SNSの研修で「まずペルソナを作りましょう」と言われました。でもネットには「ペルソナは意味ない」という話もあって。作るべきなんでしょうか。

名前、年齢、趣味はカフェ巡り…って書いていって、それで企画が変わるかどうか、なんですよね。
ペルソナは、商品やサービスを使ってくれる人を、架空の1人として具体的に書き表したものです。マーケティングの研修や本では、最初の手順としてよく出てきます。
一方で、「作ったけれど使っていない」「意味がなかった」という声も多く聞かれます。作るのに何時間もかけたのに、投稿の企画を考えるときには一度も開かない。そういう資料になってしまうことが少なくありません。
ペルソナに意味があるかどうかは、作り方と使い方で決まります。この記事では、意味がないと言われる理由、作ったほうがいい場面と要らない場面、役に立つペルソナの書き方と使い続ける方法を書きます。
この記事の要点
- ペルソナは、作る人どうしが同じ1人を思い浮かべるための道具
- 作るなら年齢や趣味より「困っている場面」から書く
- 想像で埋めず、実際のお客さんの言葉で書く
「ペルソナは意味ない」と言われる理由
意味がないと言われるペルソナには、共通する作り方があります。
| よくある作り方 | 起きること |
|---|---|
| 年齢・年収・家族構成・趣味を埋めていく | 項目は埋まるが、何を投稿すればいいかは分からない |
| 会議室で想像して作る | 作った人の好みや、こうであってほしい客像になる |
| 1人に絞りすぎる | 実際のお客さんの多くが当てはまらず、企画が狭くなる |
| 作って終わりにする | 共有フォルダに置かれたまま、誰も開かない |
いちばん大きいのは、企画に関係のない項目を埋めてしまうことです。「趣味はカフェ巡り」と書いても、駅前の整骨院が何を投稿すべきかは決まりません。項目を埋めること自体が目的になると、ペルソナは飾りになります。

言いにくいんですが、想像だけで作ったペルソナって、作った人の好みがそのまま出ちゃうんです。
作ったほうがいい場面、要らない場面
ペルソナは、どんな会社にも要るわけではありません。役に立つのは、複数の人が同じ相手を思い浮かべる必要があるときです。
| 作ったほうがいい場面 | 要らない、または後でいい場面 |
|---|---|
| 企画・撮影・投稿をする人が複数いる | 店主1人が企画から投稿まで受け持っている |
| 撮影や編集を外に頼む | 毎日お客さんと話していて、顔がすぐ浮かぶ |
| 客層が2つ以上あり、投稿ごとに相手を分けたい | 相手を一言で言えて、社内で食い違いがない |
| 新しい商品で、まだお客さんが少ない | 先に追う数字や「何屋か」が決まっていない |
右の列の最後は、順番の問題です。SNSの先で増やしたい数字や、自分たちが何屋なのかが決まっていないうちにペルソナを作っても、何のための1人なのかがぶれます。その決め方は別の記事に書きました。
あわせて読みたい会社のSNS、何から始める?アカウントを作る前に決める3つ作るなら、属性より「場面」から書く
役に立つペルソナは、年齢や趣味ではなく、その人が困っている場面から書きます。項目は次のくらいで足ります。
| 項目 | 書くこと | 例(駅前の整骨院) |
|---|---|---|
| 困っている場面 | いつ、どこで、何に困っているか | 夕方、デスクで首が回らなくなる |
| これまで試したこと | 自分で何をやってみたか | ストレッチ動画を見たが続かない |
| 比べている相手 | ほかに何を検討しているか | マッサージ店、整形外科 |
| 迷っている理由 | 行動しない理由 | 通い続けないといけないのでは |
| その人の言い方 | お客さんが実際に使う言葉 | 「肩こり」ではなく「首がガチガチ」 |
こう書くと、投稿の題材がそのまま出てきます。「夕方のデスクで1分でできること」「通う回数の目安」「マッサージ店との違い」。どれも、この1人の迷いに答える投稿です。最後の「その人の言い方」は、投稿の一文目やテロップの言葉にそのまま使えます。
年齢や性別は、書いてもかまいませんが、ここから企画が生まれることはあまりありません。広告で配信先を絞るときに使う程度で十分です。
想像で埋めず、実際のお客さんから作る
作り方は、会議室で考えるより、最近のお客さんに話を聞くほうが早く、正確です。
- 01最近のお客さんを5人選ぶ初めて来た人や、新しく契約した人から選ぶ
- 0210分ずつ話を聞く来る前に困っていたこと、ほかに検討したもの、決めた理由を聞く
- 03言葉をそのまま書き留める要約せず、お客さんの言い方のまま残す
- 04共通する場面でまとめる5人に共通する困りごとの場面を1つか2つにまとめる
- 051枚にする上の5項目を1枚に書き、社内と外の依頼先に共有する
5人に聞くと、たいてい2つほどの型に分かれます。そのときはペルソナを2人にします。3人以上に増やすと、投稿ごとにどれを向くかで迷うので、多くても2〜3人に収めます。

