店の近くの人にだけ広告を出したいんです。半径何キロにすればいいんでしょう?

何キロかを決める前に、今のお客さんがどこから来ているかを見てみましょう。答えはたいていそこにあります。
町の整骨院、駅前のパン屋、市内を回るハウスクリーニング。地域で商売をしている会社が広告を出すとき、最初に悩むのが「どこまでの人に出すか」です。広く出せば来られない人にまで届いて費用がむだになり、狭くしすぎると広告がほとんど出ません。
ここで多いのが、店を中心に半径3キロ、5キロと円を描いて決めるやり方です。ところが、お客さんは円のとおりには来ません。線路の向こうからはほとんど来ないのに、車で15分かかる隣町からは毎週来る。そんなことが普通にあります。
この記事では、商圏の描き方、絞り方の種類と設定の落とし穴、狭くしすぎたときに起きること、範囲ごとの広告の中身の変え方、地域ごとの見直し方を書いていきます。
この記事の要点
- 商圏は、今のお客さんの住所や来る道から描く
- 近い範囲と遠い範囲で、広告で言うことを変える
- 「その地域に関心を示した人」にも出る設定を確かめる
商圏は「円」ではなく「来る道」で描く
商圏を描く材料は、社内にあります。予約のときに聞いている住所や郵便番号、配達先、会員カードの登録、レジで「どちらから来られましたか」と聞いた記録。これを地図に点で落としてみると、円ではない形が見えてきます。
川、線路、幹線道路、坂。人の流れはこうしたもので切れます。駅前の整骨院なら、駅の改札がある側には点が集まり、反対側にはほとんどない、ということがよくあります。その場合、半径の円で出すと、来ない側の人にも半分の予算を使うことになります。
商売の種類によっても、描き方は変わります。
| 商売の例 | お客さんの来方 | 商圏の描き方 |
|---|---|---|
| パン屋・クリーニング店 | 徒歩や自転車で、何かのついでに | 店のまわりの狭い範囲と、通勤で使う駅 |
| 歯科医院・美容室 | 生活の中で通い続ける | 住まいの近くと、職場の近くの両方 |
| 外壁塗装・ハウスクリーニング | こちらから出向く | 実際に対応している市区町村 |
| 専門店・人気の飲食店 | わざわざ車や電車で来る | 広めに。来る理由が強いほど遠くまで |
絞り方の種類と、初期設定の落とし穴
地域の絞り方は、大きく分けて2つあります。都道府県や市区町村の名前で指定する方法と、店などの地点を中心に半径で指定する方法です。対応している方法は媒体ごとに違います。例えば、LINEヤフー広告の検索広告では、2025年9月から地点を中心に1〜80キロの範囲で半径を指定できるようになりました。
設定でいちばん見落とされやすいのが、Google広告の地域の初期設定です。Google広告のヘルプによると、地域の指定には次の2つの選び方があり、何もしなければ広いほうが選ばれています(2026年10月時点)。
| 選び方 | 広告が出る相手 | 向く商売 |
|---|---|---|
| 所在地 | その地域にいる可能性が高い人、よく訪れる人 | 来店してもらう店、出向くサービス |
| 所在地やインタレスト(初期設定) | 上に加えて、その地域に関心を示した人 | 観光・宿泊・引っ越し・お土産 |
旅館や観光施設なら、遠くからその土地を調べている人に出せるのは強みです。一方、近所の人に来てほしい整骨院が初期設定のままだと、その町への旅行や引っ越しを調べている遠くの人にも広告が出ます。来店型の商売なら、「所在地」に切り替えておきます。

