今はSNSを外に頼んでいますが、いずれは社内で回したいと思っています。何から引き取ればいいですか?

いきなり全部引き取ると、投稿が止まりやすいんですよ。順番さえ決めれば大丈夫です。
SNSを外部に任せている会社が、いつか社内で回したいと考えるのは自然なことです。社内のほうが現場のネタに近く、思い立ったときに出せます。ただ、契約を終えた翌月から担当者に全部を任せると、多くの場合は投稿が止まります。作業のやり方は分かっても、「今週は何を出すか」「この1本は出していいか」を決められないからです。
内製化で引き取るのは、作業よりも判断です。外の人がどこを見て、何を基準に決めていたのか。それを一つずつ社内に移していきます。順番は、数字の見方から。企画、撮影、編集と、判断の根っこに近いものから渡すほうが、あとの工程が楽になります。
この記事では、引き取る順番、並走する期間に書き残すこと、外の手をどこまで残すか、卒業の基準の4つを書きます。担当者がひとりで回す日々の段取りは、別の記事で扱っています。
この記事の要点
- 引き取るのは作業より、判断の基準
- 数字の見方→企画→撮影→編集の順に渡す
- 卒業の基準を、始める前に決めておく
内製化は「判断」を引き取ること
SNS運用の工程には、それぞれ作業と判断があります。
| 工程 | 作業 | 判断 |
|---|---|---|
| 振り返り | 数字を表に写す | 何がよくて、次に何を変えるか |
| 企画 | ネタを出す | どれを、どの入口で出すか |
| 撮影 | カメラを回す | どのテイクを使うか、撮り直すか |
| 編集 | 切って文字を入れる | どこを削るか、何秒で終えるか |
| 投稿 | 予約を入れる | 出してよいか、いつ出すか |
作業は手順書があれば覚えられます。難しいのは右の列です。外の人は経験から判断していて、その理由を言葉にしていないことが多い。内製化がうまくいかない会社は、作業だけを引き取って、判断の基準を受け取らないまま契約を終えています。
引き取る順番は、数字の見方から
順番の目安は次のとおりです。
- 01数字の見方毎週の振り返りに同席し、何を見て「よかった」と言っているのかを担当者が説明できるようにする
- 02企画外の人が出した候補から担当者が選び、次に担当者が出した候補を外の人が直す
- 03撮影外の撮影に同行し、横で同じ場面をスマホで撮ってみる。次は担当者が撮り、外の人が見る
- 04編集型が決まった投稿から担当者が編集し、外の人は直しだけを入れる
- 05任せきる外の人は振り返りだけに残り、最後はそれも社内で回す
数字の見方を最初にするのは、それがあとの判断すべての根っこだからです。例えば、地域の学習塾なら「体験の申し込みにつながった投稿はどれか」が分かれば、企画で何を選ぶか、編集でどこを残すかが自然に決まっていきます。逆に数字が読めないまま企画を任されると、担当者は好みで選ぶしかありません。
伸びた理由を「アルゴリズムだから」で片づけないこと。当社が作ったSNS分析サイトSOCIAL DNAも、その考え方から、伸びた投稿に共通する構造を読み解く道具として作りました。数字を見る目が社内に育つと、外の人がいなくても次の1手を決められます。
並走の期間に、理由ごと書き残す
外の人と一緒に動いている期間は、やり方を写し取るいちばんの機会です。残したいのは手順よりも「なぜそうしたか」です。担当者には、次のような質問をその場でしてもらいます。
- この冒頭にしたのはなぜですか
- ボツにした案は、どこが弱かったのですか
- このテイクを使い、あちらを捨てた理由は何ですか
- 今週の数字を見て、来週変えるのはどこですか
答えは、社内の言葉に直して1冊の手引きにまとめます。企画の型、撮影の手順、編集のルール、数字の見方の4章立てで十分です。外の人の資料をそのまま受け取るより、担当者が自分の言葉で書いたほうが、後任にも伝わります。

