自分たちで編集した動画が、なんだか間延びして見えるんです。プロの動画みたいなテンポにするには、どうしたらいいですか?

間延びした動画って、見ている側がだんだん眠くなっちゃうんですよね。でも、全部速くすればいいわけでもないんです。
ショート動画を自分たちで編集すると、内容は悪くないのに、見ていてもたつく感じが残ることがあります。話す前の「えー」、言い終わってからの沈黙、同じ顔のまま続く30秒。一つひとつは短くても、積み重なると「ゆっくりな動画」に見えます。
かといって、すべての間を切り詰めると、今度は息つく暇のない、聞き取りにくい動画になります。テンポの良さは速さではありません。次の情報が来るまでの待ち時間が、見る人にとってちょうどいい長さでそろっていることです。
この記事では、言葉の間の詰め方、カットを割る場所、あえて残す間、詰めすぎの見分け方を、編集の手順に沿って書きます。冒頭の数秒と終わり方は、それぞれ別の記事で扱っています。
この記事の要点
- テンポとは、次の情報までの待ち時間がそろっていること
- 待ち時間は詰め、見せ場の間は残す
- 同じ画が続いたら、話の区切りで画を変える
まず「待ち時間」を切る
編集の最初にやるのは、見る人が何も受け取っていない時間を切ることです。待ち時間になりやすいのは、次のような所です。
| 待ち時間になる所 | 例 | 切り方 |
|---|---|---|
| 話し始める前の間 | 録画を押してから口を開くまでの2秒 | 最初の言葉の直前まで切る |
| つなぎの言葉 | 「えー」「あのー」「まあ」 | 意味が変わらなければ切る |
| 言い直し | 「3つ、いや4つあって」 | 言い直した後の方だけを残す |
| 言い終わった後の沈黙 | 一文を言い切ってからの間 | 次の一文の頭まで詰める。ただし少しだけ残す |
| 動きの準備 | 道具を取りに行く、手を拭く | 動き始めと終わりだけを残す |
最後の「少しだけ残す」がこつです。文と文の間をゼロにすると、息継ぎがなくなって、早口でまくしたてているように聞こえます。言い終わりの音が消えるまでは残し、次の一文の吸う息の前で切る、くらいがちょうどいい間です。
例えば、整骨院の先生が「肩こりの原因を3つ話します」と始めて、1つ目と2つ目の間に5秒考えていたとします。この5秒は、見る人にとってはただ待っている時間です。ここを詰めるだけで、話の中身は同じでも、ずいぶん引き締まって見えます。
同じ画が続いたら、話の区切りで変える
間を詰めても、ずっと同じ顔のアップが続くと、見る人は飽きてきます。そこで画を切り替えます。切り替える場所は、適当な秒数ではなく、話の区切りです。
1つの話が終わって次に移るとき、言葉で「次に」と言う代わりに、画を変えることで区切りを伝えられます。話の途中で画が変わると、見る人は「話が変わったのか」と一瞬迷うので、切り替えは区切りに合わせます。
切り替え方には、主に3つあります。
- 寄りと引きを替える:話す人のアップから、上半身の引きの画へ
- 手元や現物を差し込む:話している道具・商品・作業の手元の画を重ねる
- 文字だけの画を挟む:要点の一言を大きく出した画面を1枚入れる
2つ目の「差し込む画」は、撮影の段階で撮っておく必要があります。例えば、パン屋の店主がこねる工程を話すなら、話している顔とは別に、手元のアップを数十秒撮っておきます。編集で顔の画の上に手元の画を重ねると、話を切らずに画だけ変えられます。
言葉の間を詰めたところで顔の位置がピクッと跳ねて見えるときにも、この差し込む画が役に立ちます。継ぎ目の上に手元の画をかぶせれば、跳ねが目立ちません。

