動画生成AIで、うちの会社の紹介動画を丸ごと作れたりしませんか。撮影の手間が省けたらと思って。

丸ごとより、撮れない数カットを埋める道具と考えると、ぐっと使いやすくなりますよ。
文章を打ち込むだけで、それらしい映像ができる。動画生成AIの話を聞くと、撮影なしで動画が作れるのではと期待が膨らみます。一方で、試してみると「きれいだけど、うちの動画には使えない」と感じた、という声もよく聞きます。
答えの要点は、動画生成AIが得意なのは短いカットで、しかも「実物である必要がない場面」に限られる、ということです。会社の紹介や商品の説明のように、本物を見せることに意味がある動画では、主役はあくまで撮影した映像です。AIは、その前後や間を埋める役に回すとうまくいきます。
この記事では、今の動画生成AIでできることの目安、向く場面と向かない場面、1本の動画にAIのカットを入れるときに人が受け持つことを順に書きます。
この記事の要点
- 得意なのは数秒の短いカット。1本まるごとは任せない
- 向くのは、実物である必要がない場面と撮影前のコンテ
- 企画・選ぶ・つなぐ・確かめるは人が受け持つ
今の動画生成AIでできること、できないこと
動画生成AIには、文章から映像を作るもの、写真やイラストを動かすもの、最初と最後の画を指定して間をつなぐものなどがあります。どの作り方でも、1回に作れるのは短いカットです。例えばGoogleのVeo 3.1は、開発者向けの説明(Gemini API)で、1回に作る長さを4秒・6秒・8秒から選ぶ形になっています(2026年10月時点)。
| 得意なこと | まだ苦手なこと |
|---|---|
| 数秒の雰囲気のある場面 | 何十秒も続く、筋のある1本 |
| 光や天気、季節感の表現 | 同じ人物・同じ商品を、細部まで毎回そろえること |
| 実在しない場所や、比喩の映像 | 画面の中の日本語の文字 |
| 写真に少し動きを付けること | 実物どおりの商品、実際の店内や現場 |
同じ人物に見せ続けたい場合は、基準になる画像を添えて作る機能もあります。それでも、服のしわや手元の小物まで毎回そろうとは限りません。何本か作って、そろっているものを選ぶ前提で考えます。

8秒って、思ったより短いんですよ。でも、その8秒が撮れないカットなら、十分ありがたいんです。
向いているのは、本物である必要がない場面
使いどころは、次の4つに分けると考えやすくなります。
| 場面 | 使い方 | 例 |
|---|---|---|
| 撮影前のビデオコンテ | 完成のイメージを短い映像で並べ、関係者で共有する | 撮影の前に、カメラの動きや明るさを見てもらう |
| 比喩・説明の映像 | 目に見えないことを、たとえの映像で見せる | 学習塾が「計画が崩れていく様子」を積み木で表す |
| 場面転換・つなぎ | 話の区切りに入れる数秒の映像 | 季節が変わる空、朝から夜への移り変わり |
| 仕組みの図解を動かす | 図やイラストに動きを付ける | 工務店が、壁の中で断熱材が熱を止める様子を図で見せる |
中でも使いやすいのが、撮影前のビデオコンテです。言葉や絵コンテだけでは「どんな雰囲気の動画か」が人によって違って伝わります。AIで作った数秒の映像を並べて見せれば、社長と担当者と撮影する側が、同じ完成形を思い浮かべて当日を迎えられます。コンテの映像は、そのまま本編には使いません。あくまで打ち合わせの道具です。
比喩の映像も、AIが力を発揮するところです。例えば保険の代理店が「備えがないと、急な出費で家計が傾く」ことを伝えるのに、天秤が傾いていく映像を使う。本物を撮る必要がなく、しかも撮影しようとすると手間のかかる場面です。
向かないのは、見る人が本物だと受け取る場面
反対に、次のような場面ではAIの映像を使いません。
- 商品そのもの、料理、施工の仕上がり
- 実際の店内や工場、現場の様子
- お客様の声や、社員として見せる人物
見る人は、こうした映像を「この会社の本物」として受け取ります。そこにAIの映像を入れると、実物と違うものを見せることになります。広告で使う場合の権利や表示、審査の注意は、別の記事にまとめています。
あわせて読みたいAI画像・動画を広告に使うときの注意。著作権・AIの表示・審査の確かめ方YouTubeなどのSNSには、本物らしく見える生成の映像に、投稿時の表示を求める決まりもあります。迷ったら「この場面を、見た人は本物だと思うか」を自分に聞いてみてください。思うなら、撮影で用意します。

