クリエイティブの日々 No.167

社員の出演者は、
話す以外を外して育てる。

社員がYouTubeに出るとき|社内の出演者の育て方と負担の減らし方

社長の一声で、若手が会社のYouTubeに出ることになりました。3本撮ったところで、本人がすっかり疲れてしまって。

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ご相談
古川
古川

出てくれる人には、まず花束くらいの感謝を。そのうえで、話す以外の仕事を全部外してあげてください。

会社のYouTubeに社員が出ると、見る人には「この会社にはこういう人がいる」と伝わります。商品や会社の説明だけの動画より、人の顔と声があるほうが、相談の前の不安は小さくなります。

一方で、社員の出演は止まりやすい取り組みでもあります。よくあるのは、出演者が題材を考え、台本を書き、撮影の準備をし、コメントまで読んでいる形です。本業の合間にそれを続けるのは、どんなに前向きな人でも難しくなります。

この記事では、出演者の選び方、いきなり一人で話させない育て方、出演者の仕事を「話す」に絞る分担、振り返りの返し方、人が替わっても続くチャンネルの作り方をまとめます。出演の同意の取り方や退職したときの扱いは、別の記事で扱っています。

あわせて読みたい社員がショート動画に出演するときの注意点。同意の取り方と退職後の扱い

この記事の要点

  • 出演者は、話のうまさより「質問に答えられる人」から選ぶ
  • 答える役→進める役→ひとりで話す、の順で育てる
  • 準備・コメント・数字は担当者が持ち、出演者は話すだけ

出演者は、話のうまさより「答えられる人」から選ぶ

出演者を選ぶとき、つい「明るくて話がうまい人」を探しがちです。けれど会社のYouTubeで見る人が求めているのは、困りごとへの答えです。話し方は慣れで変わりますが、答えの中身は現場にいる人からしか出てきません。

候補向いているところ気をつけること
お客さんからよく質問される現場の人答えが具体的で、例がすぐ出てくる専門用語が多くなるので、言い換えを促す人をつける
話すのが好きな人場が明るくなり、撮影が楽しくなる中身は詳しい人が横で支える
入社数年の若手見る人に近い目線で話せる。採用にもつながる一人に任せきりにしない
社長・役職者会社としての考えや判断を話せる忙しく撮影日が動きやすい

例えば、地域の住宅設備の会社なら、ショールームで毎日お客さんの質問に答えている人が第一候補です。「ガスと電気、どっちの給湯器がいいの」と聞かれたときの答え方が、そのまま動画の中身になります。

候補は最初から2人立てておくと、片方が休んでも止まりません。出るかどうかは本人が決められるようにし、断ってもいいと先に伝えておきます。

いきなり一人で話させない。3段階で育てる

カメラの前で一人で10分話すのは、慣れた人でも難しいことです。最初から求めず、段階を分けて任せる範囲を広げます。

  1. 01答える役聞き手が質問し、出演者は答えるだけ。台本は要らず、問いのリストを前日に渡す
  2. 02進める役冒頭の名乗りと章の切り替えを本人が言う。聞き手は画面の外で相づちを打つ
  3. 03ひとりで話す問いのリストを見ながら、ひとりで1本を通す。聞き手はカメラの横に残って、つまったら次の問いを出す

次の段階に進むのは、本人が「次をやってみたい」と言ったときです。答える役のまま続けてもかまいません。聞き手と2人で話す形は、それだけで見やすい動画になります。2人を撮るときの組み方は、対談・インタビュー動画の撮り方にまとめています。

カメラの前での目線や話し方の練習は、こちらの記事で扱っています。

あわせて読みたいカメラの前で話すのが苦手な人へ|目線・話し方・練習のコツ
古川
古川

最初の1本が公開されたら、社内でちょっとしたお祭りにしてください。褒められると、2本目がぐっと楽になるんですよ。

出演者の仕事は「話す」だけにする

出演者が疲れる原因は、話すことより、その前後の仕事です。1本の動画に必要な仕事を書き出し、出演者には話すことだけを残します。

仕事持つ人
題材を決める担当者。出演者は「最近お客さんに聞かれたこと」を伝えるだけ
問いのリストを作る担当者
撮影の準備(場所・機材・小道具)担当者
話す出演者
編集・概要欄担当者、または外部
コメントを読んで返す担当者
数字を見る担当者。出演者には要点だけ伝える

