動画の最後は、毎回ロゴと「ご覧いただきありがとうございました」で締めています。丁寧にしているつもりなんですが……。

ロゴが出た瞬間、見てる人の指はもう次の動画へ逃げてます。最後の3秒、もったいないんですよ。
ショート動画を作るとき、冒頭には時間をかけても、終わり方はなんとなく決めている会社が少なくありません。テレビCMのように社名とロゴで締める。「ありがとうございました」と頭を下げる。音楽をフェードアウトさせて暗転する。どれも丁寧ですが、見ている人にとっては「終わった」という合図にしかなりません。
最後の3秒は、見終わった人が次に何をするかを決める時間です。プロフィールを開くか、もう一度見るか、そのまま次の動画へ進むか。終わり方を変えると、同じ本編でもその後の動きが変わります。
この記事では、終わりに置く画と言葉の選び方、最後を最初につなぐループの作り方、終わりだけを変えて比べる手順を書きます。冒頭の作り方と台本全体の組み立ては扱いません。
この記事の要点
- 最後の3秒は「終わりの合図」ではなく、次の行動の入口
- 締めは結果の画と、3秒で言い切れる一言で止める
- ループは、もう一度見る理由があるときだけ作る
よくある終わり方で起きていること
まず、よく見かける終わり方と、そのとき見る人に起きていることを並べます。
| よくある終わり方 | 見る人に起きること | 置き換えるなら |
|---|---|---|
| ロゴと社名で締める | 広告だと分かった時点で指が動く | 社名は前半で出し、最後は結果の画で止める |
| 「ご視聴ありがとうございました」 | 何も起きない。次の行動の案内もない | お礼の代わりに、次に見てほしい場所を一言 |
| 音楽のフェードアウトと暗転 | 終わったと分かり、最後の数秒を待たずに離れる | 動きや言葉の途中で、すっと切る |
| 最後にお願いを3つ並べる | どれもされない | お願いは1つに絞る |
共通しているのは、本編が終わったあとに「締めのための時間」を足していることです。縦型の画面では、本編が終わったと感じた時点で次の動画へ送られます。足した3秒は、たいてい見られていません。
お願いを1つに絞る考え方は、台本の記事で書いています。この記事では、その1つをどんな画と言葉で見せるかに絞ります。
あわせて読みたいショート動画の台本の書き方。冒頭のあとの構成と、表1枚の書式締めの画は「結果」で止める
最後の画は、動画の中でいちばん見せたかったものの「その後」にします。よく使うのは次の3つです。
- 仕上がりの画:できあがった料理、片づいた部屋、整った髪。手を止めて、2秒ほどそのまま見せる
- 人の表情の画:説明していた人が、最後にカメラを見てひと言言う。話し終えた顔で止める
- まとめの画:手順や選び方を1画面に並べる。止めて読める画面にする
例えば、町の自転車店が「ブレーキの効きを確かめる3つの点検」を動画にするなら、最後は点検を終えた自転車が走り出す後ろ姿で止めるか、3つの点検を並べた1画面で止めるかのどちらかです。店の外観やロゴを最後に足すより、どちらかで終えたほうが、見た人の手元に何かが残ります。
まとめの画面で終えると保存されやすくなる理由は、保存とシェアの記事で書いています。ここで押さえておきたいのは、締めの画は「新しいもの」を出す場所ではないという点です。最後に初めて出てくる画は、見る人にとって別の話の始まりに見えます。

締めで頑張りすぎなくていいんです。仕上がりの画で2秒、のんびり止めておけば十分ですよ。
締めの言葉は、3秒で言い切れる長さに
最後の一言は、声でも文字でも、3秒ほどで言い終わる長さにします。長い締めの文は、言い終わる前に離れられます。
| 締めの言葉の型 | 向く動画 | 例(自転車店なら) |
|---|---|---|
| 言い切り | 知ってもらう・考え方を伝える | 「ブレーキは、効くうちに見せてください」 |
| 次回の予告 | 続きものの動画 | 「次は、タイヤの空気の話です」 |
| 行き先の案内 | 来店や問い合わせにつなげたい | 「点検は、予約なしで10分です」 |
| 問いかけ | 見た人に考えてもらいたい | 「最後に見たの、いつですか」 |
言葉を選ぶときは、画と言葉で同じことを繰り返さないようにします。走り出す自転車が映っているのに「これで安全に走れます」と言うと、言葉が画の説明になってしまいます。画が見せていないこと、たとえば「いつ来ればいいか」を言葉に任せます。
声と文字の関係も決めておきます。音を出さずに見ている人のために、最後の一言は文字でも画面に出します。文字は声より少し先に出し、声が終わってからも1秒ほど残すと、読み切ってもらえます。
ループは「最後」を「最初」につなぐ
縦型のショート動画は、最後まで見ると、そのまま頭に戻って流れ続けることがよくあります。YouTubeショートでは、2025年3月31日から、再生が始まった回数と繰り返し再生された回数が視聴回数として数えられるようになりました(2026年10月時点、YouTubeヘルプより)。一方で、見続けた人の数は「エンゲージビュー」という別の数字で分析画面に残っています。
この見られ方を使って、最後の画や言葉を冒頭につなげておくのがループです。つなぎ目に気づかずに、もう一度頭から見てもらえる作りです。
- 01言葉でつなぐ最後の一文が、冒頭の一言の前半になるように書く。「……だから、」で終わり、冒頭の「ここで差がつきます」に続く
- 02画でつなぐ最後の画を、冒頭と同じ構図・同じ立ち位置にそろえる
- 03音でつなぐ音楽の切れ目を、頭に戻ったときに自然につながる位置で切る
例えば、パン屋がバゲットを焼く動画なら、最後は焼き上がったバゲットを割る手元、冒頭は同じ手元が生地を丸めるところから始める。同じ手、同じ台の上なので、頭に戻っても続きの場面に見えます。

