会議室でスマホを三脚に立てて撮ってみたんです。ちゃんと映ってはいるのに、なんだか素人っぽくて。

機材を運び込む前に、今ある物の置き場所を変えてみてください。それだけで見え方がかなり変わりますよ。
一人がカメラに向かって話す動画は、会社のYouTubeでいちばん作りやすい形です。会議室や事務所の一角で撮れて、出演者も一人で済みます。
ただ、撮ってみると「素人っぽい」と感じることがよくあります。原因の多くは、カメラやマイクの性能ではなく置き方です。背中が壁にくっついている、カメラが話す人を見下ろしている、マイクが口から遠い。どれも、置く場所を変えれば直せます。
この記事では、横長の画面で一人が話す動画について、配置の決め方、カメラの高さと画角、音の拾い方、背景の作り方、毎回同じセットを組むための記録をまとめます。照明の置き方は、別の記事で扱っています。
あわせて読みたい室内撮影の照明の置き方|動画が暗い・顔に影が出るときの直し方この記事の要点
- 配置は、話す人の位置を決めてから前後左右を置く
- カメラは目の高さ、マイクは口の近く
- 背景は壁から離し、仕事が分かる物を1つだけ
配置は、話す人の位置から決める
撮影の準備でまずカメラを立てたくなりますが、先に決めるのは話す人の位置です。そこを起点に、前にカメラ、近くにマイク、後ろに背景、斜め前に照明を置いていきます。
| 置くもの | 話す人から見た位置 | ねらい |
|---|---|---|
| 背景 | 後ろ。壁からは離れて座る | 壁に影が落ちにくく、奥行きが出る |
| カメラ | 正面、レンズが目の高さ | 見下ろし・見上げを避ける |
| マイク | 口の近く。画面の外か、目立たない所 | 部屋の響きより声を大きく拾う |
| 照明 | 顔の斜め前、少し上 | 顔に影が出にくい |
| 話す内容のメモ | カメラのすぐ横か下 | 目線が大きくそれない |
例えば、細長い会議室なら、話す人を短い壁の前に座らせるのではなく、部屋の長い方向に向かって撮ります。話す人の後ろに奥行きが残り、同じ部屋でも窮屈に見えません。机は壁際から離して、話す人と壁のあいだに人が一人通れるくらいの空きを作ります。
一人で話す動画を前提にしています。2人で話す動画の組み方は、対談・インタビュー動画の撮り方にまとめています。
カメラは、目の高さで、横長の画面に合わせる
パソコンで見るYouTubeの標準の縦横比は16:9です(2026年10月時点、YouTube ヘルプより)。話す動画は、この横長の画面に合わせて撮ります。
カメラの高さは、レンズが話す人の目と同じくらいになるようにします。机に置いたノートパソコンの内蔵カメラは、下から見上げる角度になりがちです。箱や本で台を作り、高さをそろえます。
画角は、話の中身で選びます。
- 話を聞いてほしい回は、胸から上。顔と表情に目が向く
- 手ぶりや、手に持った物を見せる回は、腰から上
- 小さな部品や書類を見せる回は、別に手元を寄りで撮り足す
どの画角でも、頭の上に少し余白を残し、目が画面の上のほうに来るようにすると落ち着いて見えます。画面のまん中に顔を置くと、頭の上が空きすぎて見えます。
もう一つ、撮影の設定もそろえておきます。YouTube ヘルプでは、動画は撮影したときと同じフレームレートでアップロードするよう案内しています(2026年10月時点)。シリーズの途中で設定が変わると、編集でつないだときに動きの印象が変わるので、最初に決めた設定を毎回使います。
音は、マイクの位置と部屋の響きで決まる
話す動画で、見る人が最後まで我慢してくれないのは、映像より音の悪さです。音は、マイクの位置と部屋の響きでほとんど決まります。
マイクは口に近いほど、声がはっきりして周りの音が小さくなります。胸元に付ける小さなマイクなら、服や髪がこすれない位置に付け、線は服の内側に通します。机に置くマイクやカメラの上に付けるマイクなら、画面のすぐ外まで寄せて、口に向けます。
部屋の響きは、ガラス・白い壁・何も置いていない床で強くなります。
- カーテンやブラインドを閉める
- 床にラグや厚手の布を敷く
- 話す人の正面に、棚や布など音を吸う物がある向きを選ぶ
- エアコン・換気扇・時計・スマホの通知など、止められる音は止める
撮る前に10秒だけ録って、イヤホンで聞き直します。録音の設定は、YouTubeの推奨アップロード設定で音声のサンプルレートが48kHzとされているので(2026年10月時点、YouTube ヘルプより)、録音する機器と編集の設定をそれにそろえておくと迷いません。

