会社紹介の動画を作ることになりました。社長のあいさつ、沿革、事業内容……入れたいものが多すぎて、まとまりません。

まず「どこで流すか」を聞かせてください。それだけで、入れるものの半分は決まりますよ。
会社紹介動画の打ち合わせでは、入れたいものが次々に出てきます。創業の話、社長の想い、事業の柱、工場の設備、社員の笑顔、取引先の数。全部を入れると5分を超え、見る人は最初の1分で離れていきます。
会社紹介動画は、パンフレットを映像にしたものではありません。見る人が「この会社と話を進めていいか」を確かめるためのものです。だから、何を入れるかは、誰がどの場面で見るかで決まります。商談の前に担当者が送る1本と、展示会のブースで流しっぱなしにする1本は、同じ会社の紹介でも中身が違います。
この記事では、会社紹介動画が見られる場面の違い、どの場面にも通じる構成の5つの段、入れるものと削るものの見分け方、場面ごとの長さと作り分け方を書きます。
この記事の要点
- 中身と長さは「どこで、誰が見るか」で決める
- あいさつや沿革ではなく「何の会社か」から始める
- 1回の撮影で、長い版と短い版を作り分ける
会社紹介動画が見られる場面は、主に4つ
| 場面 | 見る人 | 見る状態 | 知りたいこと |
|---|---|---|---|
| 商談の前後に送る | 取引を考えている担当者 | 自分の席で、音ありのことが多い | 任せて大丈夫か、社内でどう説明するか |
| 展示会・イベントのブース | 通りがかった来場者 | 歩きながら。音はほぼ聞こえない | 何の会社か、立ち止まる理由があるか |
| 会社のサイト | 検索や紹介で来た人 | スマホで、音を切っていることも多い | 文章で読んだことを、映像で確かめたい |
| 会社説明会・入社前 | 応募を考えている人 | 座って、最後まで見る | 働く場所と人の様子 |
いちばん違いが大きいのは展示会です。来場者は歩いていて、隣のブースの音も混ざります。社長が話す場面を長く入れても、声は届きません。文字と、思わず目が止まる画(機械が動く、製品ができあがる)が中心になります。
逆に、商談の前に送る動画は、相手が席でじっくり見てくれます。ここで大事なのは、担当者が上司に「こういう会社です」と転送しやすいことです。何の会社で、何が強いのかを、1本見れば人に説明できる形にしておきます。
会社説明会で流す動画は、見る人の関心が仕事の中身と職場に寄るので、お客さん向けとは別に組むほうがうまくいきます。採用向けの動画は、別の記事で扱っています。
あわせて読みたい採用動画の作り方。使う場面から決める企画と、本音が映る撮影
展示会の会場は、まわりもずっとお祭り騒ぎなんです。音に頼らない作りにしておいてください。
構成は5つの段で組む
場面が違っても、骨組みはおおむね共通です。次の5つの段を、この順に置きます。
- 01何の会社か最初の数秒で、何をしている会社かを一文で言う。社名やロゴより先に
- 02誰の何をどんな相手の、どんな困りごとを引き受けているか
- 03どうやって仕事の中身を、現場・手元・人で見せる
- 04ほかと違う所選ばれている理由を、言い切れる事実で1〜2つ
- 05次の一歩見た人がこのあと何をすればいいか
例えば、金属部品の加工会社なら「試作の1個から量産まで、精密な金属部品を削っている会社です」から始めます。次に「装置メーカーの、急ぎの試作」のように相手を言い、工場の機械と職人の手元を見せる。違う所は、検査の工程や扱える材料の幅のように、言い切れる事実を置きます。最後は「図面を送っていただければ、見積もりをお出しします」で終わります。
よくあるのは、社名とロゴ、社長のあいさつ、沿革の順で始める形です。作る側には自然な順番ですが、見る側はまだ「自分に関係のある会社か」が分かっていません。沿革は、サイトの会社概要に年表で載せておけば十分です。

