毎月SNSのレポートを出しているんですが、社長からは「で、どうなの?」としか言われません。

10ページのレポートより、1行の結論のほうが読まれるんです。作った側としては、ちょっと切ないですけどね。
SNSの月次レポートは、作るのに半日かかるのに、読まれるのは数十秒ということがよくあります。分析画面の数字を貼り、グラフを並べ、先月との差を書き込む。それでも社長や上司から返ってくるのは「よく分からないけど、続けて」か「効果あるの?」のどちらかです。
読まれない理由は、レポートの読み手と目的がずれていることにあります。担当者が毎週見る表は、次の投稿を決めるための道具です。月次レポートは、読む人に判断してもらうための紙です。同じ数字を使っても、並べ方と書く順番が変わります。
この記事では、月次レポートに入れる欄、数字の並べ方、専門用語の言い換え、報告の場の持ち方を書きます。どの数字を追うか(KPI)と、毎週の振り返りの手順は、それぞれ別の記事にまとめています。
あわせて読みたいSNS分析の方法。インサイトの見方と、毎週の振り返りを30分で回す手順この記事の要点
- 月次レポートは、読む人に判断してもらうための1枚
- 1行目に結論、最後に決めてほしいことを1つ
- 前月だけでなく、前年の同じ月とも比べる
月次レポートは「判断してもらう紙」
社長や上司がSNSのレポートで知りたいことは、だいたい3つに絞られます。お金と時間をかけた分の結果が出ているか。このまま続けてよいか。何か決めたり用意したりする必要があるか。
ここに答えていないレポートは、どれだけ数字が並んでいても読まれません。逆に言えば、この3つに答えていれば、1枚で足ります。分析画面の数字を全部載せる必要はありません。報告に使う数字をどう選ぶかは、KPIの記事で書いています。
あわせて読みたいSNS運用のKPIは何を見るか。会社の数字から逆算して3つに絞る1枚に入れる5つの欄
A4で1枚、またはスライド1枚に収めます。上から次の順で並べます。
| 欄 | 書くこと | 整骨院の例 |
|---|---|---|
| 今月の結論 | 1行で。良かったか、悪かったか、なぜか | SNS経由の新患が前年同月より増えた。肩こりの動画が入口になった |
| 結果の数字 | 予約・問い合わせ・応募など、会社の数字 | SNS経由の新患の予約、「何で知ったか」の回答 |
| 途中の数字 | 結果の手前の数字を2〜3個 | 予約ページへのタップ、プロフィールへの移動 |
| やったことと効いたこと | 今月の主な投稿と、効いたと考える理由 | 姿勢の手順動画を3本。保存が多く、予約ページへの移動も増えた |
| 来月と、決めてほしいこと | 来月変えることと、判断や協力のお願い | 院長が出る回を月2本に。撮影の時間を毎月第1火曜にとりたい |
※ 例は書き方を示すためのものです。
いちばん上の結論は、最後に書きます。下の4つを埋めてから、全体を1行にまとめる。この1行だけを読んだ人にも、今月の状況が伝わるようにします。
最後の欄の「決めてほしいこと」は、必ず1つ入れます。撮影の時間をとってほしい、出演する人を決めてほしい、この施策を止めてよいか。判断のお願いが無いレポートは、読む側にとって「聞いておけばいい話」になり、目を通す理由が薄れます。
数字は「前年の同じ月」と並べる
月次レポートの数字は、先月との比較だけでは読み違えます。季節の波がある商売では、先月より減ったのが季節のせいなのか、投稿のせいなのかが分からないからです。
並べる数字は、次の3つが基本です。
- 今月の数字
- 先月の数字
- 前年の同じ月の数字(あれば)
さらに3か月から半年分の推移を、小さな折れ線で1つだけ添えると、一度の上下に振り回されにくくなります。グラフは1枚に1つで十分です。

