施工事例の写真をつないで動画にしているんですが、問い合わせにつながらないんです。

完成した部屋はきれいなんです。でも、お客さんがいちばん知りたいのは「壁の中」だったりするんですよ。
工務店やリフォーム会社がショート動画を始めると、まず施工事例の完成写真を並べた動画を作りがちです。仕上がりは美しいのに、反応は思ったほど伸びない。ホームページの施工事例と同じものを、形を変えて出しているだけになっているからです。
家づくりやリフォームは、一生に何度もない大きな買い物です。お客さんは仕上がりの見た目より、「この会社に家を任せて大丈夫か」を長い時間をかけて確かめます。その答えになるのは、完成したら見えなくなる工程と、現場で働く人の仕事ぶりです。
この記事では、現場の仕事をショート動画でどう見せるか、工程ごとに映すもの、1つの現場を続けて出す方法、施主の家を撮るときの約束、問い合わせまでの距離の縮め方を整理します。
この記事の要点
- 完成写真より、見えなくなる工程を映す
- 1つの現場を始まりから終わりまで続けて出す
- 撮影の了解は契約のときに取っておく
何本も見てから、相談先は決まる
飲食店なら、動画を見たその週に来店することもあります。家の工事はそうはいきません。キッチンを替えたいと思い立ってから、実際に相談するまでに何か月もかかることは珍しくありません。
そのあいだ、お客さんは何社もの施工事例や口コミを見比べます。1本の動画で問い合わせを取ろうとするより、検討しているあいだに何度も目に入り、そのたびに「ここは丁寧そうだ」と思ってもらうほうが現実的です。
例えば、築30年の家の水まわりを直したい人が、ある会社の動画を何本か見たとします。床下の腐った土台を交換する場面、毎日の終わりに現場を掃除する場面、引き渡しで給湯器の使い方を説明する場面。どれも派手ではありませんが、頼んだあとの姿が想像できることが、最後の決め手になります。
完成写真より、見えなくなる工程を映す
工事の質は、完成してからでは見えない部分に出ます。工程ごとに、映すものと見る人に伝わることを並べるとこうなります。
| 工程 | 映すもの | 見る人に伝わること |
|---|---|---|
| 解体・調査 | 床下や壁の中の傷み、古い配管 | なぜこの工事が要るのか |
| 下地 | 断熱材、補強の金物、防水の処理 | 見えなくなる部分の丁寧さ |
| 仕上げ | 床や壁紙を張る手元、建具の調整 | 職人の腕と仕上がり |
| 片付け・養生 | 床の保護、毎日の掃除、道具の置き方 | 住みながらの工事を任せられるか |
| 引き渡し | 設備の使い方の説明、手入れの話 | 工事のあとの付き合い方 |
特にリフォームでは、解体して初めて分かることがあります。床をはがしたら土台が湿っていた、壁の中の配管がさびていた。そうした場面は、同じ年代の家に住む人にとって「うちもそうかもしれない」と考えるきっかけになります。
撮るのは職人の手元と現場の様子が中心でいいので、職人さんに顔を出してもらう必要はありません。出演してもらう場合は、どこにどう使うかを先に話して了解を取っておきます。
1つの現場を、始まりから終わりまで続けて出す
工期が長いことは、動画にとっては強みです。1つの現場を、解体から引き渡しまで数本に分けて出すと、続きものとして追いかけてもらえます。
- 01現場に名前を付ける「築40年の平屋、台所リフォーム」のように、どんな家の何の工事かを一言にして毎回の冒頭に出す
- 02同じ場所から撮る工事前と同じ立ち位置・高さで各工程を撮っておくと、最後に並べたときに変化がはっきり分かる
- 03回数を入れる「その3」のように番号を付け、前の回を見た人が続きだと分かるようにする
- 04最後の回で全体を並べる工事前から引き渡しまでを短くつないだ1本で締める
同じ立ち位置から撮る「定点」は、特に効果が分かりやすい撮り方です。スマホを置く場所に養生テープで印を付けておけば、職人さんが撮っても毎回同じ画角になります。

床をはがした瞬間に、土台がぼろぼろ。あの「うわっ」という場面は、見ている人も思わず手が止まるんですよ。
お客さんの家を撮るときの約束
工務店の動画に映るのは、お客さんの家です。撮影の了解は、工事が始まってから頼むより、契約のときに一緒に取っておくと話がこじれません。どの工程を撮るか、どこに載せるか、外観は映すか。この3つを先に決めておきます。
表札や車のナンバー、窓の外の景色など、場所が分かってしまうものの映り込みにも注意が要ります。映り込みの確かめ方は、こちらの記事にまとめています。
あわせて読みたい顔出しなしでショート動画を続ける方法。顔を出さない企画の型と注意点
撮影のお願いは、契約のときに一緒にしておいてください。工事の途中で頼むと、お互い言い出しにくいので。
相談までの距離を縮める
検討期間が長いお客さんにとって、問い合わせは大きな一歩です。動画を見て「いつか相談したい」と思った人が、実際に連絡するまでの距離を縮めておきます。
- 相談したら何が起きるかを見せる:現地調査に来た担当者が、どこを見て、何を聞くかを1本にする
- 気軽な相談の入口を用意する:気になる場所の写真を送るだけで相談できる形があると、最初の一歩が軽くなる
- 見学会や完成見学の予定を動画の最後で知らせる
- 動画で見た工事と同じ種類の施工事例ページへつなぐ
問い合わせフォームで手が止まらないようにする工夫は、別の記事でまとめています。
あわせて読みたい問い合わせフォームの離脱を減らす。項目の削り方と入力しやすい作りHEART CREATIONでお手伝いできること
現場の動画は、撮る段取りさえ決まれば、職人さんの手を大きく止めずに続けられます。HEART CREATION では、こんなところからご一緒しています。
- 工程ごとに何を撮るか、定点の位置や撮る順番を現場に合わせて決める
- 1つの現場を数本の連載にする企画と、撮った素材の編集を同じチームで引き受ける
- 動画で見せた工事から、施工事例のページや相談の入口までをつなげる
追う数字は再生数ではなく、相談や見学会の予約の数にします。現場への撮影は出張で伺います。サービス一覧もご覧ください。

現場のみなさんの仕事、ちゃんと見せたいんですよね。終わったら一杯……は冗談で、まずはご相談から。
よくある質問
職人さんが撮影を嫌がる場合は、どうすればいいですか?
顔を出してもらう必要はありません。手元や道具、工程の変化だけでも、仕事の丁寧さは十分に伝わります。スマホを置く位置だけ決めて、作業中は撮っていることを気にしなくていい形にすると、受け入れてもらいやすくなります。
新築とリフォームで、動画の作り方は変わりますか?
変わります。リフォームは工事前の傷みや使いにくさが分かりやすく、前と後の変化で見せやすい工事です。新築は前の姿がないので、基礎から骨組み、仕上げへと形ができていく過程と、住み始めてからの暮らしを中心にします。
小さな工務店でも、ショート動画を出す意味はありますか?
あります。工事を請け負う範囲が限られている会社ほど、その地域で何度も目に入ることが効いてきます。施工の数が少なくても、1つの現場を丁寧に続けて出せば、見る人には会社の仕事ぶりが伝わります。
撮影した動画は、工事が終わってから出したほうがいいですか?
工事中に出しても構いませんが、お客さんの了解の範囲で、住所が分からない形にしてください。防犯の面から、留守にする時間帯や鍵の場所が分かる場面は避けます。気になる場合は、引き渡しのあとにまとめて出す方法もあります。