「創業は昭和○年……」から始まると、正直ぼくでもまぶたが重くなってきます。
入れるもの・削るものの見分け方
迷ったら、その場面が「見る人の判断に使えるか」で分けます。
| 入れたくなるもの | 扱い | 理由 |
|---|---|---|
| 社長のあいさつ | 短くして後ろへ | 言葉より、仕事への姿勢が見える場面のほうが伝わる |
| 経営理念 | 文字で一画面 | 読み上げるより、実際の仕事の場面と並べるほうが分かる |
| 沿革・年表 | 削る | サイトの会社概要で足りる |
| 設備・工場 | 入れる | 何ができるかの根拠になる |
| 社員の様子 | 入れる | 誰が担当するのかが見えて安心につながる |
| 取引先の名前・ロゴ | 了解を取ってから | 相手の了解なしには出さない |
社長が話す場面を外す必要はありません。ただ、冒頭で3分あいさつするより、工場を歩きながら「この機械は、うちで手を入れて使っているんです」と一言話すほうが、人柄も技術も伝わります。語らせるより、仕事の場面の中で話してもらうのがコツです。
数字を入れるときは、言い切れるものだけにします。「業界トップクラス」のような根拠を示せない言い方は、見る人の信用をかえって下げます。

社長の想い、たき火を囲んでなら何時間でも聞きたいんです。でも動画では30秒にまとめましょう。
長さは場面ごとに決め、1回の撮影で作り分ける
長さは、次のあたりから試し始めると組みやすくなります。決まった正解があるわけではなく、見る人がその場で使える時間に合わせた目安です。
| 場面 | 長さの目安 | 作り方 |
|---|---|---|
| 展示会のブース | 30秒〜1分を繰り返し | 音なしで分かる。途中から見ても伝わる |
| 会社のサイト | 1分前後 | 冒頭で何の会社かを言い、詳しくは本文へ |
| 商談の前後に送る | 2〜3分 | 5つの段を全部入れる |
| SNSの縦型 | 段ごとに短く分ける | 1本で伝えることは1つにする |
ショート動画の尺の考え方は、別の記事にまとめています。
あわせて読みたいショート動画は何秒がいいか。目的から逆算する尺の決め方と目安場面ごとに別々に撮る必要はありません。5つの段の素材をそれぞれ多めに撮っておけば、編集で組み替えて長い版と短い版を作れます。撮影の前に、版ごとにどの段のどのカットを使うかを一覧にしておくと、撮り漏れを防げます。
段ごとに撮っておくと、あとで直すときにも楽です。社員が入れ替わった、新しい事業が加わった、というときに、その段だけ撮り直して差し替えられます。
会社紹介動画を、流す場面から一緒に組み立てます
HEART CREATIONでは、会社紹介動画も「どこで、誰に見てもらうか」と、その先で増やしたい数字(問い合わせ、見積もりの依頼、商談の数など)から決めていきます。
- 企画・撮影・編集を同じチームで受け持ち、1回の撮影から長い版・短い版・縦型を作り分ける
- 動画で伝えたことを、サイトやLPの一行目にそろえる
- 拠点は東京・横浜。打ち合わせはオンライン、撮影は全国へ出張する
「何を入れればいいか分からない」段階でも、初回のご相談は無料です(相談はこちら)。

撮影は現場まで伺います。機械の音も職人さんの手元も、その場で撮るのがいちばんですから。
よくある質問
会社紹介動画にナレーションは必要ですか?
場面によります。商談の前に送る動画なら、ナレーションや社員の声があると分かりやすくなります。展示会やサイトのように音なしで見られることが多い場面では、文字だけで中身が伝わるように作り、声は上乗せと考えます。
社長が出演しないと会社紹介動画になりませんか?
出なくても成り立ちます。仕事の現場や社員の様子で、何をしている会社かは伝わります。社長が出るなら、長いあいさつより、仕事の場面の中で短く一言話してもらうほうが自然です。
会社紹介動画は何年くらい使えますか?
映っている人・設備・事業の中身が変わると、古く見えてきます。年数で決めるより、人の入れ替わりや事業の追加があったら見直すと決めておくと安心です。素材を段ごとに撮っておけば、一部だけ撮り直して差し替えられます。
会社紹介動画はサイトのどこに置けばいいですか?
トップページの最初の画面か、会社概要のページが候補です。トップに置くなら1分前後の短い版にして、音がなくても分かる作りにします。詳しい長い版は、会社概要や商談用のページに分けて置きます。
