集客にかけられるお金が、ほとんどありません。SNS、広告、ホームページ……どれから手を付ければいいんでしょう。

買う人に近いところからです。まだ知らない人に知ってもらうのは、いちばん最後でいいんですよ。
予算が少ないとき、多くの会社は「まず知ってもらわないと」と考えて、SNSの投稿や広告から始めます。ところが、知ってもらうための施策は、お客さんから最も遠い場所にあります。少ないお金で届く人数は限られ、効果が見えるまでに時間もかかります。
順番は逆です。もう連絡しようとしている人を逃していないか。一度買ってくれた人が、また来たり誰かに勧めたりしているか。探している人に見つけてもらえるか。まだ知らない人に届けるのは、その後です。
この記事では、使い道を4つの段に分ける考え方、段ごとに確かめること、お金で買うものと時間で作るものの分け方、今の使い道から優先順位を決める手順を扱います。金額の目安は、業種と目的で大きく変わるため扱いません。
この記事の要点
- 買う人に近い段から、お金と時間を使う
- 取りこぼしを止めるのが、いちばん早く効く
- 止めたら消えるものより、残るものに使う
順番は「買う人に近いところ」から
集客の使い道は、相手が買うことにどれだけ近いかで4つの段に分けられます。
| 段 | 相手 | 使い道の例 | 効き始め |
|---|---|---|---|
| 1. 取りこぼしを止める | もう連絡しようとしている人 | 電話・予約・問い合わせの受け方、営業時間の表示 | すぐ |
| 2. 今のお客さん | 一度買った・来た人 | 次の来店の連絡手段、紹介してもらうきっかけ | 早い |
| 3. 探している人 | 検索や地図で比べている人 | 地図の情報、サイトの中身、口コミへの返信 | 少しかかる |
| 4. まだ知らない人 | SNSや広告で偶然出会う人 | 投稿、広告 | 時間かお金がかかる |
上の段ほど、相手はすでに買う気持ちに近く、少ない手間で数字が動きます。下の段ほど、届ける相手は多い一方で、お金か時間をまとめてかけないと結果が見えにくくなります。
例えば、駅から少し離れた整骨院なら、1段目は「電話に出られない施術中の予約をどう受けるか」、2段目は「通い終えた人に、季節の変わり目に一言送れるか」です。ここが整っていない状態で4段目の広告に予算を回すと、呼んだ人をまた取りこぼすことになります。
1段目と2段目:近くにいる人を逃さない
1段目は、お金をかける前に、まず確かめるだけで見つかる穴です。
- 営業中に電話に出られない時間があり、折り返しの仕組みがない
- 予約や問い合わせの入口が、SNS・サイト・地図でばらばらになっている
- 地図やサイトの営業時間・定休日が古いまま
- サイトがスマホで読みにくく、電話番号を押せない
- 問い合わせへの返事が、翌日以降になることが多い
どれも、直すのに大きな予算は要らないことが多い項目です。ここが直ると、今と同じ数の人が来ても、予約や問い合わせになる件数が増えます。

広告で人を呼んでも、電話がつながらなければ穴の空いたバケツ。担当の方が汗だくになるだけなんです。
2段目は、今のお客さんです。初めての人に来てもらうより、一度来た人にもう一度来てもらうほうが、伝えることが少なくて済みます。次の来店を思い出してもらう連絡手段があるか、紹介してもらうための一言やカードを渡しているか。この2つを確かめます。

行きつけのラーメン屋さんって、常連さんの「また来たよ」で回っている店が多いですよね。会社も同じなんです。
3段目と4段目:お金で買うか、時間で作るか
下の2段は、使い道によって「お金で早く買えるもの」と「時間をかけて作るもの」に分かれます。限られた予算で考えるときは、止めたあとに何が残るかも並べて見ます。
| 使い道 | お金でできること | 時間で作るもの | 止めたら残るか |
|---|---|---|---|
| 広告 | 今すぐ、決めた相手に届ける | ― | 止めたら届かなくなる |
| SNSの投稿 | 撮影や編集を外に頼む | 投稿の積み重ねと、見てくれる人 | 投稿は残る |
| サイト・写真 | 作る、撮る | 中身を足していく | 残る |
| 地図・口コミ | ― | 情報の更新、口コミへの返信 | 残る |
予算が少ないうちは、止めたら消えるものより、残るものに使うのが基本です。お店の写真を一度きちんと撮っておけば、地図にもサイトにもSNSにも使い回せます。地図の情報は、Googleビジネスプロフィールなら無料で整えられます。
当社の造園事業でも、剪定や伐採の解説記事を300本以上載せた読みもの「庭の手帖」を作っています。探している人に判断材料を渡すための記事で、時間をかけて積み上げていく3段目の使い道の一つです。
広告を使うなら、最初は「何を確かめるか」を1つに絞って小さく試し、効いた形が見えてから広げます。少ない予算での試し方は、こちらにまとめています。
あわせて読みたい広告を少額で試すときの組み方。予算が少ないほど、確かめる問いは1つに今の使い道から、優先順位を決める手順
新しく何かを始める前に、今お金と時間を何に使っているかを書き出すところから始めます。
- 01使い道を書き出す広告費、外注、ツールの月額、担当者の時間を1枚に並べる
- 024つの段に振り分けるそれぞれが、どの段の相手に向けたものかを書く
- 03上の段から穴を探す1段目と2段目に、手つかずの項目がないかを確かめる
- 041つだけ選ぶいちばん上の段の穴から1つ選び、3か月続ける
- 05数字で見直す予約や問い合わせの件数、「何で知ったか」の答えで、次の段に進むか決める
書き出すと、成果を確かめないまま続けている有料のツールや、誰も見ていない媒体が出てくることがあります。そこを止めるだけで、上の段に回せる予算と時間が生まれます。
地図とSNSの役割分担は、こちらの記事で詳しく扱っています。
あわせて読みたいGoogleビジネスプロフィールとSNSのつなぎ方。地図で確かめる人を来店へ限られた予算の使い道を、HEART CREATIONと一緒に
- 再生数ではなく、その先に増やしたい数字を先に決め、どの段から手を付けるかを整理する
- 続けている施策のうち、止めたほうがいいものも含めてご提案する
- 企画の型や撮影の手順を3〜6か月でお渡しし、社内で回せる形にしていく
予算が決まっていない段階でも、ご相談いただけます。初回は無料で、オンライン60分でもお受けしています。

まずは今の使い道の棚卸しから。段ボールを開けるみたいに、意外なものが出てくるんですよ。
よくある質問
集客の予算が少ないとき、SNSと広告のどちらを先にやるべきですか?
どちらの前に、電話や予約の受け方、地図の情報など、もう来ようとしている人を逃していないかを確かめます。そのうえで、すぐ結果を確かめたいなら広告を小さく、時間をかけられるならSNSから始めます。
小さな会社のマーケティング予算は、どうやって決めればいいですか?
金額から決めるより、何を1件増やしたいか、その1件でどれだけ利益が残るかから考えるほうが判断しやすくなります。使い道を4つの段に分けて、上の段から順に割り当てていきます。
お金をかけずにできる集客は、何から始めればいいですか?
地図の情報を最新にする、口コミに返信する、来店したお客さんに次の連絡手段を案内する、といった近い段の作業から始めます。どれも時間はかかりますが、止めても積み上がったものが残ります。
予算が少ないうちは、ホームページを後回しにしてもいいですか?
地図やSNSで、営業時間や予約の入口、料金の考え方が確かめられるなら、後回しにできることもあります。探している人が比べるときに確かめたいことが見つからない場合は、1ページだけでも先に整えます。