横浜の整骨院の広告が、横浜旅行を調べてる遠くの人に出てた…。初期設定のままだと、本当によくあるんです。
また、Google広告のヘルプでは、地域の指定は100%の精度ではなく、指定した地域の近くの人に出ることもあると説明されています。設定したら終わりではなく、実際にどこの人に出たかを後で確かめます。
狭くしすぎると、広告が届かない
商圏を絞るほど、むだは減ります。ただし、絞りすぎると別の問題が出ます。届く人の数が少なすぎると、広告がなかなか配信されなかったり、同じ人に何度も同じ広告が出たりします。成果の数も少なくなり、良かったのか悪かったのかの判断がつきません。
そこで、円を1つにするのではなく、商圏を2段に分けて考えます。
- 近い範囲:歩いて、または短い移動で来られる人。今日・今週来てもらう
- 少し遠い範囲:車や電車で来る人。わざわざ来る理由を伝える
2段に分けておけば、近い範囲だけでは人数が足りないときも、遠い範囲で配信を保てます。どちらの範囲から実際に人が来ているかも、別々に見られます。
近い範囲と遠い範囲で、言うことを変える
範囲を分けたら、広告の中身も分けます。近い人と遠い人では、知りたいことが違うからです。
郊外のパン屋で考えてみます。近い範囲の人には、「焼きたての食パンは朝7時から。駅の西口から2分」のように、今日の帰りに寄れる理由と場所の目印を出します。少し遠い範囲の人には、「土曜だけ並ぶ限定のパン。駐車場は店の裏に4台」のように、わざわざ来る価値と、来るときの不安を消す情報を出します。

歩いて10分と車で10分って、同じ10分でも全然違うんですよ。遠い人には、駐車場の一言が効きます。
近所の人にだけ分かる目印の入れ方は、ふだんの投稿の書き方とも共通します。
あわせて読みたい地域のお店のSNS集客。商圏が狭い店が来店を増やす発信のしかた広告を押した先も大事です。地域の店を広告で知った人の多くは、地図で場所と営業時間を確かめてから来ます。地図に載っている情報が、広告で言ったことと食い違っていないかを確かめておきます。
あわせて読みたいGoogleビジネスプロフィールとSNSのつなぎ方。地図で確かめる人を来店へ地域ごとに結果を見て、範囲を直す
地域を絞った広告は、出したあとに地域ごとの結果を見て、範囲を直していきます。
- 01分けて見る近い範囲と遠い範囲、または市区町村ごとに、クリックや予約の数を並べる
- 02来店と照らす予約の住所や、受付で「何で知ったか」を聞いた記録と見比べる
- 03外す広告は見られているのに、実際の来店がない地域を外す
- 04厚くする来店が出ている地域に、予算と素材を寄せる
- 052週間で区切る変えた日と内容を記録し、次の2週間で確かめる
来店は、広告の管理画面だけでは数えきれません。受付やレジで一言聞く、予約フォームに「何で知りましたか」を置く、といった店側の記録とあわせて見ます。
商圏から広告を組み立てるお手伝い
地域の広告は、設定の細かさより、どこの誰に何を言うかで結果が変わります。HEART CREATIONでは、広告・素材・行き先のページをまとめて組み立てます(サービス一覧)。
- 予約や来店の記録から、商圏を一緒に描く
- 近い範囲と遠い範囲で入口の違う素材を作り、2週間で結果を見て寄せていく
- 地図・予約ページ・LINEなど、広告の先と来店の数え方まで整える
拠点は東京・横浜ですが、全国のお店に対応しています。打ち合わせはオンラインで、撮影は出張で伺います。初回のご相談は無料で、オンライン60分でも承ります(ご相談はこちら)。

近所の人に「あの店、知ってる」と言ってもらえる広告。そういうのを一緒に作りたいんです。
よくある質問
地域を絞った広告は、半径何キロにすればいいですか?
業種とお客さんの来方で変わるので、決まった正解はありません。予約の住所や来店客への聞き取りから、実際にどこから来ているかを地図に落とし、その形に合わせて範囲を決めるのが確実です。媒体によって指定できる範囲も違い、LINEヤフー広告の検索広告では1〜80キロで指定できます。
Google広告で、指定した地域の外の人に広告が出るのはなぜですか?
地域の初期設定が「所在地やインタレスト」になっていて、その地域に関心を示した人にも広告が出るためです。来店型の商売なら「所在地」に切り替えます。また、地域の指定は100%の精度ではなく、近くの地域の人に出ることもあります。
市区町村単位で広告を出すことはできますか?
Google広告やLINEヤフー広告などでは、市区町村の単位で地域を指定できます。出向くサービスのように対応できる地域が決まっている商売は、半径より市区町村の名前で指定するほうが、実際の対応範囲と合わせやすくなります。
店から近いのに来てくれない地域を、広告の対象から外せますか?
外せます。Google広告などでは、地域を指定するのと同じように、対象から除く地域も設定できます。線路や川の向こうなど、地図で見て来店がほとんどない地域は、出したあとの結果を見ながら外していきます。