お店の料理をAIで作ったら、それはもう別の料理なんですよね。そこだけは撮ってください。
1本の動画にAIのカットを入れるとき、人が受け持つこと
動画生成AIを入れても、動画づくりの大半は人の仕事のままです。流れにすると次のようになります。
- 01企画と台本何を伝え、見た人に何をしてほしいかを決め、台本を書く
- 02カットを振り分ける台本の各カットを「撮る」「AIで作る」「図や文字で見せる」に分ける
- 03作って選ぶAIのカットは何本か作り、手の形や物の動きが不自然でないものを選ぶ
- 04つなぐ撮った映像とAIのカットを編集でつなぎ、音とテロップを入れる
- 05確かめる実在の人や他社のものに似ていないか、本物と誤解される場面がないかを見る
2つ目の振り分けが、仕上がりを決めます。台本を書いた段階で、AIに回すのは「撮れない」「撮ると手間がかかりすぎる」カットだけにします。撮れるものまでAIに回すと、動画全体が作り物っぽくなり、本物のカットまで疑われます。
3つ目の「選ぶ」も、手を抜けない工程です。AIの映像は、指の数が違う、液体が不自然に流れる、ドアが壁に吸い込まれる、といった崩れが混ざります。1本ずつ通して見て、違和感のあるものは使いません。
文字は、AIに描かせずに編集で入れます。店名や商品名を映像の中に描かせると、崩れた日本語になりやすいからです。
物語の形で発信する場合の考え方は、AIドラマ・AI漫画の記事にまとめています。当社でも、縦型のAIショートドラマを作っています(制作の話はMEDIAに)。
あわせて読みたいAIドラマ・AI漫画を企業の発信に使う。説明では伝わらないことを物語にするAIで作ったカットだけで、ショート動画を1本作るのはやめたほうがいいですか?
比喩やイメージだけで成り立つ内容なら、作れないことはありません。ただ、会社の発信として出すなら、どこかに本物の映像か、本物の声を入れておくと、見る人が「この会社の話だ」と受け取りやすくなります。

何本か作って、使えるのはそのうち一部。選ぶ目のほうが、作るより大事なんですよ。
動画生成AIの使いどころ探しから、HEART CREATIONでお手伝いできること
HEART CREATIONのAIサービスでは、AIを使った動画づくりを、企画・撮影・編集と同じチームでお引き受けしています。
- 台本の段階で、撮るカットとAIで作るカットを振り分ける
- 撮影前のビデオコンテを作り、完成のイメージを先にそろえる
- 撮った映像とAIのカットをつなぎ、撮影・編集の担当が最後に確認してから出す
再生数ではなく、その先の問い合わせや来店の数字を先に決めてから組み立てます。初回のご相談は無料で、オンライン60分でも承ります。

まずは1カットだけ、AIで試してみる。それくらいの軽さで始めていいんです。
よくある質問
動画生成AIで作った映像を、会社のSNSに載せてもいいですか?
載せること自体はできますが、各SNSには本物らしく見える生成の映像に表示を求める決まりがあります。実在の人や他社のものに似ていないか、本物と誤解されないかを確かめてから出します。
動画生成AIだけで、会社紹介の動画は作れますか?
会社紹介は、本物の社員や現場を見せることに意味がある動画です。AIは場面転換や説明の図解などに回し、主役は撮影した映像にするほうが伝わります。
動画生成AIで、同じ人物を何度も登場させられますか?
基準の画像を添えて作る機能を使えば、近い人物にはできます。ただ服や小物の細部までは毎回そろわないことがあるので、何本か作ってそろっているものを選びます。
動画生成AIの映像に、日本語のテロップを入れられますか?
映像の中に文字を描かせると崩れやすいので、テロップは編集で後から入れます。店名や商品名も同じです。