「200%増」って書きたくなる月、ありますよね。でも2件が4件になっただけ、ということもあるんです。
件数が少ないうちは、割合ではなく件数で書きます。「問い合わせが2件から4件に」と書けば、読む人は自分で大きさを判断できます。割合だけを見せると、実際より大きな変化に見えてしまい、翌月に1件に戻ったときに説明がつかなくなります。
数字をいつ時点で取ったかも、毎月そろえます。月末の締めの翌日に、同じ画面から、同じ手順で写す。手順を一度紙に書いておけば、担当が変わっても数字の取り方は変わりません。
専門用語は、言い換えて書く
SNSの分析画面の言葉は、担当者以外にはなじみがありません。リーチ、インプレッション、エンゲージメント率。レポートにそのまま書くと、読む人は意味を確かめるところで止まります。
| よく出る言葉 | レポートでの書き方の例 |
|---|---|
| リーチ | 投稿が届いた人の数 |
| インプレッション | 投稿が画面に出た回数(同じ人に何度出ても数える) |
| エンゲージメント | いいね・コメント・保存などの反応の合計 |
| クリック率 | 投稿を見た人のうち、リンクを押した人の割合 |
※ 数字の呼び名や数え方は、媒体やアプリの更新で変わることがあります。レポートでは、意味で書いておくと長く使えます。
言い換えのほかに、数字の横に「だから何か」を一言添えます。「予約ページへ進んだ数が増えた。手順の動画のあとに予約の案内を入れた月から」。数字と理由が隣にあると、読む人は質問しなくても話が分かります。

良かった月は、思わず飛び跳ねたくなりますよね。そういう月こそ、理由を1行で残しておくんです。
報告の場は15分、決めることは1つ
月次レポートは、紙を渡して終わりにしないほうが伝わります。月に1回、15分ほどの報告の場を、あらかじめ予定に入れておきます。
- 01前日に送るレポートを前日までに送り、読んでから来てもらう
- 02結論から話す1行目の結論を読み上げ、質問を受ける
- 03決めてもらう最後の欄のお願いに、その場で答えをもらう
- 04記録する決まったことを次のレポートの冒頭に書く
決まったことを翌月のレポートの冒頭に書いておくと、「先月こう決めて、こうなった」というつながりが生まれます。半年続けると、レポートの束が、そのまま施策の記録になります。
数字が悪かった月は、どう書けばいいですか?
悪かった月も、書く順番は同じです。結論に「悪かった」とはっきり書き、理由の見立てと、来月変えることを並べます。結果が出るまでに時間がかかる施策なら、途中の数字が動いているかを示します。悪い月を隠すより、理由と次の手がそろっているほうが、続けるかどうかを落ち着いて判断してもらえます。
当社でも、投稿の反応や伸びた投稿の共通点を読み解くための「SOCIAL DNA」という分析サイトを作りました。数字を集めるところは道具に任せ、なぜそうなったかを言葉にするところに時間を使う、という考え方です(SOCIAL DNAのこと)。
報告の形づくりから、一緒に考えます
月次レポートは、作り方より「何を判断してもらうか」を決めるところで迷いがちです。HEART CREATIONでは、追う数字を決めるところから、社内で回る報告の形まで一緒に整えます(サービス一覧)。
- 再生数ではなく、予約・問い合わせ・応募など、その先の数字を最初に決める
- 施策を続けるかどうかの判断材料をそろえる。止めたほうがよい施策は、止める提案もする
- 社内で数字を読めるように、数字の見方を3〜6か月で渡していく
今お使いのレポートがあれば、それを見ながらお話しできます。初回のご相談は無料で、オンライン60分でも承ります。

今のレポートを手元に置いて、話すだけでも大丈夫です。どこを残すか、一緒に仕分けましょう。
よくある質問
SNSの月次レポートは何ページが適切ですか?
1枚に収めるのがおすすめです。結論・結果の数字・途中の数字・やったこと・来月と決めてほしいこと、の5つの欄があれば足ります。詳しい数字は別紙にして、必要なときだけ見せます。
月次レポートのテンプレートはどう作ればいいですか?
表計算ソフトかスライド1枚に、5つの欄を上から並べた形を作り、毎月同じ形で書きます。欄の順番と数字の取り方を変えないことが、月ごとに比べられるレポートにするこつです。
前年のデータがない場合は、何と比べればいいですか?
先月の数字と、直近3か月の推移で比べます。1年続けた後は、前年の同じ月と並べられるようになります。季節の影響が大きい業種では、帳簿などSNS以外の記録から前年の波を拾っておくと読み違えにくくなります。
外部の運用会社のレポートは、どこを見ればいいですか?
まず1行目に結論があるか、結果の数字(予約や問い合わせ)が載っているかを見ます。途中の数字だけが並んでいる場合は、会社の数字とのつながりを説明してもらってください。