出演者に台本を書かせないのが、続けるうえでいちばん効きます。文章を書くのが得意でない人にとって、台本づくりは撮影よりずっと重い仕事です。問いのリストなら、担当者が10分で作れて、出演者は覚えずに済みます。

古川
古川

撮影の前の晩に台本を書いている出演者さん、だいたい疲れ切ってるんですよ。それ、本人の仕事にしなくていいんです。

振り返りは、数字より先に場面を返す

公開した動画を出演者と見返すときは、直す所より先に、良かった場面を1つ伝えます。アナリティクスで多く見られていた場面や、コメントで反応があった言い回しは、本人にとっていちばん分かりやすい手ごたえです。

コメントは担当者が先に読み、良い反応を選んで伝えます。出演者が自分で全部を読む形にはしません。

数字を本人にも見てもらいたいときは、YouTube Studio のチャンネルの権限が使えます。「閲覧者(制限付き)」の役割なら、チャンネルの情報やアナリティクスを見られて、動画の編集や収益のデータには触れられません(2026年10月時点、YouTube ヘルプより)。本人のアカウントで見られるので、パスワードを共有せずに済みます。

直してほしい所は、1回に1つだけにします。「早口」「目線」「語尾」と3つ言われると、次の撮影で全部を気にして固くなります。

古川
古川

「分かりやすかった」ってコメントが付いた日のこと、出演者さんはずっと覚えているんです。必ず本人に届けてください。

人が替わっても続くチャンネルにしておく

社員の出演者は、いつか異動や退職で替わります。そのときにチャンネルごと止まらないよう、最初から人が替わる前提で作っておきます。

  • シリーズの名前を、出演者の名前やあだ名にしない。「○○さんの給湯器講座」ではなく「給湯器の選び方」にする
  • 名乗りは名前と一緒に役割を言う。「ショールーム担当の○○です」なら、次の人も同じ形で名乗れる
  • 問いのリストと撮影の手順は、担当者の手元に残しておく
  • 2人目の出演者を、1人目と並行して「答える役」から育てておく

繁忙期に撮影が止まるのも、よくある止まり方です。忙しくなる月が分かっているなら、その前にまとめて撮っておき、撮らない月を先に決めておきます。

出演者が話すことに集中できるように

HEART CREATIONでは、社員の方が出る動画づくりを、次のようなところからお手伝いしています。

  • 出演候補の方と話し、答えられる問いのリストを一緒に作る
  • 企画・撮影・編集・運用を同じチームで引き受け、出演者の手を話すことだけにする
  • 企画の型・撮影の手順・数字の見方を3〜6か月かけてお渡しし、社内で回せる形にしていく

「誰に出てもらうか決まっていない」段階でもかまいません。サービスの全体はこちらにまとめています。

古川
古川

まずは気楽に、出てもいいかなという人と30分話すところから始めてみてください。

HEART CREATION

企画・撮影・編集・運用・LPまで、同じチームでお引き受けしています。

よくある質問

話すのが苦手な社員でも、YouTubeの出演者になれますか?

なれます。最初は聞き手の質問に答える役から始めれば、ひとりで話す必要はありません。現場のことを具体的に答えられる人のほうが、話し上手な人より役に立つ動画になることも多いです。

出演者に台本を覚えてもらう必要はありますか?

覚えなくてかまいません。台本の代わりに問いのリストを渡し、問いに答えてもらう形で撮ります。覚えた文を読むより、自分の言葉で答えたほうが聞きやすくなります。

会社のYouTubeの出演者は何人いればいいですか?

最初から2人を候補にしておくと、休みや繁忙期でも止まりにくくなります。毎回同じ人である必要はなく、テーマごとに詳しい人が出る形でもかまいません。

出演していた社員が異動したら、チャンネルはどうすればいいですか?

シリーズ名を人の名前にせず、問いのリストを担当者が持っていれば、次の人が同じ形で引き継げます。それまでの動画をどう扱うかは、出演をお願いした時点で決めておきます。

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