20分の解説動画を作ったので、ショートにも使い回したいんです。どこを切ればいいですか?

切り出す前に一つだけ。そこだけ見ても話が終わる場面を選ぶ。これは本気で守ってください。
時間をかけて作った長い動画を、ショートにも生かしたい。撮影の手間を考えれば、自然な発想です。ところが、長い動画の中の「いい場面」をそのまま切り出しても、ショートではあまり見られないことがよくあります。
理由は、見ている人の状態が違うからです。長い動画を見る人は、前の話を聞いたうえでその場面にたどり着いています。ショートで流れてきた人は、前の話を何も知りません。長い動画の中で光っていた一言も、前提を知らない人には意味が通じないのです。
この記事では、切り出しに向く場面と向かない場面、候補の探し方、横長の動画を縦に組み直す編集、ショートから元の長い動画へつなぐ設定をまとめます。この記事で扱うのは自社の動画を切り出す話で、ほかの人の動画を使う「切り抜き」は扱いません。
この記事の要点
- 選ぶのは、そこだけで話が終わる場面
- 横長を載せるのではなく、縦に組み直す
- ショートから元の長い動画へ道をつなぐ
切り出しに向く場面、向かない場面
まず、どんな場面が切り出しに向くかを並べます。
| 向く場面 | 向かない場面 |
|---|---|
| 1つの問いに、その場で答えている | 「さっきの話の続きですが」から始まる |
| 実演して、結果まで見せている | 資料やスライドを見ながらの説明 |
| 意外な一言と、その理由がそろっている | 盛り上がるまでに長い前振りがある |
| よく聞かれる質問への短い答え | 複数の話題が行き来している |
例えば、工務店が「家づくりで後悔しやすいところ」という20分の動画を作ったとします。全体の流れの説明や、間取り図を指しながらの解説は、ショートには向きません。一方で、「コンセントの位置で後悔する人が多い理由」を1分ほどで話している場面があれば、それはそのまま1本になります。

いい場面を切ったつもりが、前の話を知らないと意味が分からない。これ、本当によくあるんですよ。
判断に迷ったら、その場面だけを、動画を見ていない社内の人に見せてみてください。何の話か分かるか、最後まで聞いて「なるほど」となるか。分からなければ、場面の選び方か、補い方を見直します。
切り出す候補の探し方
20分の動画を頭から見返して候補を探すのは、時間がかかります。探す場所を決めておくと早くなります。
- 01文字起こしから探す動画の文字起こしを読み、「なぜ〜か」「〜するなら」のように問いと答えがそろっている箇所に印をつける
- 02分析画面の山を見る公開済みの動画なら、視聴者維持率のグラフで「山」になっている部分を確かめる
- 03コメントを見る時間を書き込んだコメントや、質問が集まっている場面を拾う
- 041本1テーマに分ける候補を、伝えることが1つになる長さで区切る
2つ目の「山」は、YouTube ヘルプでは動画の中で何度も見られた部分、または共有された部分と説明されています(2026年10月時点)。長い動画の中で、見た人がもう一度見たくなった場面なので、切り出しの有力な候補になります。

台本のない雑談っぽい場面のほうが反応がいい、なんてことも普通にあるんです。作り手は笑っちゃいますけどね。
横長の動画を、縦に組み直す
長い動画の多くは横長です。そのままショートに載せると、上下に大きな余白ができ、話している人も文字も小さくなります。切り出すときは、縦の画面に合わせて組み直します。
| 組み直すところ | やること |
|---|---|
| 画角 | 話している人や手元に寄せて、縦に切り取る。2人いるなら、話している人に合わせて切り替える |
| 画面の文字や資料 | 横長の資料は縦では読めないので、要点だけを大きな文字で作り直す |
| 並べる順番 | 答えや結果を先に出し、理由をあとに回す |
| 前提 | 前の話を知らない人のために、最初に一言のテロップで「何の話か」を補う |
いちばん手を入れたいのは、並べる順番です。長い動画では理由を説明してから答えを言う流れでも、ショートでは答えから見せたほうが止まってもらえます。冒頭に何を置くかの考え方は、別の記事で詳しく書いています。
あわせて読みたいショート動画の冒頭2秒で何を見せるか。フックの型と作り方長さとテロップも、ショートとして作り直します。長い動画の話し方のまま区切ると、間延びした部分が残ります。言い直しや「えー」を詰め、音を出さずに見る人のために字幕を入れます。長さの決め方はショート動画の長さの記事、文字の入れ方はテロップの記事にまとめています。
ショートから、元の長い動画へつなぐ
切り出したショートは、それ自体で完結させたうえで、もっと知りたい人を元の長い動画へ案内します。ショートを入口に、長い動画で詳しく知ってもらう流れです。
YouTubeでは、ショートに自分のチャンネルの「関連動画」を設定できます。YouTube Studioでショートを選んで関連動画を指定すると、ショートの画面で、チャンネルのハンドル(@から始まる名前)の下にリンクとして表示されます。リンク先は公開または限定公開の動画で、この機能は上級者向け機能を使えるアカウントが対象です(2026年10月時点、YouTube ヘルプより)。
ショートの最後に「続きは本編で」と入れるのはどうですか?
おすすめしません。続きを見ないと答えが分からないショートは、見た人に不満を残します。答えはショートの中で言い切り、「理由をもっと詳しく知りたい人は」と関連動画へ案内するほうが、元の動画を見に行く人も気持ちよく移れます。長い動画どうしのつなぎ方は、別の記事にまとめています。
あわせて読みたいYouTubeの再生回数が伸びないときは2本目を見る。シリーズと回遊の設計切り出しから、一緒に組み立てます
長い動画とショートを両方作るなら、撮る段階から切り出しを考えておくと、編集がずっと楽になります。HEART CREATIONでは、次のようなところからお手伝いしています。
- 長い動画の企画の段階で、ショートに切り出す場面をあらかじめ決めておく
- 縦にも切り出せる画角で撮影し、長い動画とショートを同じチームで編集する
- 入口を変えた複数のショートを出し、2週間ほどで結果を見て寄せていく
縦型動画は、ご依頼から3〜5週間ほどで最初の本数をお届けするのが標準です。サービスの全体はこちらにまとめています。

まずは手元の長い動画を1本、見返すところから。候補は意外と眠っているものですよ。
よくある質問
YouTubeの長い動画から、ショートは何本くらい切り出せますか?
動画の中身によります。問いと答えがそろった場面がいくつあるかで決まり、20分の解説動画から数本取れることもあれば、1本も向かないこともあります。本数より、その場面だけで話が終わるかを優先します。
横長の動画を、そのままショートに投稿してもいいですか?
投稿はできますが、縦の画面では人も文字も小さくなり、見てもらいにくくなります。話している人や手元に寄せて縦に切り取り、資料の文字は大きく作り直すのがおすすめです。
切り出したショートは、元の動画と同じ日に出すべきですか?
決まりはありません。元の動画の公開に合わせて出すと、ショートから長い動画へ流れる人を作りやすくなります。少しずつ間を空けて出すと、1本の長い動画を長い期間かけて案内できます。
撮影の段階で、切り出しのためにできることはありますか?
あります。話している人の左右に余白をとりすぎず、縦に切り取っても顔と手元が収まる位置で撮ると、編集が楽になります。台本の段階で、ショートにしたい問いと答えを1か所にまとめておくのも効果があります。
