テロップを入れたほうがいいとは聞くんですが、どこまで入れればいいのか分からなくて。

まずは「音を消して見ても、話が分かるか」。そこが合格なら、量はあとから調整できますよ。
ショート動画は、音を出さずに見られることが少なくありません。電車の中、職場の休憩中、家族が寝ている夜。音が出せない場面で、文字のない動画は「何の話か分からない動画」になり、すぐに次へ送られます。
一方で、テロップを入れればいいというものでもありません。話していることを全部文字にして画面いっぱいに並べると、読む前に送られます。文字がボタンや説明文に隠れて読めない、読み切る前に次の文字に変わる、という動画もよく見かけます。
この記事では、テロップの量・位置・速さ・見た目の4つに分けて、離脱を減らす入れ方をまとめます。どの言葉を画面に出すかは、台本の段階で決めておくのが前提です。
この記事の要点
- 音を消して見ても話が分かるかが合格ライン
- 画面の下と右はボタンに隠れるので避ける
- 声に出して2回読める長さだけ表示する
なぜテロップで離脱が変わるのか
ショート動画を見る人は、内容を理解してから飛ばすかどうかを決めているわけではありません。画面を見た一瞬で「分かるか、分からないか」を判断しています。
例えば、税理士事務所が「インボイスで困りやすい3つのこと」を話す動画を作ったとします。話している内容は役に立つのに、画面には事務所の背景と話す人の顔だけ。音を出していない人には、何の話をしているのかがまったく伝わりません。
同じ動画に「インボイスで困ること③」と一行出ているだけで、音がなくても何の話かが分かります。テロップの役目は、声の代わりに内容を運ぶことです。
もう一つの役目は、耳で聞いた人の理解を助けることです。数字や固有名詞、専門用語は、耳だけだと聞き逃しやすい言葉です。「延床面積」「住民税の普通徴収」のような言葉は、文字で見せると伝わり方が変わります。
テロップを入れる前提になる「何を話すか」は、台本で決まっています。台本の書き方はこちらにまとめました。
あわせて読みたいショート動画の台本の書き方。冒頭のあとの構成と、表1枚の書式量:全部書くか、要点だけ書くか
テロップの入れ方は、大きく3つに分けられます。
| 入れ方 | 画面に出すもの | 向いている動画 |
|---|---|---|
| 字幕型 | 話している言葉をほぼすべて | 話し手が一人で語る解説、インタビュー |
| 要点型 | 一番伝えたい言葉と数字だけ | 手順、作業風景、商品の紹介 |
| 見出し型 | 冒頭や場面の区切りに一言 | 映像だけで伝わる作業、料理、施工 |
話し手が語る動画は、言葉が中身そのものなので、字幕型が合います。ただし、言いよどみや「えー」「あの」まで文字にする必要はありません。意味が変わらない範囲で短く整えます。
手元の作業や料理のように、画で伝わる動画は、全部を文字にすると画の邪魔になります。この場合は要点型で、「強火で30秒」のような、画だけでは分からない情報だけを出します。
どの型でも、1画面に出すのは1〜2行までを目安にしてください。3行を超えると、読み終わる前に画面が変わりやすくなります。

