最初の10本くらいは出せたんですけど、もう撮るものが思いつかなくて。

10本目あたりで、みんな一度ぐったりするんですよ。でも尽きたのはネタじゃなくて、探す場所のほうなんです。
ショート動画を始めた会社がつまずきやすいのが、数週間たったころのネタ切れです。最初は「商品の紹介」「お店の紹介」「スタッフの一日」と出せるものがあっても、ひと通り出し終えると、次に何を撮ればいいか分からなくなります。
ネタが尽きたように感じるのは、たいてい会議室で、社内の人の頭の中だけから探しているときです。ネタの多くは、お客さんとのやりとりや、毎日の作業の中にあります。探す場所を決めて、そこから拾い続ける仕組みを作れば、ネタ切れはかなり防げます。
この記事では、ネタが見つかる5つの場所、1つのネタを何本かに分ける方法、ネタを集め続けるためのネタ帳の作り方をまとめます。台本の書き方や投稿の頻度は扱いません。
この記事の要点
- ネタは頭の中ではなく、お客さんと現場の中にある
- 1つのネタは、切り口を変えれば何本かになる
- ネタ帳を1か所に作り、週に1回選ぶ日を決める
ネタが尽きるのは、会社の言いたいことから探すから
ネタ出しの会議で最初に挙がるのは、たいてい「会社が伝えたいこと」です。新商品、こだわり、会社の歴史。どれも大事ですが、数には限りがあります。しかも、見る人が知りたいこととずれていることも少なくありません。
見る人の側から探すと、ネタの数は一気に増えます。例えば、町の自転車屋さんなら、会社が言いたいのは「品ぞろえ」や「修理の腕」でしょう。一方、お客さんが知りたいのは「空気はどのくらいで入れればいいか」「パンクしにくいタイヤはあるか」「子ども乗せはいつまで使えるか」といった、目の前の困りごとです。こちらは、お客さんが来るたびに新しく増えていきます。
ネタの元は、会社の外にあります。ネタ出しは「考える」より「拾う」作業だと考えると、ぐっと楽になります。
ネタが見つかる5つの場所
拾う場所を決めておくと、ネタ出しで迷わなくなります。
| 場所 | 拾えるもの | 例(ハウスクリーニング店の場合) |
|---|---|---|
| お客さんの質問 | 電話・メール・店頭・コメントで聞かれたこと | 「重曹とクエン酸、どっちを使えばいい?」 |
| 現場の工程 | 毎日の作業の一場面、道具、手順 | 換気扇を分解していく順番 |
| 季節と暦 | 季節の困りごと、年中行事、天気 | 梅雨前のカビ、年末の大掃除 |
| 失敗とやり直し | よくある失敗、プロでも迷うところ | やりがちな洗剤の混ぜ方の注意 |
| 比べてみる | 道具・やり方・before/after の比較 | 100円のブラシと業務用のブラシ |
いちばん頼りになるのは、1つ目のお客さんの質問です。同じ質問が何度も来るなら、それは同じように困っている人がほかにもいるということです。電話で3回聞かれたことは、動画にすれば、まだ電話をしてこない人にも届きます。
2つ目の現場の工程も、社内の人ほど見落としがちです。毎日やっている作業は「当たり前」に見えますが、外から見ると初めて見る景色であることが多いからです。
3つ目の季節と暦は、先に並べておけるのが強みです。梅雨、夏休み、年末といった時期ごとの困りごとを1年分書き出しておけば、「今月は何を撮るか」で迷う時間が減ります。同じ困りごとは毎年同じ時期にやってくるので、前の年の動画を見直して撮り直すこともできます。
4つ目の失敗とやり直しは、完成形だけを見せるより、見る人が自分を重ねやすいネタです。プロが「ここは今でも迷う」「最初はこうしてしまいがち」と話すと、見る人は自分の家や自分の仕事に置き換えて考えはじめます。