音のつなぎ目は、曲のサビ終わりで切るのがコツなんです。頭に戻ったとき、すっと次のフレーズに聞こえますから。
ただし、ループはすべての動画に向くわけではありません。見返すたびに新しい発見がある動画、手順を確かめ直したくなる動画では効きます。反対に、問い合わせや来店につなげたい動画で無理にループさせると、行き先を案内する一言が置けなくなります。どちらを優先するかは、その1本の目的で決めます。数字を増やすための仕掛けとしてではなく、もう一度見る理由がある動画にだけ使ってください。
ループの頭に来る冒頭の作り方は、こちらにまとめています。
あわせて読みたいショート動画の冒頭2秒で何を見せるか。フックの型と作り方終わりだけを変えて比べる
終わり方は、本編を変えずに差し替えられる場所です。同じ本編に、違う終わりを2〜3通り付けて出すと、どの締めが次の行動につながるかが見えてきます。
比べるときは、再生数ではなく、終わりのあとに起きることを見ます。
- 最後の数秒まで残っている人の割合(各アプリの分析画面の視聴の推移)
- プロフィールへのアクセスや、リンクのタップ
- 「動画を見て」と言って来た問い合わせや来店
撮影の日に、締めの画と言葉だけを2〜3通り撮り足しておけば、編集で付け替えるだけで済みます。HEART CREATIONが入口を変えた複数のパターンを同時に出すのと同じ考え方で、終わりも比べる対象にできます。
締めの一場面まで、一緒に組み立てます
最後の3秒は、動画の先にある数字に一番近い場所です。HEART CREATIONでは、再生数ではなく、その先の来店や問い合わせを最初に決めてから、終わり方まで組み立てています。
- 1本ごとの目的に合わせて、締めの画と最後の一言を決める
- ループさせる動画と、行き先を案内する動画を分けて企画する
- 終わりを変えた複数の案を出し、2週間で結果を見て寄せていく
企画から撮影・編集・運用まで同じチームで引き受けています(サービス内容)。初回のご相談は無料で、オンライン60分でも承ります。

今の動画の最後の3秒だけ、一緒に見直してみませんか。そこだけ撮り直すのも、すぐできますよ。
よくある質問
ショート動画の最後に、会社のロゴは入れないほうがいいですか?
入れてはいけないわけではありませんが、最後だけに頼ると、そこまで見ずに離れた人には社名が残りません。社名や店名は前半で一度出し、最後は結果の画や一言で止めるほうが、見た人の手元に残るものが増えます。
動画の最後に「フォローしてね」と入れるのは効果がありますか?
フォローしてもらう理由が本編にあれば、最後に一言添えることには意味があります。続きものの動画で「次は〇〇の話です」と予告するなど、フォローすると何が見られるのかを言葉にすると、ただお願いするより伝わります。
ループする動画は、どうやって作ればいいですか?
最後の画を冒頭と同じ構図にそろえるか、最後の一文が冒頭の一言につながるように書くのが作りやすい方法です。撮影の段階で、最初と最後を同じ立ち位置で撮っておくと、編集でつなぎやすくなります。
ショート動画の終わりに余韻を残すため、黒い画面を入れてもいいですか?
縦型のショート動画では、黒い画面や暗転は「終わった」という合図になり、その時点で離れられやすくなります。余韻を残したいときは、仕上がりの画や人の表情を2秒ほどそのまま見せるほうが向いています。
終わり方を変えたら、どのくらいの期間で効果を判断できますか?
同じ時期に終わり方だけを変えた2〜3本を出し、2週間ほどで比べるのが目安です。見るのは再生数ではなく、最後まで残った人の割合や、プロフィールへのアクセス、問い合わせなど、終わりのあとに起きることです。