全部の言葉を手で打つのは、正直かなり疲れる作業です。要点型で足りる動画も多いんですよ。
位置:ボタンと説明文を避ける
ショート動画の画面には、投稿後にいいねやコメントのボタン、アカウント名、説明文が重なります。おおむね画面の下と右側です。編集アプリでは見えていたテロップが、投稿したら説明文の下に隠れていた、ということが起こります。
テロップを置く位置で気をつけたいのは、次の3つです。
- 画面の下の端と右の端には置かない。やや上、中央寄りに置く
- 話している人の顔、商品、手元など、見せたいものに重ねない
- 字幕型のテロップは、動画の最初から最後まで同じ高さに揃える
3つ目は見落とされがちです。テロップの位置が場面ごとに上下すると、見る人の目もそのたびに探し直すことになり、読む負担が増えます。
撮影の段階で被写体をやや上寄りに置いておくと、テロップを置く場所も確保しやすくなります。撮り方の基本はこちらにまとめています。
あわせて読みたいスマホで縦型動画を撮るコツ。画角・光・音・手ブレの基本をまとめて速さ:読み切れる時間だけ出す
テロップが読み切れないと、見る人は内容を取りこぼし、そのまま離れていきます。作り手は中身を知っているので、自分で見ると短い表示でも読めてしまいます。速さの確認は、中身を知らない人の目で行う必要があります。
- 01声に出して読む表示されている間に、テロップを声に出して2回読めるかを試す
- 02切り替えを声に合わせる話している文の区切りと、テロップの切り替えをそろえる
- 03数字は長めに残す金額、日時、回数などは、ほかの文字より少し長く表示する
- 04知らない人に見せる社内で中身を知らない人に、音なしで見てもらう
文の途中でテロップを切り替えると、読む側は前の行を覚えたまま次を読むことになります。「冷凍したパンは/焼く前に湿らせる」のように、意味の切れ目で分けると読みやすくなります。

編集した本人が見ると、速くても読めちゃうんです。これ、意外な落とし穴なんですよ。
見た目:背景から浮かせ、色は増やさない
テロップの文字は、どんな背景の上でも読めることが条件です。白い壁の前で白い文字を使うと、背景に溶けて読めなくなります。
| よくある見づらさ | 直し方 |
|---|---|
| 背景と文字の色が似ている | 文字にふちを付けるか、帯を敷く |
| 文字が細くて小さい | 太めの書体にし、スマホの画面で大きさを確かめる |
| 色が多くて目が散る | 基本の色を1つ、強調の色を1つまでにする |
| 書体が場面ごとに違う | 1本の動画で使う書体は1〜2種類にそろえる |
強調の色は、一番伝えたい語にだけ使います。あちこちを色付きにすると、どれが大事かが分からなくなります。
最後に、誤字は必ず確かめてください。音声から自動で文字を起こす機能を持つ編集アプリもありますが、店名や商品名、地名は誤変換されやすい言葉です。テロップの誤字は、内容そのものへの信用を下げてしまいます。
HEART CREATIONでご一緒できること
テロップは編集の最後に足すものに見えて、実は企画と台本の段階から決まっています。HEART CREATION では、次のようなところからお手伝いしています。
- 台本の段階で「画面に出す言葉」まで決め、撮影・編集を同じチームで仕上げる
- 社内で編集を続けたい会社には、テロップを含む編集ルールを3〜6か月でお渡しする
- 動画で増やしたい数字を最初に決め、出したあとの結果を見て言葉を寄せていく
ご相談はこちらから。初回は無料で、オンライン60分でもお受けしています。

「うちの動画、テロップ多すぎないかな」くらいのご相談でも大丈夫です。気軽に声をかけてください。
よくある質問
ショート動画のテロップは、話していることを全部入れるべきですか?
話し手が語る動画なら、ほぼ全部を入れる字幕型が合います。手元の作業や料理のように画で伝わる動画は、要点だけを出すほうが見やすくなります。動画の中身に合わせて選んでください。
テロップのフォントは何を使えばいいですか?
スマホの小さな画面でも読める、太めのゴシック体が使いやすいです。1本の動画で使う書体は1〜2種類までにそろえ、場面ごとに変えないようにすると読みやすくなります。
テロップの文字の大きさの目安はありますか?
決まった数値より、実際にスマホの画面で見て読めるかで判断するのが確実です。編集用の大きな画面で見ると小さくても読めてしまうため、仕上がりは必ずスマホで再生して確かめてください。
自動字幕の機能だけで済ませてもいいですか?
文字起こしの手間は大きく減りますが、そのまま使うのはおすすめしません。店名や商品名、専門用語は誤変換されやすいので、必ず一度読んで直してから出してください。
音楽だけの動画にもテロップは必要ですか?
映像だけで伝わる動画なら、冒頭と区切りに一言入れる見出し型で十分なことがあります。何の動画かが音なしでも分かるか、という点だけは確かめておくと安心です。