最近のお客さんに電話して、「なんでうちにしたんですか」って5分聞くだけでも、かなり見えてきますよ。
作ったペルソナを、使い続ける
ペルソナは、使う場面を決めておかないと開かれなくなります。使いどころは主に3つです。
- 企画を決めるとき:「この人は、この投稿を保存するか」で企画会議の判断をそろえる
- 外に頼むとき:撮影や編集の依頼先に、1枚をそのまま渡す
- 数字を見るとき:反応がよかった投稿が、ペルソナのどの場面に答えていたかを振り返る
そして、半年から1年に一度は、お客さんの話を聞き直して書き換えます。客層は少しずつ変わるので、古いペルソナのまま企画を続けると、知らないうちに今のお客さんとずれていきます。

作ったペルソナ、だいたい共有フォルダの奥でぐっすり寝てるんですよ。企画会議の机に出しておいてください。
投稿のネタを、お客さんからの質問や現場から拾う方法は、別の記事にまとめています。ペルソナの「困っている場面」と合わせて使うと、ネタ帳が埋まりやすくなります。
あわせて読みたいショート動画のネタ切れを防ぐ。企画アイデアの出し方と仕組み化相手を決めるところから、お手伝いできること
HEART CREATIONは、企画・撮影・編集・運用を同じチームで受け持っています。相手の像を決めた人と、企画して撮る人が同じなので、途中で「誰に向けた動画か」がずれにくい進め方です。
- 最近のお客さんの言葉から、困っている場面を一緒に洗い出す
- ペルソナを、企画の判断と撮影の依頼に使える1枚にまとめる
- その1人に答える投稿を複数パターン出し、2週間で結果を見て寄せていく
「ペルソナを作るべきか分からない」という段階でも構いません。サービスの内容はこちらにまとめています。

1人の顔がはっきりすると、投稿を考える時間がぐっと短くなりますよ。
よくある質問
ペルソナとターゲットの違いは何ですか?
一般に、ターゲットは「30代の働く女性」のように、狙う客層の範囲を指します。ペルソナはその中の1人を、困っている場面や言葉まで具体的に書いたものです。範囲を決めるのがターゲット、企画の判断をそろえるのがペルソナ、と分けると使い分けやすくなります。
ペルソナは何人作ればいいですか?
1〜2人、多くても3人までが目安です。人数が増えるほど、投稿ごとにどの人に向けるかで迷います。お客さんに話を聞いて、困っている場面がはっきり分かれるときだけ増やします。
ペルソナに年齢や年収は必要ですか?
書いてもかまいませんが、企画に使うことはあまりありません。広告の配信先を決めるときに参考にする程度です。それより、困っている場面や比べている相手を書くほうが、投稿の中身につながります。
お客さんがまだいない場合、ペルソナはどう作りますか?
似た商品を買っている人や、試作品を試してくれた人に話を聞いて作ります。想像だけで作った場合は仮のものとして扱い、最初のお客さんが来たら話を聞いて書き直します。
BtoBでもペルソナは役に立ちますか?
役に立ちます。会社として買う場合も、調べて比べて社内に説明するのは1人の担当者です。その人が社内で何を聞かれて困るかまで書いておくと、投稿や資料の中身が決めやすくなります。