撮影の日は、横で同じ場面をスマホで撮ってみてください。見て覚えるより、ずっと早いですよ。
外の手を、どこまで残すか
最後に全部を社内でやれなかったら、内製化は失敗ですか?
失敗ではありません。内製化は、全部を社内でやるか、全部を外に出すかの二択ではないからです。社内の人数と、どの工程に時間がかかるかで、残し方を選びます。
| 残し方 | 社内でやること | 外に残すこと | 向いている会社 |
|---|---|---|---|
| 全部社内 | 企画から振り返りまで | なし | 担当者が週の決まった時間を取れる |
| 撮影だけ外 | 企画・編集・投稿 | 季節ごとの撮影 | 見栄えのする画が必要な商品 |
| 振り返りだけ外 | 日々の企画から投稿まで | 月1回の数字の見直し | 回せるが、方向を確かめたい |
| 繁忙期だけ外 | 普段の運用 | 繁忙期の本数 | 季節で忙しさが大きく変わる |
編集を外に出すか社内でやるかは、判断の材料が別にあります。同時期に公開している記事にまとめています。
あわせて読みたいショート動画の編集は外注か内製か。判断の軸と、工程の切り分け方卒業の基準を、始める前に決める
内製化で揉めやすいのが、いつ外の手を離すかです。「そろそろ大丈夫そう」で決めると、離れた途端に止まることがあります。始める前に、卒業の基準を決めておきます。
- 1か月分の企画の候補を、社内だけで出せる
- 毎週の振り返りで、来週変えることを担当者が自分で決められる
- 投稿前の確認が、外の人を通さずに社内で終わる
- 担当者が1週間休んでも、別の人が手引きを見て予約投稿を入れられる
数字の基準も1つ加えます。SNSの先で追っている数字(予約・来店・応募など)が、並走していた時期と比べて大きく下がっていないこと。作業ができるようになっても、追う数字が落ちていれば、どこかの判断がまだ渡っていません。卒業した後、担当者ひとりで続けるための週の回し方は、こちらにまとめています。
あわせて読みたいSNS担当者が1人しかいない会社の回し方。ひとり運用を続ける仕組み
担当者さんが「来週はこれを変えます」って自分から言い出したら、もう卒業はすぐそこです。
内製化の伴走は、HEART CREATIONへ
HEART CREATIONでは、いずれ社内で回せるようにすることを前提にしたお手伝いもしています。
- 企画の型・撮影手順・編集ルール・数字の見方を3〜6か月で渡し、関与を少しずつ減らしていく
- 並走する間は、企画・撮影・編集・運用を同じチームで受け持ち、判断の理由をそのまま伝える
- 最初に、SNSの先で追う数字を一緒に決め、卒業の基準にも使える形にする
今は外に任せているけれど、いずれは自分たちで、という段階のご相談で構いません。初回は無料、オンライン60分でも対応しています。サービスの内容はこちらにまとめています。

最後は、僕らがいなくても回る状態がゴールです。そこまで一緒に歩きますね。
よくある質問
SNS運用の内製化には、どのくらいの期間がかかりますか?
社内の人数や、どの工程から始めるかで変わります。当社がお手伝いする場合は、企画の型・撮影手順・編集ルール・数字の見方を3〜6か月で渡していく形を目安にしています。卒業の基準を先に決めておくと、期間の見通しも立てやすくなります。
SNSの内製化は、誰を担当者にすればいいですか?
SNSに詳しい人より、現場とお客さんのことをよく知っている人のほうが、ネタと判断の両方で強みが出ます。週のうちSNSに使える時間を、上司と合意して確保できる人を選んでください。
運用代行から内製化に切り替えるとき、何を引き継げばいいですか?
アカウントの管理権限、これまでの数字の記録、撮影した素材、使っていた投稿の型の4つです。あわせて、何を基準に判断していたかを外の人に言葉にしてもらうと、引き継ぎの後に迷いにくくなります。
内製化した後に投稿が止まってしまったら、どうすればいいですか?
まず、どの工程で止まっているかを確かめます。企画が出ないのか、出してよいか決められないのかで、手当ては違います。止まった工程だけ外の手を一時的に借りるのも、一つの方法です。
