料理の動画を毎週出していて、いいねも付くんです。でも、お客さんが増えた感じがしなくて。

おいしそうなのに、どこの店か分からない動画。実はすごく多いんですよ。
飲食店のショート動画は、料理という見栄えのする題材がある分、始めやすい分野です。スマホで湯気の立つ一皿を撮れば、それなりに反応も付きます。ところが、いいねの数ほど客席は埋まらない。そう感じている店主の方は少なくありません。
理由の多くは、動画の中身ではなく「見た人が店まで来る道」が途切れていることにあります。飲食店の動画の役目は、料理を見せることではなく、近くにいる人に「今度行ってみよう」と思わせ、迷わず店の前まで連れてくることです。
この記事では、飲食店ならではの料理の映し方と、動画から来店までの道筋のつなぎ方を順に整理します。
この記事の要点
- どこの店か、毎回の動画で伝える
- 料理は完成した皿より、できあがる瞬間
- 店名・営業日・予約の入口までをそろえる
見てほしいのは、来られる距離にいる人
ネットショップの商品と違い、飲食店は来てもらわないと売上になりません。どれだけ遠くの人に見られても、来られない人の「おいしそう」は客席を埋めません。見られた数と売上がずれる話は、別の記事でくわしく書いています。
あわせて読みたい再生数と売上が比例しない理由。バズっても売れない動画のずれ近くの人に向けて作るなら、まず毎回の動画で「どこの店か」が分かるようにします。例えば、駅から歩いて3分のラーメン店なら、冒頭か最後に駅名と店名を文字で入れる。店の看板やのれん、店の前の通りを1秒だけ映す。地元の人なら「あの角の店か」と分かる手がかりを置くのです。
料理の名前より先に、街の名前を覚えてもらうくらいの気持ちで構いません。近くに住む人、近くで働く人にとっては、その一言が「自分に関係のある店」の合図になります。
料理は、できあがる瞬間を映す
料理の動画でよく見るのが、完成した皿を真上から撮って終わる形です。きれいですが、写真でも伝わります。動画で見せたいのは、その手前の数秒です。
- 鉄板にのせた瞬間の音と煙
- 箸で持ち上げた麺から立つ湯気
- 包丁を入れたときの断面、とろりと流れるソース
- 仕上げにかける一振り、注がれるスープ
こうした場面は、厨房の中にいる人しか撮れません。お客さんが撮る写真とは違う、お店の動画ならではの画です。量を伝えたい料理なら、器の横に手やお箸を入れると大きさが分かります。
撮るのは、営業中より仕込みの時間やお昼と夜の間の時間が向いています。忙しい時間に厨房でスマホを構えると、料理も撮影も中途半端になりがちです。

チーズがのびる、肉汁があふれる。見ている人から「おお」が出る瞬間、そこだけは絶対に逃さないでください。
料理だけでは、行く店は決まらない
おいしそうな料理を見ても、「でも自分が行って大丈夫な店か」が分からないと足は向きません。人は、誰と、どんなときに行くかで店を選ぶからです。来店の場面ごとに、映しておきたいものを並べるとこうなります。
| 来店の場面 | 確かめたいこと | 映すもの |
|---|---|---|
| ひとりのお昼 | ひとりで入りやすいか、早く出てくるか | カウンター席、注文から料理が出るまで |
| 家族での食事 | 子どもを連れて行けるか | 座敷やいす、取り分けやすい料理 |
| 仕事帰りの2〜3人 | 落ち着いて話せるか | 夜の店内の明るさ、お酒と一品 |
| 歓送迎会・宴会 | 人数が入るか、予約が要るか | 個室や広い席、コースの並び |
全部を1本に入れる必要はありません。お昼の客を増やしたいならひとりのお昼の場面を、宴会の予約を増やしたいなら宴会の場面を、増やしたい客に合わせて選びます。料理が同じでも、映す席と時間帯を変えるだけで、届く相手が変わります。
もう一つ、初めての人が気にするのが値段の見当です。壁のメニューや店先の黒板を1秒映すだけで、「お昼に気軽に入れる店か」「記念日に使う店か」の見当がつきます。入る前の不安が1つ減れば、そのぶん足は向きやすくなります。
動画から店の前まで、道を切らさない
「行ってみよう」と思った人は、たいてい店名で検索し、地図で場所と営業時間を確かめます。この流れのどこかで引っかかると、来店はそこで止まります。
- 01店名の書き方をそろえる動画の文字、アカウント名、地図アプリの登録名で表記を同じにする。読みにくい店名は読み方も添える
- 02営業日と時間を最新にする臨時休業や季節の営業時間の変更は、動画を出す前に地図アプリの情報から直す
- 03いつ来ればいいかを言う「今週末まで」「お昼だけ」など、その料理がいつ食べられるかを動画の中で伝える
- 04予約や問い合わせの入口を1つ決める電話・予約サイト・LINEのどれで受けるかを決め、説明文とプロフィールで同じ入口を示す
予約をLINEで受ける場合の組み立ては、こちらにまとめています。
あわせて読みたいLINEで予約・問い合わせを受けるには。受付の流れの組み立て方来店につながったかどうかは、お店でしか分かりません。注文のときや会計のときに「何で知りましたか」とひと言聞くだけでも、どの動画が客席に届いているかが見えてきます。

動画を見て来てくれた人が、臨時休業のシャッターの前で帰っていく。いちばん悲しいパターンなんですよ。
HEART CREATIONがご一緒できること
飲食店の動画は、料理の撮り方と、店までの道筋の両方がそろって初めて来店につながります。HEART CREATION では、こんなところからお手伝いしています。
- 増やしたい来店の場面(お昼・家族・宴会など)を決め、それに合わせて映すものを組み立てる
- 仕込みの時間に合わせて撮影に伺い、編集まで同じチームで仕上げる
- 店名の表記、予約の入口、来店の数え方まで、動画の先を整える
追う数字は再生数ではなく、来店や予約の数にします。初回のご相談はこちらから、オンラインでも受け付けています。

東京・横浜以外のお店にも、撮影には出張で伺います。仕込みの邪魔にならないよう撮りますね。
よくある質問
飲食店のリールやショート動画は、何時ごろに投稿するといいですか?
お客さんが「今日どこで食べようか」と考える時間の少し前が一つの目安です。お昼の客を増やしたいなら午前中、夜なら夕方前といった具合です。ただ店によって反応は違うので、時間を変えて出し、自分の店の数字で確かめてください。
営業中に店内で撮影しても大丈夫ですか?
撮ること自体はできますが、お客さんが映り込まないよう気をつける必要があります。顔や会話が入らない角度を選ぶか、仕込みの時間や休憩時間に撮るほうが安心です。料理も落ち着いて撮れます。
グルメ系のインフルエンサーに紹介を頼むのと、自分で動画を出すのと、どちらがいいですか?
役割が違います。インフルエンサーの紹介は一度に多くの人に知ってもらう手段、自分の動画は近くの人に何度も思い出してもらう手段です。紹介を頼む場合は、広告であることを分かるように表示してもらう必要があります。
新しいメニューがない時期は、何を投稿すればいいですか?
定番のメニューを、別の場面で見せ直してください。同じ料理でも、ひとりのお昼に食べる姿と、仕事帰りにお酒と合わせる姿では、届く相手が変わります。仕込みの様子や、季節で変わる付け合わせなども題材になります。
