担当者が増えたので運用マニュアルを作ろうと思うんです。でも何から書けばいいのか。昔作ったルール集は、誰も開いていなくて。

分厚いマニュアルって、読んでいるうちに眠くなりませんか。薄くていいんです。使えるかどうかだけです。
SNSの担当が2人、3人と増えると、同じ作業でもやり方がばらばらになります。予約投稿の時間、確認を頼む相手、写真の置き場所。最初の担当者の頭の中にだけあった手順が、口頭で少しずつ違って伝わっていきます。
そこで手順書を作るのですが、作ったまま開かれなくなることがよくあります。決めごとを並べただけで、「では明日、何をどの順でやればいいか」が書かれていないからです。手順書の出来は、新しく入った人がそれだけを読んで、1本の投稿を最後まで出せるかで測れます。
この記事では、手順書に入れておきたい章立て、作業ごとの書き方、古くしないための更新のしかた、使われているかの確かめ方を順に書きます。炎上を防ぐための決まりそのものは、別の記事で扱っています。
この記事の要点
- 手順書の出来は「新人がそれだけで1本出せるか」で測る
- 決めごとは別紙にまとめ、手順書は作業の順番を書く
- 更新のきっかけと持ち主を決め、最初のページに更新日を書く
手順書は「作業の順番」を書くもの
SNSの運用には、いくつもの決めごとがあります。トンマナ、テンプレート、コメントの返し方、出さないテーマ。それぞれ大事ですが、全部を1冊に書き込むと、作業の順番が埋もれてしまいます。
手順書の役目は、作業の流れを上から順に書き、決めごとが要る場面で「ここは別紙のこれを見る」と案内することです。決めごとの中身は別紙に置き、手順書からリンクします。こうしておけば、トンマナを直したときに手順書まで書き換える必要がありません。
例えば、市内に2店舗ある整骨院で、受付スタッフが交代で投稿を作るとします。新しいスタッフが知りたいのは、「写真はどのフォルダから取るか」「文章は誰に見てもらうか」「何時に予約するか」です。トンマナの考え方より先に、この順番が要ります。
入れておきたい10の章
| 章 | 書くこと | 別紙にしてよいもの |
|---|---|---|
| 1. この手順書について | 誰が読むものか、持ち主、最終更新日、変更点 | — |
| 2. 目的と追う数字 | 何のためのSNSか、追う数字を1〜3つ | KPIの決め方の資料 |
| 3. アカウントと権限 | どのアカウントを誰が触れるか | ログイン方法の管理表(手順書には書かない) |
| 4. 1本ができるまでの流れ | ネタ出し→撮影→作成→確認→予約→公開後 | — |
| 5. 作り方の決まり | 文字数、写真の明るさ、使うテンプレート | トンマナ表、テンプレート |
| 6. 確認と承認 | 誰が、何を見て、いつまでにOKを出すか | 確認の観点一覧 |
| 7. 公開後の対応 | コメント・DMを誰が見るか、窓口に渡す線 | 返し方のひな形 |
| 8. 困ったとき | 誤投稿・乗っ取り・批判が集まったときの連絡先と順番 | 炎上時の対応の決まり |
| 9. 数字の記録 | 何を、いつ、どこに記録するか | 振り返りの表 |
| 10. 更新履歴 | いつ、誰が、何を変えたか | — |
3章のログイン情報は、手順書に書き込まないでください。手順書は共有するものなので、パスワードまで書くと、読める人がそのまま入れてしまいます。誰が何を触れるかだけを書き、ログインの方法は別に管理します。
8章も、中身は別紙に任せます。手順書に書くのは「まず誰に連絡するか」の一行と、別紙の場所です。炎上を防ぐ決まりの中身は、こちらにまとめています。
あわせて読みたいSNSの炎上を防ぐために社内で決めておくこと。投稿前の確認とルール作業ごとの書き方。1行に1つの動作
4章の「1本ができるまでの流れ」は、作業ごとに分けて書きます。コツは、1行に1つの動作だけを書くことです。
- 01写真を選ぶ共有フォルダの「撮影済み」から、今週のテーマの写真を3枚選ぶ
- 02文章を書くテンプレートを複製し、見出しは2行まで、本文は決まった書き出しで書く
- 03確認を頼む店長に、前日の15時までにリンクを送る
- 04直す返ってきた指摘を直し、直した点を一言添えて返す
- 05予約するOKが出たら、決まった時間に予約投稿を入れる
- 06記録する投稿日と中身を記録表に1行足す
書くときに気をつけたいのは、3つです。
- 判断が要るところには、判断する人の名前(役職)を書く。「確認してから出す」ではなく「店長が確認してから出す」
- 「〜しない」より「〜する」で書く。「暗い写真を使わない」より「窓際で撮った写真を使う」のほうが、何をすればいいか分かる
- 迷いやすい作業には、画面の写真か見本を1つ添える
社内の誰かが「これ、どうやるんでしたっけ」と2回聞いたら、その答えは手順書に足す合図です。ひとりで運用していた時期の運用メモがあれば、それを4章の土台にすると早く作れます。
あわせて読みたいSNS担当者が1人しかいない会社の回し方。ひとり運用を続ける仕組み
手順書だけ読んで、新人さんが最初の1本を出せた。そうなったら、ちょっと感動しますよ。
古くしないための、更新のきっかけと持ち主
手順書が使われなくなる理由のほとんどは、中身が古くなることです。アプリの画面が変わって手順どおりに押せない。担当者が変わったのに名前が前のまま。一度でも「書いてあるとおりにやったら違った」が起きると、読む人は手順書を信用しなくなります。
古くしないために、2つを決めておきます。
1つ目は、持ち主を1人にすることです。全員で直せる状態にすると、誰も直しません。持ち主が変更を受け付けて、直し、1章の更新日と変更点を書き換えます。
2つ目は、更新のきっかけを決めておくことです。
| きっかけ | 直すところの例 |
|---|---|
| アプリの画面や機能が変わった | 予約投稿や確認の手順、画面の写真 |
| 担当者や確認する人が変わった | 名前、連絡先、期限 |
| 失敗やヒヤリとしたことがあった | その作業の手順と、確認の一行 |
| 同じ質問が2回出た | 答えを該当する作業に足す |
| 追う数字や目的を見直した | 2章と9章 |
これに加えて、半年に1回は持ち主が頭から読み直す日を決めておくと、小さなずれが溜まりません。

