AIのキャラクターなら、台本どおりにしか話さないし、炎上の心配はないですよね?

台本どおりだからこそ、言わせたことは全部、会社の言葉になるんですよ。
人のタレントが失言をしたなら、それは本人の言葉です。AIのキャラクターには、その逃げ道がありません。名前や性格があり、人のように話していても、何を言わせるかを決めたのは会社です。見る人もそれを分かったうえで受け取ります。
だから、AIキャラクターを作るときは、見た目や口調より先に「言わせないこと」を決めます。とくに、人ではないことから生まれる線引きが5つあります。体験、人間としての設定、実在の人との関係、専門家としての判断、決められない約束です。
この記事では、その5つと、言わせたいことを言い換える書き方、「AIなの?」と聞かれたときの答え方、そして全部を設定書にまとめる方法を書きます。AIインフルエンサーの仕組みそのものは、別の記事にまとめています。
あわせて読みたいAIインフルエンサーとは?企業が使う仕組みと、向く会社・向かない会社この記事の要点
- AIキャラの発言は、すべて会社の発言として受け取られる
- 言わせないのは、人ではないことから生まれる5つ
- 「AIなの?」への答えは、聞かれる前に決めておく
AIキャラクターの発言は、すべて会社の発言になる
AIキャラクターは、見る人に人のような親しみを持たせます。そこが強みです。けれど、親しみがあるほど、キャラクターの言葉は「この人の本音」のように届きます。
例えば、健康食品の会社のキャラクターが「私も毎朝飲んでいて、体が軽くなりました」と言ったとします。キャラクターは飲めません。見る人が本気にすれば、事実ではない体験談を会社が広めたことになります。冗談のつもりでも、切り取られれば言い訳はききません。
会社の公式アカウントで気をつける話題、例えば政治や他社の悪口などは、AIキャラクターでも同じです。社内の投稿ルールをそのまま当てはめます。
あわせて読みたいSNSの炎上を防ぐために社内で決めておくこと。投稿前の確認とルールこの記事で扱うのは、それとは別の、AIのキャラクターだからこそ起きる線引きです。
言わせない5つのこと
先に一覧にします。右の列は、代わりにどう言うかです。
| 言わせないこと | NGの例 | 代わりに |
|---|---|---|
| 体験・感想 | 「使ってみたら朝が楽になった」 | 「朝の手間が一つ減る作りです」 |
| 人間としての設定 | 「私も3人の子どもを育てていて」 | 「子育て中の方からよく聞かれるのが」 |
| 実在の人との関係 | 「〇〇さんも愛用しているんです」 | 言わない。お客様の声は本人の了解を取って別に載せる |
| 専門家としての判断 | 「その症状なら、これで治ります」 | 「気になる症状は、医師にご相談ください」 |
| 決められない約束 | 「今日中に必ず届きます」「その金額で大丈夫です」 | 「担当者が確かめて、お返事します」 |
いちばん破られやすいのは、2つ目の人間としての設定です。親しみを出したくて、年齢や家族、出身地まで細かく作り込む。設定そのものは構いませんが、その設定を使って「私も同じ悩みがあった」と語らせた時点で、作り話の体験談になります。
3つ目は、実在の人の名前を出すことです。有名人や取引先の名前を出して「あの人も使っている」と匂わせれば、本人の了解のない推薦になります。似た顔や声で作らないのと同じく、言葉でも実在の人を借りません。

使ってないのに「使ってみた」は、キャラでも人でも嘘なんですよ。ここだけは譲れません。
4つ目と5つ目は、キャラクターがサイトのチャットやLINEで質問に答えるときに起きやすい線です。症状や法律の相談に答える、金額や納期を確定させる。こうした判断は人が受け持ち、キャラクターは「確かめてお返事します」と人に引き継ぐ役に徹します。化粧品や健康食品で効果をどこまで言えるかは、別の記事で扱っています。
あわせて読みたい化粧品・健康食品の広告で気をつけること。薬機法で言える範囲体験の代わりに、事実と「お客様の声」を語らせる
体験を言わせないと、何も言えなくなるように感じるかもしれません。そうではなく、主語を変えると言えることはたくさんあります。
| 業種 | 体験として言わせた場合 | 主語を変えた言い方 |
|---|---|---|
| パン屋 | 「焼きたてを食べたら最高でした」 | 「朝7時に焼き上がるのは、この3種類です」 |
| 美容室 | 「このトリートメントで私の髪もさらさらに」 | 「傷んだ毛先に、こういう順番で使います」 |
| 工務店 | 「この家に住んだら冬も暖かくて」 | 「この壁は、断熱材をこの厚さで入れています」 |
主語がキャラクターから、商品や作り方の事実に移っています。キャラクターは「よく知っている案内役」として話し、体験は語りません。
体験の言葉がほしいときは、実在のお客様に聞きます。了解を取ったうえで、「お客様の声」としてキャラクターが紹介する形にすれば、誰の体験かがはっきりします。