ネタって、休憩中の雑談にいちばん転がってるんですよ。「今日こんなこと聞かれてさ」が、そのまま1本になります。
1つのネタを、切り口を変えて何本かに
拾ったネタは、1本で使い切らなくて構いません。同じテーマでも、切り口を変えれば別の動画になります。
例えば、工務店が「冬の窓の結露」というネタを拾ったとします。
- 結論だけ:結露を減らすために今夜できることを1つだけ見せる
- 手順:結露をふき取ってカビを防ぐ順番を見せる
- 失敗:やりがちな対策と、それが逆効果になる理由を見せる
- 比べる:内窓を付けた部屋と付けていない部屋の窓を並べる
- 質問に答える:「結露って家の寿命に関係ありますか?」に答える
これで1つのネタから5本です。見る人にとっては、どれも「自分の家の窓の話」なので、同じテーマが続いても飽きにくく、むしろ「この会社は窓に詳しい」という印象が残ります。
同じ中身で冒頭だけを変える試し方もあります。冒頭の作り方は、別の記事にまとめています。
あわせて読みたいショート動画の冒頭2秒で何を見せるか。フックの型と作り方
1つのネタで1本、と思うと苦しくなるんです。同じ話を、角度を変えて何回もしていいんですよ。
ネタを集め続ける仕組みを作る
ネタ出しを担当者ひとりの頑張りにすると、いずれ止まります。ネタが自然にたまっていく仕組みを、最初に作っておくのがおすすめです。
- 01ネタ帳を1か所に作る共有のスプレッドシートなどに「日付・拾ったこと・どこで拾ったか・切り口・撮ったか」の列を作る
- 02入口を気軽にする現場の人は、スマホのメモやチャットに一言送るだけでよいことにする。書き写すのは担当者の仕事にする
- 03週に1回、選ぶ日を決める15分ほどでネタ帳を眺め、次に撮るものを選ぶ。考える日ではなく、選ぶ日にする
- 04投稿後に反応を書き足す保存やコメントが多かったネタに印をつけ、同じ場所からまた拾う
2つ目の「入口を気軽にする」が続くかどうかの分かれ目です。現場の人にきれいな企画書を求めると、誰も書かなくなります。「〇〇さんに××って聞かれた」の一言で十分です。
4つ目を続けると、ネタ帳の中で「よく反応がある場所」が見えてきます。例えば、お客さんの質問から拾ったネタは保存が多い、現場の工程から拾ったネタはコメントが多い、といった傾向です。それが分かれば、次にどこから拾えばいいかも決まっていきます。

ネタ帳に「次に撮りたい」が10個たまったら、もう怖いものなしです。会議の空気が全然変わりますよ。
HEART CREATIONでお手伝いできること
ネタ切れは、ネタ出しのやり方と、集める仕組みの両方で防げます。HEART CREATION では、こんな形でご一緒しています。
- お客さんの質問や現場の工程から、ネタを拾い出す企画会議を一緒に行う
- 1つのネタを入口の違う複数パターンにして出し、2週間ほどで結果を見て、次に寄せる方向を決める
- 企画の型や数字の見方を3〜6か月かけてお渡しし、社内でネタを回せるようにする内製化支援
企画から撮影・編集・運用まで、同じチームでお引き受けしています。サービスの全体はこちらにまとめています。

ネタ帳の型が欲しくなったら、いつでも声をかけてください。最初のページから一緒に作れますので。
よくある質問
ショート動画のネタは、ほかの会社の動画を参考にしてもいいですか?
どんなテーマが見られているかを知るために参考にするのは構いません。ただ、構成や言い回しをそのまま真似ると、自社らしさが出ず、見る人の記憶にも残りにくくなります。テーマだけ借りて、答えは自社の現場やお客さんの言葉から作るのがおすすめです。
同じネタを何回も使うと、飽きられませんか?
同じ動画を出し直すのでなければ、同じテーマを扱っても問題ありません。結論だけ・手順・失敗・比較など、切り口を変えれば別の動画として見てもらえます。反応がよかったテーマほど、角度を変えてもう一度扱う価値があります。
流行りの企画に乗ったほうがネタに困りませんか?
流行りの企画は手軽にネタになりますが、それだけに頼ると、流行りが去ったときにまたネタに困ります。流行りに乗るのは時々にとどめ、お客さんの質問や現場の工程など、自社の中から拾えるネタを軸にしておくと安定します。
ネタ出しは誰が担当するのがいいですか?
拾うのは現場の全員、選ぶのは担当者、と役割を分けるのがおすすめです。お客さんと話す人や作業をする人のほうが、ネタに出会う回数が多いためです。担当者は、集まった一言をネタ帳にまとめて選ぶ役に回ると続きやすくなります。
