LPのABテストをやってみたいんです。ボタンの色を変えて比べようと思っているんですが、それで合っていますか。

試したい気持ち、すごくいいと思います。ただ、蹴り出す前に「何が分かったら次に進めるか」を1行にしておきましょう。
LPの成果を上げたいと思ったとき、ABテストはまず名前が挙がる方法です。ただ、始めてみたものの、1か月たっても差がはっきりせず、どちらを残せばいいのか分からないまま終わる、という話はよく聞きます。
原因の多くは、テストを始める前の組み方にあります。比べる2つの案の違いが小さすぎる、前の月と今月を比べてしまう、勝ち負けの線を決めずに数字を眺める。どれも、始めてからでは取り返せません。
この記事では、LPのABテストを、同じ期間に・半分ずつ・決めた数字で比べる組み方として書きます。1行目の言葉そのものの作り方は扱いません。
この記事の要点
- ABテストは「同じ期間に、半分ずつ」見せて比べる
- アクセスが少ないほど、違いの大きい2案で比べる
- 勝ち負けの線は、始める前に書いておく
ABテストは、同じ期間に半分ずつ見せて比べる
ABテストは、LPを見に来た人をA案とB案に分け、同じ期間に、それぞれの案から申し込みや問い合わせがどれだけ来たかを比べる方法です。
よく混同されるのが、「先月はA案、今月はB案」という前後の比較です。これはABテストにはなりません。月が変われば、季節も、広告の配信先も、世の中の話題も変わります。例えば、エアコン清掃の会社が6月にB案へ切り替えて申し込みが増えたとしても、それが案のおかげなのか、暑くなったからなのかは区別できません。
同じ期間に半分ずつ見せれば、季節や曜日や広告の影響は、A案とB案に同じようにかかります。残る違いは案の違いだけ、という状態を作るのがABテストの組み方の土台です。
アクセスが少ないLPほど、大きく違う2案で比べる
中小企業のLPでいちばん多いつまずきは、アクセスに対して違いが小さすぎることです。ボタンの色や文言の言い回しのような小さな違いは、差が出たとしてもわずかです。わずかな差を偶然と見分けるには、たくさんの人数が要ります。
コインを10回投げて表が6回出ても、「表が出やすいコインだ」とは言えません。問い合わせが月に十数件のLPで、A案が7件、B案が5件だったときも同じです。その差は、同じ案どうしを比べても普通に起きる範囲です。
| 比べるもの | 違いの大きさ | 少ないアクセスで答えが出るか |
|---|---|---|
| ボタンの色・形 | 小さい | 出にくい |
| ボタンの文言、見出しの言い回し | 小さい〜中くらい | 出にくい |
| 最初に見せる約束(安さか、早さか、安心か) | 大きい | 出やすい |
| 申し込みの形(無料相談か、見積もりか、資料か) | 大きい | 出やすい |
| ページの長さ・構成ごと | 大きい | 出やすい |
アクセスが限られているなら、上の表の下3行のように、お客さんの判断を変えそうな大きな違いで比べます。例えば、外構工事の会社なら「最短で来週見に伺います」と早さを約束するA案と、「工事のあとも定期点検つき」と安心を約束するB案。どちらのお客さんが多いのかが分かれば、LP全体の方向が決まります。
細かな言い回しの比べ方は、方向が決まり、アクセスが増えてからで間に合います。