主語を商品に変えるだけで、言えることがぐっと増えるんです。ここが分かると台本が早くなりますよ。
「AIなの?」と聞かれたときの答えを、先に決めておく
AIキャラクターを続けていると、コメントやDMで必ず聞かれます。「これってAI?」「中の人はいるの?」。そのとき担当者がその場で考えると、ごまかしたり、冗談で流したりしてしまいがちです。
答えは、聞かれる前に決めておきます。
- AIかどうか:生成したキャラクターだと、そのまま答える。人間だと言わない
- 誰が書いているか:会社の担当者が台本を書いていると答える
- 設定の外の質問(政治や時事への意見など):キャラクターとしては答えないと決め、決まった一言で返す
生成であることを伏せて商品を勧めれば、見る人を誤解させるだけでなく、景品表示法の問題にもなり得ます。プロフィールや投稿の中でも、AIで作ったキャラクターだと分かるようにしておきます。
正直に「AIです」と言ったら、がっかりされませんか?

そこは落ち着いて大丈夫。最初から言っておけば、聞かれても「知ってたよ」で終わる話なんです。
言わせないことを、1枚の設定書にまとめる
ここまでの決まりは、担当者の頭の中に置いておくと、人が替わったときに崩れます。キャラクターごとに、1枚の設定書にまとめておきます。
- 01役割何の係か(案内役・広報役・受付役など)を一言で
- 02口調語尾、一人称、使う言葉と使わない言葉
- 03言わせないこと上の5つに、業種ごとの決まりを足す
- 04答え方AIかと聞かれたとき、設定外の質問、人に引き継ぐときの一言
- 05確認する人投稿やチャットの文面を、出す前に見る人
1つ目の役割が決まると、言わせないことも決めやすくなります。当社が作ったAIキャラクター「早瀬 玲」には、秘書・マネージャーという役割を持たせています(作り方はMEDIAの記事に)。役割がはっきりしていれば、その役から外れる発言はしない、という線が引けます。
設定書は、新しい言い回しで迷うたびに書き足します。チャットで答える内容を決めるときも、同じ設定書を土台にします。
キャラクターの設計から、HEART CREATIONでお手伝いできること
HEART CREATIONでは、AIインフルエンサーの設計・制作から運用まで、同じチームで引き受けています。
- キャラクターの役割・口調・言わせないことを決める設計
- 実在の人物に似せず、体験していないことは言わせない台本づくり
- AIであることを伏せない表示の設計
- 質問を受けるAIチャットやLINEと、同じ設定でつなぐ運用
「キャラクターを作りたいが、何を決めればいいか分からない」段階でのご相談で構いません。初回のご相談は無料で、オンライン60分でも承ります。

言わせないことが決まれば、あとは安心して話させられます。一緒に作りましょう。
よくある質問
AIキャラクターに年齢や家族構成の設定を作ってもいいですか?
設定を作ること自体は構いません。ただ、その設定を使って「私も同じ経験をした」と体験談を語らせると、作り話になります。設定は話し方や見た目を決めるための材料として使います。
AIインフルエンサーが炎上するのは、どんなときですか?
使っていない商品の感想を言わせた、人間のように振る舞って後からAIだと分かった、実在の人の名前や顔を借りた、といったときに起きやすくなります。どれも、作る前に言わせないことを決めておけば防げます。
AIキャラクターにお客様の質問へ答えさせても大丈夫ですか?
商品の説明や営業時間など、決まった答えがある質問なら任せられます。金額の確定や医療・法律に関わる相談は、人に引き継ぐ決まりにしておきます。
AIキャラクターの口調は、どうやって決めればいいですか?
先に役割を決め、その役の人ならどう話すかで決めます。語尾と一人称、使わない言葉を設定書に書いておくと、書く人が替わっても口調がぶれません。
