店内で撮った動画を見返したら、声が遠くてガサガサしていて。いいマイクを買えば直りますか?

カメラを替える前に、マイクを1本足す。順番はこっちのほうが効きます。ただ、高いマイクより付け方なんですよ。
縦型動画を撮り始めた会社から、よく聞く悩みが音です。映像はスマホでも十分きれいに撮れるのに、再生すると声がこもっている、エアコンの音がずっと鳴っている、服がこすれるガサガサ音が入っている。映像が少し暗くても見てもらえますが、声が聞き取れない動画は、話の中身が伝わりません。
聞きやすい声を録るために見るところは3つです。撮る場面に合ったマイクを選ぶこと、マイクを正しい位置に付けること、周りの音に先に手を打っておくこと。高い機材を買っても、この3つがずれていれば音は良くなりません。
この記事では、マイクの種類と選び方、ピンマイクの付け方、環境音の減らし方、録音の大きさの決め方を書きます。スマホで撮るときの基本の構え方は、スマホで縦型動画を撮る基本にまとめています。
この記事の要点
- マイクは撮る場面(動くか・何人か・屋外か)で選ぶ
- ピンマイクは鎖骨のあたり、服と髪に触れない所に
- 環境音は「ずっと鳴る・突然鳴る・響く」に分けて手を打つ
マイクは撮る場面で選ぶ
動画の声を録るマイクは、大きく4つに分かれます。
| マイク | 声の拾い方 | 向く場面 | 気をつけること |
|---|---|---|---|
| スマホの内蔵マイク | スマホの周りの音を広く拾う | 静かな所で、スマホのすぐ前で話す | 離れるほど声が遠く、周りの音が大きくなる |
| ピンマイク(有線) | 胸元で口の近くの声を拾う | 座ったまま、カメラの近くで話す | ケーブルの長さの分しか動けない |
| ピンマイク(ワイヤレス) | 胸元の声を無線でスマホやカメラに送る | 歩きながら・作業しながら話す | 電池切れと、受信機との接続を毎回確かめる |
| カメラの上に付けるマイク | 向けた方向の音を中心に拾う | 一人の声と、その場の音を一緒に録る | 話す人から離れると、内蔵マイクと大差がなくなる |
例えば、美容室でカットしながら仕上がりの説明をするなら、手も体も動くのでワイヤレスのピンマイクが向いています。税理士事務所の机で、座って制度の話をするなら、有線のピンマイクでも十分です。
調理の音や機械の音も一緒に聞かせたい動画、例えば焼き鳥を焼く音や、工場の加工音を残したい動画では、カメラの上のマイクを近づけて録るか、声だけピンマイクで別に録って編集で合わせます。
2人以上が話す動画は、1人1本が基本です。並べ方や2人分の録り方は、こちらにまとめています。
あわせて読みたい対談動画の撮影のしかた。2人を自然に撮る座り方・カメラ・音・編集ピンマイクは、付ける位置で音が変わる
ピンマイクを買ったのに音が良くならない、という場合、ほとんどは付け方の問題です。付ける位置は、胸の真ん中より上、鎖骨のあたりが目安です。低すぎると声が遠くなり、高すぎると息や「パ行」の破裂音が当たりやすくなります。
話しながら横を向く人は、向く側の襟に付けます。カウンター越しにお客さんの方を向いて話す店員さんなら、お客さん側の襟です。顔を向けた先にマイクがあれば、声の大きさが変わりにくくなります。
ガサガサ音のほとんどは、服や体がマイクに触れて起きます。原因と直し方は次のとおりです。
| こすれの原因 | 直し方 |
|---|---|
| ニットやジャケットの生地が当たる | 襟のふちではなく、生地が動きにくいシャツの前立てに付ける |
| ネックレス・名札・社員証 | 撮影の間だけ外すか、マイクと反対側に寄せる |
| 長い髪が胸元にかかる | 髪がかからない側に付けるか、髪を後ろにまとめる |
| ケーブルが動きに合わせて引っぱられる | ケーブルを服の内側に通し、マイクの下で小さく輪を作って留める |
ワイヤレスの送信機を襟に付ける場合も、考え方は同じです。送信機のマイクの穴が生地でふさがれていないかを確かめます。
マイクを見せるか隠すかは、動画の雰囲気で決めてかまいません。ショート動画なら、胸元にマイクが見えていても気にする人はあまりいません。隠そうとして服の中に入れると、こすれの音が増えることのほうが多いです。
環境音は3つに分けて手を打つ
周りの音は、編集で消そうとするより、撮る前に減らすほうがずっと楽です。音の種類ごとに、打つ手が違います。
| 音の種類 | 例 | 打つ手 |
|---|---|---|
| ずっと鳴る音 | エアコン、冷蔵庫、換気扇、パソコンのファン | 撮る間だけ止める。止められなければ離れ、マイクの向きを変える |
| 突然鳴る音 | 車、電車、店内放送、電話、ドアの開け閉め | 鳴ったら、その一文の頭から言い直す |
| 響き | 何もない会議室、タイルの床、ガラス張りの部屋 | マイクを口に近づける。カーテンや布のある側で撮る |
店内のBGMも、撮る間は止めます。声が聞きにくくなるだけでなく、流れている曲がそのまま動画に入ってしまうからです。
突然鳴る音は、編集で消すより、言い直した方を使うほうが早く済みます。撮る人が「今の、もう一回」と言える空気を最初に作っておくと、話す人も気が楽になります。
もう1つ覚えておくと便利なのが、撮影の最後に、誰も話さない状態で部屋の音だけを10秒ほど録っておくことです。編集で言い直しの間を詰めるとき、無音を入れると不自然に途切れて聞こえますが、この部屋の音を敷くと自然につながります。
屋外では、風が一番の敵です。マイクに付けるふわふわした風防を使い、風上に背中を向けて立ち、建物の陰を選びます。