声さえ聞きやすければ、映像が少し地味でも最後まで見てもらえるんです。音だけは手を抜かないでください。
背景は、奥行きと「何の会社か」が分かる物を1つ
横長の画面は、縦型より背景が広く映ります。映る範囲が広いぶん、置く物と置かない物を決めておきます。
背景に置くのは、仕事が分かる物を1〜2つです。工務店なら木材や床材のサンプル、税理士事務所なら書類の棚、自転車店なら整備中の1台。物が何もない白い壁より、どんな会社が話しているかが伝わります。
逆に、映らないようにする物もあります。
- ホワイトボード、カレンダー、壁の掲示物(社外に出せない予定や数字が書かれていることがある)
- ほかの社員の席やパソコンの画面
- 窓(明るさが時間で変わり、逆光にもなる)
背景は、シリーズごとに同じにすると、何本か見た人に「いつものあの会社だ」と伝わります。別のテーマのシリーズを始めるときに、背景を変えます。撮影場所そのものの選び方は、こちらの記事にまとめています。
あわせて読みたい撮影場所の選び方|店内・屋外・オフィスで迷わない決め方と下見
真っ白な壁の前で10分話されると、見ているほうはだんだん眠くなっちゃうんですよ。
毎回同じセットを、すぐ組めるように記録する
会議室は撮影専用ではないので、毎回組んで、毎回片づけることになります。前回と少しずつ位置がずれると、同じシリーズなのに見え方が変わります。初めて組んだ日に、次の5つを残しておきます。
- 01床に印をつける椅子の脚と三脚の脚の位置に、はがせるテープを貼る
- 02高さを書く三脚の高さ、椅子の高さ、カメラのズームの位置をメモする
- 03写真を撮るカメラの側から1枚、横から1枚。机の上の物の並びも写す
- 04設定を書く解像度、フレームレート、マイクの入力の大きさ
- 05しまう場所を決めるカメラ・マイク・テープ・メモを1つの箱にまとめる
この記録があれば、出演者が替わっても、担当者が休んでも、同じセットを組めます。撮影の手順書に1ページ足しておくと引き継ぎも楽です。

床のテープと写真2枚。これだけで、次から組み立てがずいぶん早くなるんですよ。
撮影のセットから、一緒に組み立てます
HEART CREATIONでは、話す動画の撮影を、次のようなところからお手伝いしています。
- 社内の撮影できる場所を見て、配置と画角を一緒に決める
- 企画・撮影・編集を、分業せず同じチームで引き受ける
- セットの組み方や撮影の手順を、社内で回せる形にしてお渡しする
拠点は東京・横浜で、撮影は全国に伺います。サービスの全体はこちらにまとめています。

毎回すっと組めるセットができると、撮影がぐっと身軽になります。そこまで一緒に作りましょう。
よくある質問
ノートパソコンの内蔵カメラで、YouTubeの話す動画を撮ってもいいですか?
撮れます。気をつけたいのは角度で、机に置いたままだと見上げる画になりやすいので、台に載せてレンズを目の高さにします。声は内蔵マイクより、口の近くに置いたマイクで録るほうが聞きやすくなります。
話す動画は、座って撮るのと立って撮るのとどちらがいいですか?
長く話す回は座ったほうが体が揺れにくく、落ち着いて見えます。物を手に取って見せる回や、動きながら説明する回は立って撮ります。シリーズの中ではどちらかにそろえておきます。
背景は白い壁だけでもいいですか?
撮れないことはありませんが、何の会社か伝わりにくく、壁に影も落ちやすくなります。壁から離れて座り、仕事が分かる物を1〜2つだけ置くと見え方が変わります。
会議室を毎回片づけなければならず、セットが毎回変わってしまいます。
床の印、三脚と椅子の高さ、カメラ側と横からの写真を残しておくと、同じ位置に戻せます。機材とメモを1つの箱にまとめておくと、組むのも片づけるのも早くなります。