SNSの画面や機能は、波みたいに変わります。手順書も一緒に乗り換えていく前提で作っておきましょう。
使われているかは、新しい人に試してもらう
手順書ができたら、作った人以外に、それだけを読んで1本作ってもらいます。新しく入った人や、ふだんSNSを触らない人が向いています。
試してもらうときは、横で口を出さないことです。止まったところ、聞きたくなったところに印を付けてもらい、そこを直します。作った人には当たり前すぎて書いていなかった手順が、いくつか見つかるものです。
この試し読みは、作ったときだけでなく、担当者が入れ替わるたびに行うと効果があります。新しい担当者の最初の1本が、そのまま手順書の点検になります。
手順書づくりから、HEART CREATIONでお手伝いできること
HEART CREATIONは、SNSの企画・撮影・編集・運用を同じチームで受け持ち、社内で回せるようにする内製化の支援も行っています。企画の型・撮影手順・編集ルール・数字の見方を、3〜6か月かけて渡していく進め方です。
- 今の運用を一緒にたどり、10の章に沿って手順書のたたき台を作る
- トンマナ・テンプレート・返し方のひな形など、別紙にする決めごとを整える
- 新しい担当者の試し読みに立ち会い、止まったところを直していく
「誰も開かないルール集がある」という段階のご相談も歓迎です。初回のご相談は無料です(相談はこちら)。

手順書ができたら、あとは回すだけ。最初の見直しの日も、一緒に決めておきましょう。
よくある質問
SNS運用マニュアルは、何ページくらいが目安ですか?
ページ数より、新しい人がそれだけで1本出せるかで考えます。作業の順番を書いた本体は短くし、トンマナや返し方のひな形などの決めごとは別紙にしてリンクすると、読みやすい厚さに収まります。
運用マニュアルと運用ルールは、何が違いますか?
この記事では、ルールを「何をする・しない」の決めごと、マニュアル(手順書)を「どの順でやるか」の作業の流れとして分けています。ルールの中身は別紙に置き、手順書の該当する作業からそこへ案内する形にすると、両方が古くなりにくくなります。
手順書は、どんな形で作ればいいですか?
担当者全員がスマホでも開ける共有の文書が使いやすいです。印刷して配ると、直したときに古い版が手元に残ります。最初のページに最終更新日を書いておくと、読む人が新しい版か確かめられます。
外注している作業も、手順書に書くべきですか?
外に任せている作業も、誰に・何を・いつまでに渡すかは社内の手順として書いておきます。業者が変わったときや、社内に戻すときに、その部分から引き継げます。
手順書を作っても、誰も読まないときはどうすればいいですか?
書いてあるとおりにやって失敗した経験があると、読まれなくなります。新しい人に試し読みしてもらって止まった所を直し、更新のきっかけと持ち主を決めて、中身を今の作業に合わせ続けることから始めます。