全部を詰めて全部を切り替えると、ずっと誰かが叫んでいるような動画になるんですよ。見ているほうが汗をかきます。
見せ場は、詰めずに残す
テンポを整えるときに一番やりがちな失敗が、見せ場まで詰めてしまうことです。
見せ場とは、その動画で一番見てほしい瞬間です。リフォームの仕上がりが見える瞬間、ケーキを切った断面、髪を乾かし終えて振り向く瞬間。ここで画がすぐ次へ行ってしまうと、見る人は「今の、何だったんだろう」と思ったまま置いていかれます。
待ち時間を詰めるのは、見せ場で間を取るためでもあります。前半をきびきび進めておけば、見せ場で1〜2秒止めても、もたついた印象にはなりません。むしろ、そこだけ時間がゆっくり流れることで、見る人の目がそこに止まります。
| 区間 | テンポ | 理由 |
|---|---|---|
| 説明・準備・手順 | 詰める | 見る人は早く先を知りたい |
| 数字や大事な言葉 | 少し残す | 読む時間、受け取る時間が要る |
| 見せ場・結果 | しっかり残す | 見てほしい瞬間なので、目を止めてもらう |
2つ目の「数字や大事な言葉」は、テロップを読む時間とも関係します。文字が読み切れない速さで画が変わると、内容が伝わりません。読める長さの目安はテロップの記事にまとめています。

見せ場は、1秒長く残す。じんとくる所ほど、詰めずに待ってあげてください。
編集は、詰める順番を決めておく
テンポの整え方を毎回その場で考えていると、編集する人によって仕上がりがばらつきます。順番を決めておくと、誰が編集しても同じテンポに近づきます。
- 01粗く並べる使う場面を話の順に並べ、長さは気にしない
- 02待ち時間を切る話し始めの前、つなぎの言葉、言い直し、沈黙を切る
- 03画を差し込む話の区切りと、継ぎ目が跳ねる所に手元や現物の画を入れる
- 04見せ場を戻す詰めすぎた見せ場に、1〜2秒の間を戻す
- 05通して見る音ありと音なしで1回ずつ、等倍で最後まで見る
最後の「通して見る」は、作業の途中で何度も同じ所を見ていると気づけなくなるので、少し時間を空けてから見るのがおすすめです。自分では分かっている内容なので、作った人には速すぎても読めてしまいます。中身を知らない人に1回見てもらい、「どこで目が離れたか」を聞くと、詰めすぎた所と間延びした所がはっきりします。
尺の全体を短くする話は、テンポとは別の問題です。1本で伝えることの数を減らす方法は、こちらにまとめています。
あわせて読みたいショート動画は何秒がいいか。目的から逆算する尺の決め方と目安テンポの合う動画を、HEART CREATIONと
テンポは編集だけで決まるものではありません。差し込む画を撮っていなければ切り替えられませんし、話す内容が決まっていなければ詰める所も見えません。HEART CREATIONでは、企画・撮影・編集を同じチームで引き受けているので、編集で使う画を撮影の段階から決めて撮ります。
- 編集で差し込む画まで決めてから撮影し、テンポを組み立てて仕上げる
- 社内で編集する会社に、詰める順番や間の残し方を含む編集ルールを3〜6か月でお渡しする
- 入口を変えた複数の案を同時に出し、2週間の結果を見て寄せていく
初回のご相談は無料です。サービスの全体はこちらからご覧いただけます。

詰める所と残す所が分かってくると、編集がぐっと楽しくなるんですよ。そこまで一緒にやりましょう。
よくある質問
ショート動画のカットは何秒ごとに切り替えるのがいいですか?
決まった秒数より、話の区切りで切り替えるのがおすすめです。秒数で機械的に切ると、話の途中で画が変わり、見る人が迷います。同じ画が長く続いて飽きる所に、手元や現物の画を差し込みます。
ジャンプカットで顔の位置が跳ねるのが気になります。
継ぎ目の上に、手元や商品などの別の画を重ねると目立たなくなります。撮影のときに、話している顔とは別に差し込む画を撮っておくと、編集で困りません。
「えー」「あのー」は全部カットしたほうがいいですか?
意味が変わらない所は切ってかまいません。ただし、文と文の間まで全部詰めると、息継ぎがなくなり早口に聞こえます。言い終わりの音が消えるまでは残すくらいが自然です。
動画のテンポが良いかどうかは、どうやって確かめればいいですか?
少し時間を空けてから、音ありと音なしで最後まで見てください。中身を知らない人に見てもらい、どこで目が離れたかを聞くと、詰めすぎた所と間延びした所が分かります。
