クリエイティブの日々 No.113

採用動画は
入社1日目の景色を撮る

採用動画の作り方。使う場面から決める企画と、本音が映る撮影

採用動画を作ることになりました。でも、社長のあいさつと社内の風景をつなぐくらいしか思いつかなくて。

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ご相談
古川
古川

求職者が見たいのは、きれいな社屋より現場の手の動きなんです。力仕事なら、その力仕事を見せればいいんですよ。

採用動画を作ろうとすると、会社案内のパンフレットを動画にしたような企画になりがちです。社長が理念を語り、社屋の外観が映り、笑顔の社員が並ぶ。作った側は満足しても、見た求職者には「どこの会社も同じ」と映ります。

求職者が採用動画で確かめたいのは、自分がそこで働く姿を思い浮かべられるかどうかです。誰と、どんな場所で、どんな作業をするのか。初日に何をするのか。会社の全体像より、入社した人が最初に目にする景色のほうが、応募するかどうかの判断材料になります。

この記事では、使う場面ごとの企画の分け方、入社1日目から組む中身、社員の本音が映る撮り方、仕事を止めない撮影の段取りを書きます。採用のためのSNSの運用は扱いません。

この記事の要点

  • 採用動画は「どこで見せるか」から企画を分ける
  • 中身は会社の全体像より、入社1日目に見る景色
  • 台本を読ませず、仕事の途中と先輩の言葉を撮る

採用動画は、使う場面から企画する

「採用動画を1本」と考えると、どこで使っても通用するものを作ろうとして、中身が薄くなります。先に、どこで誰に見せるかを決めます。

使う場面見る人の状態向く中身
求人サイト・求人票に添える何社も見比べている途中仕事の一場面と職場の空気。短く
採用ページ応募を考えはじめている先輩の話、1日の流れ。長めでも見られる
会社説明会・合同説明会その場で座って見ている会社の考えと現場の両方
面接の前後に送る応募はしたが迷っている一緒に働く人の顔と言葉

見比べている途中の人に、5分の社長インタビューは届きません。反対に、面接を終えて迷っている人には、配属先の先輩が話す数分の動画が背中を押すことがあります。同じ撮影の素材からでも、場面ごとに切り分けて作れば、それぞれの役目を果たせます。

中身は「入社1日目に見る景色」から組む

企画に迷ったら、入社した人が初日に見るものを順に書き出します。

  1. 01朝に見るもの集合場所、朝礼や申し送り、着替える場所
  2. 02最初に教わること初日や最初の週に任される作業と、教える人
  3. 03昼に見るもの休憩の場所、昼ごはんの取り方
  4. 04帰るときに見るもの片づけ、日報、終わる時間の様子

例えば、地域の運送会社なら、朝の点呼、先輩の助手席で回る最初の配達ルート、荷物の積み方を教わる手元、営業所に戻ってきたときの「お疲れさま」の一言。会社紹介では省かれる場面ばかりですが、求職者にとっては、自分がそこにいる姿を想像できる材料です。

このとき、楽な場面だけを選ばないようにします。夏の荷積み、冬の早朝の点呼。大変な場面と、それを周りがどう支えているかを一緒に映すほうが、入ってからの「思っていたのと違う」を減らせます。

もう一つ、給与や休日などの条件は、動画の中で言うなら求人票と一字一句そろえます。言い方が少しずれるだけで、どちらが正しいのかと不安にさせます。条件は求人票に任せ、動画は仕事の中身に使うほうが安全です。

本音を撮るには、台本を読ませない

社員に出てもらうとき、原稿を渡して読んでもらうと、どれほど良いことを言っていても、求職者には「言わされている」と聞こえます。採用動画で見られているのは、言葉の中身より、話している人の表情と声の調子です。

本音が映りやすい撮り方は、次のようなものです。

  • 話す場面より、仕事の途中を撮る。作業しながらの会話や、教える声のほうが自然に出る
  • 上司や社長がいない場で撮る。同席していると、言葉を選ぶようになる
  • 先輩から後輩へ話してもらう。「入ったころ、何に困った?」と、社員どうしで聞き合う形にする
  • 一度言った言葉を、きれいに言い直させない

