会議室で社長のひと言を撮ったら、顔が暗くて目の下にくまができたみたいになりました。照明を買うしかないでしょうか。

買い足す前に、まず今ある明かりの向きを変えてみてください。それだけで顔つきが変わりますから。
室内で撮った動画を見返すと、思ったより暗い、顔に影が落ちて疲れて見える、ということがよくあります。天井の照明を全部点けても、あまり変わりません。上から当たる光は、部屋を明るくしても、顔の目の下や鼻の下には影を作るからです。
照明で大事なのは、明るさより光がどこから当たるかです。顔の斜め前から光を当て、反対側の影を少し薄くし、人と背景を離す。この3つを押さえれば、手元にある照明でも見え方は大きく変わります。
この記事では、室内の照明の3つの役割、置き方の手順、場面ごとの配置、ちらつきや色で失敗しない方法を書きます。窓の光の使い方などスマホ撮影の基本は、別の記事にまとめています。
あわせて読みたいスマホで縦型動画を撮るコツ。画角・光・音・手ブレの基本をまとめてこの記事の要点
- 光は「明るさ」より「どこから当たるか」で決まる
- 主な光は顔の斜め前、少し高い位置から
- 撮る前に10秒撮って、ちらつきと影を確かめる
照明には3つの役割がある
人を撮る照明は、役割で分けると3つです。全部そろえなくても、どの役割が足りないかが分かると直し方が見えてきます。
| 役割 | 置く場所 | ないと起きること |
|---|---|---|
| 主な光 | 顔の斜め前、目より少し高い位置 | 顔が暗い、表情が読み取れない |
| 影を薄める光 | 主な光の反対側。弱めに | 顔の片側が真っ黒に沈む |
| 後ろの光 | 人の後ろや背景 | 人が背景に溶け込み、平べったく見える |
いちばん効くのは主な光です。照明が1つしかないなら、まずこれに使います。影を薄める光は、照明でなくても、白い板や白い壁で光を返すだけで足ります。後ろの光は、背景にある卓上ライトや棚の照明を点けるだけでも役目を果たします。
置き方は、顔の斜め前・少し上から
照明を1つ置くときの手順です。
- 01天井の照明を確かめる真上からの光が強すぎるなら、撮る人の真上だけ消すか、立つ位置を半歩ずらす
- 02主な光を置く顔の正面から少し横にずらした斜め前に、目より少し高い位置から当てる
- 03反対側を見る顔の反対側が暗く沈んでいたら、白い板を向けるか、弱い光を足す
- 04人を壁から離す壁から1歩でも前に出てもらうと、壁に落ちる影が目立たなくなる
- 0510秒撮って見る目の下の影、鼻の影、眼鏡の反射を、撮った画面で確かめる
主な光は、真正面から当てると顔が平らに見え、真横から当てると片側だけが強く浮かびます。斜め前の位置にすると、顔に自然な立体感が出ます。
光をやわらかくしたいときは、光を大きくします。照明を直接人に向けず、白い壁や天井に当てて返すと、光が広がって影の縁がやわらぎます。薄い布や紙を照明の前にかける方法もありますが、熱を持つ照明には近づけないでください。
眼鏡をかけた人は、レンズに照明が映り込むことがあります。照明を少し高くするか、横にずらすと映り込みが外れます。

目の中に照明の小さな光が映ると、表情がいきいきして見えるんです。撮れたらちょっとうれしいですよ。
場面ごとの置き方
撮るものが変わると、光を当てたい場所も変わります。
| 場面 | 置き方 | 気をつけること |
|---|---|---|
| 1人で話す | 主な光を斜め前、反対側に白い板 | 背景が暗すぎるなら、後ろに小さな明かりを足す |
| 2人の対談 | 2人の間の前方から、両方に当たる位置に1つ。足りなければ1人に1つ | 片方だけ明るく、片方が暗くならないように |
| 手元・作業 | 手の向こう側か真上から | 手や体の影が作業の上に落ちない向き |
| つやのある物(瓶・金属・包装) | 横から、大きくやわらかい光 | 正面から当てると照明がそのまま映り込む |
例えば、雑貨店がガラスの器を紹介するなら、正面から照明を向けると、器の表面に照明の形がくっきり映ります。横から白い壁に当てて返した光を使うと、映り込みが目立たず、ガラスの輪郭がきれいに出ます。
手元を撮るときは、作業する人の体が光をさえぎらないかを見ます。職人の手元を撮っていて、体の影で肝心の部分が暗くなっている、ということは珍しくありません。光を手の向こう側から当てると、影は手前に落ちて作業の上にはかかりません。
ちらつきと色の混ざりを防ぐ
照明の向きが整っても、撮った画に縞模様やちらつきが出ることがあります。照明の明滅と、カメラが1コマを撮る時間が合わないときに起きる現象で、フリッカーと呼ばれます。
日本の電気の周波数は、おおむね東日本が50Hz、西日本が60Hzです。カメラメーカーのソニーの解説では、50Hzの地域で蛍光灯の下で撮るとちらつきが出ることがあり、シャッタースピードを1/100秒にすると抑えられるとしています。カメラやスマホのアプリに「フリッカー低減」のような設定があれば、オンにしておきます。LEDの照明は製品によって明滅の仕方が違い、設定を変えても残ることがあります。そのときは、その照明を消して、撮影用に置いた照明だけで撮るのが確実です。

ちらつきは、撮影中の小さな画面だと見落としやすいんです。帰ってから大きな画面で気づくと、本当に落ち込みます。
色の混ざりにも注意します。窓からの光と電球色の照明が同じ顔に当たると、片側が青っぽく、片側がオレンジっぽく写ります。窓の光か室内の照明か、どちらかにそろえてください。
窓の光は時間とともに強さも向きも変わります。撮影が長くなるなら、窓の光に頼りきらず、置いた照明を主な光にしておくと、前半と後半で明るさがそろいます。
照明の要る撮影も、まとめてお引き受けします
HEART CREATIONは、企画から撮影・編集までを同じチームで受け持っています。照明も、撮る場面と狙いが決まってから、どこに何を置くかを決めます。
- 撮影場所の明るさと窓の位置を見て、照明の置き方を組み立てる
- 社内で撮り続けたい会社には、撮影手順と編集ルールを3〜6か月でお渡しする
- 拠点は東京・横浜。撮影は全国へ出張する
社内で撮った動画が暗くて困っている、という段階からでもご相談ください(サービス一覧)。

照明が要る撮影なら、機材ごと現場に伺います。重たい物運びは任せてください。
よくある質問
照明は何灯あればいいですか?
1人が話す場面なら、主な光の1灯と、反対側の影を薄める白い板があれば撮れます。背景が暗く沈むときに、後ろの光を足します。数より、まず1灯を顔の斜め前に置けているかを確かめてください。
リングライトを正面に置けば十分ですか?
顔全体が明るくなり、影は出にくくなります。ただ、正面からの光は顔が平らに見えやすく、眼鏡や瞳に輪の形が映ります。気になるときは、少し横にずらすか、高さを変えてみてください。
夜に室内で撮影しても大丈夫ですか?
置いた照明で明るさを作れれば撮れます。窓の外が真っ暗だと、窓ガラスに照明や部屋が映り込むので、カーテンを閉めるか、窓が背景に入らない向きで撮ります。
白い板の代わりになるものはありますか?
白い画用紙、発泡スチロールの板、白いシーツなどで代わりになります。光を当てたい側に向けて、角度を少しずつ変えながら、影の薄くなる位置を探してください。