アクセスの少ないLPでボタンの色を比べると、答えが出る前に季節が変わっちゃうんですよね。
振り分けの方法と、検索への配慮
A案とB案に人を分ける方法は、主に3つあります。
| 振り分け方 | 向いている場面 | 気をつけること |
|---|---|---|
| ABテストの機能やツールで、同じURLのまま出し分ける | 検索や紹介など、いろいろな道から人が来るLP | ツールの設定どおりに分かれているか、最初に自分で確かめる |
| URLを2つ用意し、半分ずつ転送する | 構成ごと変えた2案を比べたいとき | 転送の種類と、検索エンジンへの伝え方 |
| 広告の配信を2つに分け、行き先をA案・B案にする | 広告からの人がほとんどのLP | 広告の側の条件(予算・相手)をそろえる |
URLを分けるときは、検索への影響にも気を配ります。Googleの検索セントラルの説明(2026年10月時点)では、テストのために検索エンジンにだけ違う中身を見せること(クローキング)はしない、B案のURLには元のページを正規のURLとして示す(rel="canonical")、転送は恒久的な301ではなく一時的な302を使う、テストが終わったらB案や転送を早めに片づける、とされています。
どの方法でも、どちらの案から申し込みが来たのかを区別して数えられなければ、比べられません。フォームの送信やボタンのタップを案ごとに数える準備は、テストを始める前に済ませておきます。
勝ち負けは、始める前に決めた線で判断する
テストが始まると、毎日のように数字を見て、少し差が開いた日に勝ちを決めたくなります。その判断は、たまたま差が開いた日に当たっているだけかもしれません。
始める前に、次のことを紙1枚に書いておきます。
- 01確かめたいこと「早さと安心、どちらの約束で申し込みが増えるか」のように1文で
- 02比べる数字申し込み、問い合わせなど、成果の数字を1つ
- 03期間見る日を決める。件数が少なければ延ばすことも書いておく
- 04判定の線何件の差がついたら、どちらに寄せるか
- 05終わったあと勝った案に寄せるのか、次は何を比べるのか
期間中は、どちらかの案の文言を途中で直したり、広告の予算や配信先を変えたりしないこと。社内の人が何度もLPを開くと数字が混ざるので、計測から社内のアクセスを外す設定もしておきます。
判定の線を自分で決めにくいときは、ABテストの有意差を計算するツールを使う方法もあります。ただ、計算より先に大事なのは、始める前に線を書いておくことです。終わってから線を引くと、どうしても勝たせたい案の側に寄ってしまいます。
広告の複数案の比べ方は、考え方の多くが共通しています。あわせて読むと、組み立てがつかみやすくなります。
あわせて読みたい広告クリエイティブは何パターン用意するか。複数案の作り方と比べ方
差が開き始めると、つい早めにゴールしたくなる。そこはぐっとこらえて、決めた日まで走らせてください。
差が出なかったテストも、答えの1つ
決めた期間が終わって、A案とB案にほとんど差がなかった。これは失敗ではありません。「お客さんはその違いでは判断を変えない」という答えが出た、ということです。
差が出なかったときは、次のように読みます。
- 比べた違いが小さすぎた:次はもっと大きく違う2案にする
- どちらの案も、お客さんの気になるところに触れていなかった:問い合わせで実際に聞かれることを見直す
- そもそもLPまで来る人が、申し込む段階にいない:LPではなく、手前の広告や動画を疑う
差が出たときも、出なかったときも、何を比べて、どうなったかを1行ずつ記録しておきます。半年もたてば、「うちのお客さんは早さより安心で動く」のような、自社だけの手がかりがたまります。
1行目の言葉そのものを見直したいときは、別の記事で作り方をまとめています。
あわせて読みたいLPファーストビューの作り方。1行目のキャッチコピーに何を書くか
差が出なかったのも、立派な答えです。お客さんがそこを気にしていない、と分かったわけですから。
ABテストの組み方から、ご一緒します
- 何を比べるかの整理:今のアクセス数で答えが出る違いを、一緒に1文にするところから
- B案のLP制作:構成ごと変えた案も、同じチームで作ります(LPは6週間が目安、修正2回込み)
- 計測の準備:どちらの案から申し込みが来たかを、公開前に数えられるようにします
- 広告・動画との組み合わせ:広告の配信を分けて比べる設計まで
HEART CREATIONは、1本で当てにいかず、入口を変えた複数の案を同時に出して、2週間で結果を見て寄せていく進め方を基本にしています。追う数字も、テストを始める前に決めます。初回のご相談は無料で、オンライン60分でもお受けしています。サービスの一覧もご覧ください。

今のLPで何を比べたら答えが出そうか、そこから一緒に考えましょう。どうぞ気軽に。
よくある質問
LPのABテストは、アクセスが少なくてもできますか?
できます。ただし、ボタンの色のような小さな違いでは差が見分けにくいので、約束の中身や申し込みの形など、大きく違う2案で比べます。件数が少ないうちは、期間を長めに取る前提で計画します。
ABテストをすると、検索の順位に影響しますか?
Googleは、検索エンジンにだけ違う中身を見せない、B案に元のページを正規のURLとして示す、転送は302を使う、終わったら片づける、といった進め方を案内しています。その範囲で行えば、影響は抑えられます。
3案以上を同時に比べてもいいですか?
比べられますが、案が増えるほど1案あたりの人数が減り、答えが出るまでに時間がかかります。アクセスが限られているなら、まず2案で方向を決め、そのあと細かく比べるほうが早く進みます。
ABテストの結果は、どの数字で判断すればいいですか?
申し込みや問い合わせなど、LPで増やしたい成果の数字1つで判断します。滞在時間やスクロールの深さは、理由を考えるときの手がかりとして使い、勝ち負けの基準にはしません。
ABテストが終わったら、負けた案はどうすればいいですか?
ページや転送の設定は早めに片づけ、何を比べてどうなったかを記録に残します。負けた案の中に、次のテストの手がかりが入っていることもあります。
