方を書きます。撮影の前日までの準備は扱いません。
この記事の要点
- 撮る順番は本ごとではなく、場所・光・服・人で並べる
- 光が変わる画は時間を決め、話す回は午前に寄せる
- 場所を離れる前に、本ごとに素材がそろったか確かめる
1本ずつ撮ると、なぜ時間がかかるのか
例えば、地域の花屋さんが、次の6本を1日で撮るとします。
- 花束ができるまで
- 切り花を長持ちさせる水替え
- 今週入った季節の花の紹介
- 贈る相手別の色の選び方(店主が話す)
- ラッピングの紙の選び方
- 開店前の店の様子
1本目から順に撮ると、作業台、冷蔵ケース、店頭、作業台、レジ横……と、場所が何度も入れ替わります。そのたびにカメラの位置を決め直し、明かりを合わせ直し、映ってはいけない物を片付け直します。1回あたりは数分でも、積み重なると撮れる本数が減ります。
まとめ撮りでは、映画やドラマの撮影と同じように、台本の順番とは別に「撮る順番」を作ります。
撮影リストを、場所ごとに組み替える
撮る順番を決めるときは、次の順で束ねていきます。上ほど、入れ替えるのに手間がかかるものです。
| 束ねる軸 | 理由 |
|---|---|
| 場所 | カメラ・明かり・片付けをやり直さずに済む |
| 光 | 窓の光や屋外は、時間で明るさと向きが変わる |
| 服 | 着替えは数分でも、髪や小物まで直すと長くなる |
| 出る人 | 出番のない時間に待たせない |
| 小物・商品 | 出す・しまうを1回で済ませる |
花屋さんの6本を場所で束ねると、こうなります。
| 場所 | 撮るカット | どの本の素材か |
|---|---|---|
| 店頭(開店前) | 外観、シャッターが開く、花を並べる | 6 |
| 冷蔵ケースの前 | 季節の花の寄り、店主が花を取り出す手元 | 3・1 |
| 作業台 | 花を組む手元、水切り、紙を選んで包む | 1・2・5 |
| レジ横の壁の前 | 店主が色の選び方を話す | 4 |
作業台で3本ぶんを一度に撮れるのが分かります。こうして組み替えた表を、撮る人も出る人も同じものを見て動きます。

機材を何度も出し入れしない。場所ごとに撮るだけで、1日の疲れ方がまるで違うんですよ。
1日の流れは、光と人の調子で決める
場所の順番が決まったら、時間の並びを決めます。軸になるのは2つです。
1つは光です。窓の光が入る場所や屋外は、時間で明るさも影の向きも変わります。花屋さんなら、開店前の店頭は朝しか撮れません。光に左右される場所を先に時間で固定し、残りの室内の場所をそのすき間に入れていきます。
もう1つは、出る人の調子です。話す回は、声も表情も疲れが出やすいので、午前か昼休みのあとの早い時間に寄せます。手元や商品だけを映すカットは、出る人の調子に左右されにくいので、夕方に回しても困りません。
- 01光の場所を固定する窓際・屋外の画は、撮れる時間帯に置く
- 02話す回を入れる出る人が元気な時間に、まとめて撮る
- 03手元と商品を埋める残りの時間に、人の顔が映らないカットを入れる
- 04休憩を入れる場所を移る区切りごとに、出る人が座れる時間をとる
当日の時間割に撮り直しの余白を入れることや、話す場面の前に慣れる時間をとることは、別の記事に書いています。
あわせて読みたい動画撮影の準備は何をする?撮影当日までに会社側でそろえること
出る人の休憩は削らないでくださいね。声と顔は正直で、疲れがそのまま映りますから。
同じ日に撮っても、同じ日に見えないように
まとめ撮りした動画は、投稿する日がばらばらになります。そのとき、6本すべてで同じ服、同じエプロン、同じ花が背景に映っていると、続けて見た人には「全部同じ日に撮ったな」と分かります。悪いことではありませんが、「今週の花」と言っている回が先月と同じ景色だと、言葉と画が合わなくなります。
本ごとに替えておきたいのは、次のようなものです。
- 服やエプロンの色。上着を1枚替えるだけでも印象は変わる
- 背景に映る小物や商品の並び
- 日付や季節が出るもの(壁のカレンダー、季節の商品、窓の外の景色)
反対に、1本の中では、服や小物がずれないようにします。順番を組み替えて撮ると、同じ本のカットを違う時間に撮ることになるからです。花束の回の前半は袖をまくっていて、後半は下ろしている、といったずれは編集で気づいても直せません。場所を移る前に、出る人の姿をスマホで1枚撮っておくと、あとで合わせられます。

クリスマス向けの回も、小物と背景を替えれば同じ日に撮れます。季節ものは早めに撮っておくと楽ですよ。
場所を離れる前に、本ごとに確かめる
組み替えて撮ると、撮影は場所単位で進みますが、仕上がるのは本単位です。いちばん起きやすいのは、場所を片付けたあとに「4本目の最後のカットが撮れていなかった」と気づくことです。
防ぎ方は、場所を離れる前に、撮影リストを本ごとに読み直すことです。組み替えた表の「どの本の素材か」の列を指でたどり、その場所で撮るはずのカットが本ごとにそろっているかを確かめます。
あわせて、撮りはじめに本の番号を映しておきます。カチンコがなければ、番号を書いた紙を数秒映すだけでかまいません。何十本もの素材が並んだときに、どのカットがどの本のものか、編集する人が迷わずに済みます。
入口だけを変えた案を何通りか撮っておくと、出してからの比べ方が増えます。まとめ撮りの日は、その撮り足しにも向いています。
あわせて読みたいショート動画は1本で当てにいかない。複数パターンを同時に出す考え方まとめ撮りの組み立てから、お任せいただけること
- 企画の段階で、何本ぶんを1日で撮るかを決め、場所ごとの撮影リストに組み替える
- 撮影・編集・運用を同じチームで受け持ち、撮った素材を投稿の順番まで並べる
- 入口を変えた複数の案を同じ日に撮り、出してから2週間の結果で寄せていく
- 撮影の手順と撮影リストの作り方を社内に渡し、自分たちで回せるようにする内製化支援
縦型動画は、発注から3〜5週間が標準です。撮影は東京・横浜を拠点に全国へ出張しています。ご相談の窓口から、「月に何本くらい出したいか」だけでもお知らせください。

撮り終えた時点で、全部の本の素材がそろってる。これがまとめ撮りのいちばんのごほうびです。
よくある質問
まとめ撮りは、1日に何本くらい撮れますか?
1本あたりの場面の数、場所の数、話す回がどれだけあるかで大きく変わります。場所が少なく、手元や商品のカットが中心なら本数は増やしやすく、話す回が多いほど減ります。最初は少なめの本数で組み、終わった時間を見て次回の本数を決めます。
まとめ撮りした動画は、季節がずれて見えませんか?
投稿する時期に合わない物が映らないように、背景の商品や窓の外、服装に気をつけます。季節の話題を入れる回は、投稿の時期を決めてから撮ります。
社員が出る動画を何本もまとめて撮ると、負担が大きくなりませんか?
話す回を一人に集めると負担は大きくなります。話す回を元気な時間に寄せ、休憩を入れ、手元のカットは別の人に頼むなど、出る人ごとの出番を分けて組みます。
まとめ撮りと毎週撮るのは、どちらがいいですか?
撮影の準備に手間がかかる業種や、出る人の予定が合わせにくい会社はまとめ撮りが向きます。その日の出来事や反応に合わせて作りたい投稿は、短い撮影を別に入れるほうが合います。両方を組み合わせることもできます。