HEART CREATIONの企業漫画『感動をデザインする』は、町工場の採用動画の話です。「バズらせて」という頼みを断って応募の数を追うと決め、用意した台本を捨てて本音を撮る流れを描いています。整った言葉より、現場で出てきた一言のほうが、見る人には残ります。

古川
古川

台本は、撮影の途中で捨てていいんです。カメラの横で「それ、もう一回」と言いたくなる一言が出たら、そっちが本番ですから。

出演してもらう社員の同意や、辞めたときの動画の扱いは、別の記事にまとめています。採用動画は長く使われるので、撮る前に決めておいてください。

あわせて読みたい社員がショート動画に出演するときの注意点。同意の取り方と退職後の扱い

仕事を止めない撮影の段取り

採用動画は、職場そのものが撮影場所です。撮影のために仕事を止めると、社員の負担が増え、撮れる画もかしこまったものになります。

  • 撮る日は、いつもどおりの仕事がある日にする。忙しすぎる日と暇すぎる日は避ける
  • 撮影の流れを、仕事の流れに合わせる。作業の順番を撮影のために入れ替えない
  • 作業着、ヘルメット、手袋などは、ふだんの安全の決まりどおりに身につけて映る
  • 書類の画面や取引先の名前など、映ってはいけない物を、撮る前に現場の人と確かめる

1日の撮影で、場面ごとに素材を撮り分けておくと、求人サイト用の短い版、採用ページ用の長めの版、説明会用の版を、あとから組み直せます。撮影の日までに会社側でそろえておくことは、撮影準備の記事で書いています。

古川
古川

面接に来た人から「動画で見た先輩に会いたくて」と言われたら、もう最高ですよね。そういう1本を一緒に作りたいんです。

採用動画の企画と撮影を、ご一緒します

採用動画は、作ること自体が目的ではありません。来てほしい人が応募し、入ってから長く働いてもらうための材料です。HEART CREATIONでは、再生数ではなく、応募や面接での反応といった数字を先に決めてから企画します。

  • 使う場面を決め、場面ごとに中身を分けた企画を立てる
  • 仕事を止めない段取りで、1日で複数の版の素材を撮る
  • 採用ページやLPの一行目まで、動画と同じ言葉でそろえる

企画から撮影・編集・運用まで、同じチームで引き受けています。ご相談はこちらから。初回は無料で、オンライン60分でも承ります。

古川
古川

工場でも店でも、現場まで撮りに伺います。まずは「どんな人に来てほしいか」から聞かせてください。

HEART CREATION

企画・撮影・編集・運用・LPまで、同じチームでお引き受けしています。

よくある質問

採用動画には、どんな社員に出てもらえばいいですか?

来てほしい人に近い立場の社員がおすすめです。未経験の人を採りたいなら、未経験で入って数年の先輩。求職者が「この人の数年後が自分」と重ねられる人が出ていると、動画の言葉が届きやすくなります。

採用動画に、社長は出たほうがいいですか?

出てもかまいませんが、社長の話だけで1本にするより、現場の場面と分けるほうが見られやすくなります。会社の考えを伝える社長の短い版と、現場の先輩の版を別に作ると、場面に応じて使い分けられます。

採用動画は、スマホで自分たちで撮っても大丈夫ですか?

大丈夫です。採用動画では、映像のきれいさより、本当の職場の様子が映っているかのほうが大事です。ただ、声が聞き取れないと使えないので、音だけは口元に近い位置で録るようにしてください。

採用動画は、一度作ったら何年くらい使えますか?

決まった年数はありませんが、出ている社員が辞めたときや、仕事の進め方・職場が変わったときは見直しが必要です。半年や1年ごとに、今の職場と動画の中身がずれていないかを確かめると安心です。

採用動画は、縦型と横型のどちらで作ればいいですか?

使う場面で決めます。スマホで見られる求人サイトやSNSに添えるなら縦型、説明会のスクリーンや採用ページで流すなら横型が合います。撮影の前にどちらを主にするかを決めておけば、1回の撮影で両方の素材を撮れます。

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