海辺や屋上の撮影は、風との勝負なんですよ。風防だけは、カバンに入れ忘れないでください。
録音の大きさは「一番大きな声」で決める
マイクを付けたら、録音の大きさ(入力の大きさ)を決めます。合わせるのは、ふつうの話し声ではなく、その撮影で一番大きくなる声です。笑ったとき、強調したとき、呼びかけるとき。そこで音が割れなければ大丈夫です。
音が割れると、後からはほとんど直せません。反対に小さすぎると、編集で大きくしたときに周りの雑音も一緒に大きくなります。
- 01一番大きな声で試す撮影で一番声を張る一文を、本番と同じ大きさで言ってもらう
- 02割れていないか聞く録った音をイヤホンで聞き、ビリビリした音になっていないか確かめる
- 03小さすぎないか見る音の波形が画面の上下いっぱいでも、細すぎてもいないかを見る
- 04予備を録る送信機の中にも録音を残せる機種なら、その機能を入れておく
- 05部屋の音を録る最後に、誰も話さない10秒を録っておく
編集アプリには、背景の雑音を減らす機能を持つものも増えています。例えば、Instagramの編集アプリ「Edits」も、背景のノイズを除去できるとApp Storeの説明で案内しています(2026年10月時点)。ただ、強くかけると声までこもったり、言葉の端が削れたりします。編集の機能は仕上げの手助けで、録る段階で減らすのが先です。

録り終わってから、声が全部割れていたと気づく。あれは本当に青ざめます。一番大きな声で、先に試してください。
HEART CREATIONでお手伝いできること
声が聞きやすいかどうかは、話の中身と同じくらい、最後まで見てもらえるかに関わります。HEART CREATIONでは、企画から撮影・編集まで同じチームで引き受け、撮影には全国どこへでも伺います。
- 撮る場面に合わせて、マイクの種類と付け方、撮る場所の音まで決めて撮影する
- 社内で撮り続けたい会社に、マイクの付け方や試し録りを含む撮影手順と編集ルールを3〜6か月でお渡しする
- 動画の先で増やしたい数字を先に決めて、企画から組み立てる
初回のご相談は無料で、オンライン60分でもお受けしています。ご相談はこちらから。

「うちの動画、なんだか音がこもる」くらいのご相談でも大丈夫です。今の動画を聞かせてもらえれば、原因の見当はつきますよ。
よくある質問
ピンマイクは有線とワイヤレスのどちらを選べばいいですか?
座ったまま話す動画なら有線でも足ります。歩いたり作業したりしながら話すなら、ワイヤレスのほうが動きやすく、撮れる場面も広がります。ワイヤレスは撮影前に電池と接続を毎回確かめてください。
ピンマイクを付けると、服のこすれる音が入ってしまいます。
生地が動きにくいシャツの前立てに付け直し、ネックレスや名札は外すか反対側に寄せてみてください。ケーブルは服の内側に通し、マイクの下で小さく輪を作って留めると、引っぱられる音が減ります。
エアコンを止められない場所で撮るときはどうすればいいですか?
吹き出し口から離れた位置で撮り、マイクを口に近づけて、声のほうを大きく拾うようにします。最後に部屋の音だけを10秒ほど録っておくと、編集で間を詰めたときにも不自然になりにくくなります。
録ったあとに、編集で雑音を消すことはできますか?
背景の雑音を減らす機能を持つ編集アプリはありますが、強くかけると声もこもります。割れた音や大きな雑音は直しきれないので、撮る前に音を減らし、試し録りで確かめておくほうが確実です。
外で撮影すると風の音が入ってしまいます。
マイクに風防を付け、風上に背中を向けて立ち、建物や壁の陰を選んでください。ピンマイクなら、服の内側に少しだけ入れると風が当たりにくくなりますが、こすれの音が増えないかを試し録りで確かめます。
